2020-12-01
車検に落ちるヘッドライトの特徴と対策とは?
車検の点検項目の1つであるヘッドライトは、実は意外と車検の合否に大きく関わっているパーツです。
そこで今回はヘッドライトの取り付け基準と点検項目、法改正によって何が変わったのかについて解説していきます。
車検の点検項目の1つであるヘッドライトは、実は意外と車検の合否に大きく関わっているパーツです。
ヘッドライトの点検項目は、夜道を安全に走行させるために重要な部品であり、もともと取り付けの基準が細かいパーツでしたが、2015年に規則が改正したことによってさらに厳しくなりました。
そこで今回はヘッドライトの取り付け基準と点検項目、法改正によって何が変わったのかについて解説していきます。
車に詳しくない方でも理解しやすいよう、わかりやすく解説していきますので、一緒に確認してきましょう。
ヘッドライトとは
そもそもヘッドライトやロービーム、ハイビームといったもの何を指しているのでしょうか。ヘッドライトのことを理解するためには、これらが何を示しているのか理解することが必要です。
まずはヘッドライトの名称について整理していきましょう。
【ヘッドライトとは】
ヘッドライト |
前照灯のこと。車の前方に取付けられたライトで夜間に運転する際に利用する。夜間はロービームとハイビームの使い分けをして走行する必要がある。
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【ヘッドライトの2つのモード】
ロービーム |
すれ違い用前照灯のこと。他の車の走行の妨げになる場合や、対向車とすれ違う時に利用するモードのこと
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ハイビーム |
走行用前照灯のこと。ロービームよりもより遠くまで光を当てることができる。ただし光が強いため対向車がきた場合については、ロービームに切り替える必要がある。
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ハイビームの別名が走行用前照灯ということに少し違和感を覚えた人もいるのではないのでしょうか?
実は道路交通法ではハイビームこそが、夜間走行の際に基本とされているのです。
ロービームについては、本来はあくまでも対向車とすれ違う時に利用するというのが正解です。
ただし実際は、日常的に車を利用するシーンで対向車や歩行者が全くいないという状況はきわめて稀なため、常時ロービームを使う人が多いのが現状です。
道路交通法などの公式な文書では「前照灯」「すれ違い前照灯」「走行用前照灯」という名称が利用されているため、混乱しないように注意しましょう。
車検でのヘッドライトの検査項目
画像出典:Adobe Stock
次に車検でヘッドライトは、どのようなところが検査されているのか確認していきましょう。
車検での検査項目は主に以下の通りです。
- 問題なく点灯しているか
- 破損はしていないか
- 色味は問題ないか
1つずつ確認していきましょう。
1.問題なく点灯しているか
まず1つ目に確認されるのが点灯に問題がないかというところです。
ヘッドライト以外の灯火装置全てにも該当しますがライトの電球が切れてしまっていないか、光が弱まっていないかなどを確認されます。
特に注意すべきは光軸と光量にについて。光軸とはヘッドライトの光で照らすことができる方向のこと。光量についてはカンデラ(光度)という光の強さを表す単位をもとに規定がされています。
国土交通省の明示している保安基準によるとロービームは前方に40m、ハイビームは前方に100m先を照らすことができる光軸に必要があります。
光量についてはそれぞれ以下の通りです。
ロービーム |
6400カンデラ以上 |
ハイビーム |
最高光度が430,000カンデラを超えないこと
以下のどれか一つに該当すること。
・4灯式以外のもので、ロービームが同時に点灯しない場合は1灯15000カンデラ以上
・4灯式以外のもので、ロービームが同時に点灯する場合は1灯あたり12000カンデラ以上、またはロービームとの高度の合計が15000カンデラ以上
・4灯式の場合は1灯12000カンデラ以上、または他のハイビームとの光度の合計が15000カンデラ以上
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2.破損はしていないか
2つ目に確認されるのは破損の有無です。
こちらもヘッドライト以外の灯火装置すべてに言えるところで、ライトや本体に割れやヒビが入っていないか、取り付けは正しくされているのか、内部に水滴が溜まってしまっていないかなどをチェックされています。
ヘッドライトは高額なため交換うを渋ってしまう方もいるのではないでしょうか。
しかし、ヘッドライトの不具合は夜間の走行に置いて重要な部品であるという位置付けのため警察からの指導の対象になってしまうことも…。
もし異常を発見した場合は、車検に関係なくすぐ交換するようにしましょう。
3.色味は問題ないか
画像出典:Adobe Stock
3つ目に確認されるのはヘッドライトの色味です。
平成27年にヘッドライトの色は原則白色のみと定められました。ただしそれ以前は黄色も許されており、平成17年12月31日以前に新車登録をされた車両に関しては、黄色でも許されています。
白色といっても様々な色合いがあるため、ケルビン数(色温度)を目安としてを考えます。
ケルビン数とは色温度を示す単位でケルビン=kというように表記します。
上記の図を見ていただいたらわかるように数値が低くなれば赤く、数値が高くなれば青くなります。
後に解説するライトの種類によって、適性の数値は変わりますが、目視で白と確認できるケルビン数は6000k前後を目安にするのが一般的です。
ヘッドライトの点検項目は厳しくなった
画像出典:Adobe Stock
実は平成27年9月1日にヘッドライトの規則は改正されました。それに伴い、実際に車検を受けた人の中には、以前に比べて検査が厳しくなったと感じた人もいるのではないでしょうか?
