SUVに匹敵する本格的悪路走破性をもつ個性派ミニバン
ミニバンでありながら、SUVに匹敵する悪路走破性を実現して人気を誇るのが、三菱デリカシリーズ。シリーズ5代目となるデリカD:5は2007年1月より販売開始した。クルマの骨格に環状骨格構造のリブボーンフレームを採用。高いボディ剛性を実現して操縦安定性を確保した。デリカD:5のボディサイズは全長4730mm×全幅1795mm×全高1870mm(4WD車)。先代に比べて地上高は20mm増、全高は100mm減としているものの、室内高は100mm壮大し広い室内空間を確保している。これまでのデリカシリーズと同様ミニバンながら、高い悪路走破性を実現するため、三菱のオールホイールコントロール(AWC)思想のもと電子制御4WDやASCを採用することで、パジェロに匹敵する悪路走破性を実現している。搭載されているエンジンは2WDガソリン車に搭載される2L直4SOHC MIVEC、4WDガソリン車に搭載される2.4L直4DOHC MIVEC、そして2.2L直4DOHCディーゼルターボの3種類。ミッションはガソリン車がCVT、ディーゼル車は6速ATが組み合わされる。燃費性能はJC08モードで2Lガソリンが13.6km/L、2.4Lガソリンが11.2km/L、2.2ディーゼルが13.8km/Lを実現している。2019年2月に大幅な改良を加えた新型デリカD:5が登場。モデル体系は標準車のデリカD:5に加えて、洗練されたモダンなデザインのデリカD:5アーバンギアを設定。ボディサイズは全長4800mm×全幅1795mm×全高1875mmと全長が長くなった。外観デザインは、三菱のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を取り入れ、縦型のマルチLEDヘッドライトとLEDポジションランプを採用し、個性的で上質なデザインとなった。インテリアはインストルメントパネルを一新。水平基調で構成されたパネルに生命力あふれる立体木目を採用し、機能性と上質さを兼ね備えている。外観が一新されたデリカD:5に搭載されているエンジンは、最高出力145ps、最大トルク380Nmを発生する2.2L直列4気筒ディーゼルターボで、ミッションは新開発の8速ATに変更されている。駆動方式は新たに旋回運動を判断し、ハンドルに忠実な車両の動きを実現した電子制御4WDシステムを採用。燃費性能はWLTCモードで12.6km/Lを実現している。安全装備では「e-アシスト」と呼ばれる運転支援システムを採用。衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)をはじめ、車線逸脱警報システム(LDW)、レーダークルーズコントロール(ACC)といった機能がパッケージ化されている。2019年11月には一部改良を行い、運転支援システムの「e-アシスト」に誤発進抑制機能(前後)を追加し、さらに安全性を向上させている。また、助手席ドア、助手席側スライドドアと連動し、自動で展開、収納する電動サイドステップを標準装備し、乗降性を向上させている。デリカD:5は2020年12月にも一部改良を行い、雨量に合わせて、ワイパーの動作速度を自動で切り替える雨滴感応オートワイパーを採用。また、寒冷時にステアリングホイールを温め、快適なドライブをサポートするステアリングヒーターを装着、オートライトコントロール機能の安全性向上など利便性を向上させている。また継続販売されていたガソリン車の販売を終了した。(2020.12)