どのような部分が改正になったのは主に以下の4点です。
- 測定条件がロービーム中心になった
- ヘッドライトの色は白になった
- 光軸が40m先の障害物も確認できる位置に調整されている
- 明るさが1灯につき6,400カンデラ以上
1番大きく変更になった点は、ハイビームからロービームが検査で重要視されるようになった点です。
前述した通り、もともとはハイビームが走行用としてメインとして利用されることが基本でした。しかし、現在の道路状況ではロービームを利用する時間が多くなってしまった現実を踏まえ、ロービームの検査が厳しくなったという背景があります。
ただし、ハイビームの検査が全くなくなったわけではなく、ロービーム測定しか対応できない検査場も残っている可能性があるため、ハイビームもしっかりと日常的に検査するようにしましょう。
2〜4については、前項「ヘッドライトの検査項目」ですでに解説していますので、詳細を見返したいという方は、もう一度読んでみてくださいね。
ヘッドライトの種類
画像出典:Adobe Stock
次にヘッドライトの種類ごとに特徴や車検の際に気を付けるべきことについて解説していきたいと思います。
ヘッドライトには主に以下の3種類の光源が主流になっています。
- ハロゲン
- HID
- LED
それでは早速確認していきましょう。
1.ハロゲン
ハロゲンの特徴
ハロゲンとは最も一般的な光源のことです。窒素などの不活性ガスとハロゲンガス(ヨウ素、フッ素、塩素など)を封入しフィラメントを通電させて発光をさせます。HIDやLEDが開発された影響で、少しずつ数が普及率が減ってきていますが、その他のライトに比べて安価なので、まだまだ国内でのシェアの割合が高いです。
ハロゲンの特徴は以下の通りです。
- 価格が安め(1,000円〜5,000円程度で交換可能)
- 寿命は短め(約1000時間程度)
- 電球色のような少し黄色味がかった光のため、対向車が眩しいと感じづらい
車検の際の注意点
ハロゲンは他のライトと比べて明るさが劣るものが多いです。
また、寿命も短いため、突然使えなくなってしまったり、寿命を迎える前は車検の明るさが足りない可能性があります。
「1000時間以上使っているかも」と思ったあなたは車検の前に交換した方が良いかもしれません。
2.HID
HIDの特徴
HIDとはディスチャージヘッドライトや、バイキセノンライトとも呼ばれています。ハロゲンライトの後、2000年ごろから普及し始めました。
フィラメントを利用せずアーク放電で発光する仕組みです。アーク放電とは電極間にかかる電位差によって電子を放出する仕組みのことです。
HIDの特徴は以下の通りです。
- 価格は10,000〜20,000円程度
- 寿命は2000時間程度
- 白くて非常に明るい、3つの光源の中で一番明るいライト
車検の際の注意点
HIDは非常に明るいため、ロービームの明るさ規定に引っかからないように、注意をする必要があります。
また、HIDは明るくなるまでに数秒かかるため、ロービームのみで利用されることがほとんどです。そのため、ロービームはHID、ハイビームはハロゲンという組み合わせになっていることが多いです。ハイビームは使う機会が少ないため、寿命はあまり問題ないかもしれませんが、ハイビームの方が寿命が短いものを使っていることを意識しておきましょう。
3.LED
LEDの特徴
最後にご紹介するLEDは、家庭用にも多く普及しているため、どういうものか知っている人も多いのではないでしょうか?
発光ダイオードとも呼ばれており、プラスとマイナスの電流がLEDチップの中で衝突することで光を発生させています。電気を直接に変えることができるので、その他の光源と比べて
かなりの省電力で光を発生させることができます。
ここ数年間でかなり普及が進んでおり、ハロゲンに変わって今後はLEDが主流になるのではと予想されています。
LEDの特徴は以下の通りです。
- 価格は10,000〜20,000円程度
- 寿命は約10,000時間(15年程度)
- どのような色合いでも再現でき、安定して光を発生させることができる
車検の際の注意点
LEDは性能が高く寿命が長いため、ハロゲンやHIDからLEDに交換をした人が多いのではないでしょうか。
もし、交換をしていた場合は注意に一番注意すべきは光軸です。
正規品での交換であれば問題は特にありませんが、もともとハロゲンやHIDが搭載されていた車両については要注意。
なぜなら、LEDはハロゲンやHIDとは光の出し方が異なるからです。もしLEDに交換する場合はハロゲンなどと同じように、全方位を照射できるようなLEDバルブを選択する必要があります。安価なLEDを選ばずに、きちんと車検に対応しているLEDを選択するようにしましょう。
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いかがでしたでしょうか?
ヘッドライトは実は落ちる可能性が高い箇所の1つです。
目視で確認できるところもあるため、車検の前には一度自身でも点検してみるようにしましょう。
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参考サイト
国土交通省(参照日:2020−10−21)
https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/content/000004716.pdf
国土交通省(参照日:2020−10−21)
https://www.mlit.go.jp/common/001056497.pdf
独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規定(参照日:2020−10−21)
https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn0000000mn6.pdf
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