2020-06-29
車を売却する時に気になる保険の手続き

画像出典:Adobe Stock
車を売却するときには、自動車保険についての手続きも必要ですが、基本的に売却決定後に対応すれば大丈夫です。売却前に保険について対応する必要はないのでご安心ください。
まず、自動車保険は大きく「自賠責保険」と「任意保険」の2種類に分けられ、売却時の手続きも違います。任意保険は、保険の種類により補償される内容も違い、手続き上注意しなければいけないこともあります。ここでは、その保険内容と手続きについて説明します。
《2種類の自動車保険》
1)自賠責保険について
2)任意保険について
1.自賠責保険について
新車購入時と車を買うときや、車検更新時に加入が義務付けられている保険。
自動車を走行する際に法律で定められた保険であることから「強制保険」とも呼ばれます。
自賠責保険に加入せず、自動車を運転した場合は以下のように重い処分が課されますので、絶対にやめましょう。
・50万円以下の罰金、又は1年以下の懲役
・違反点数6点 免許停止処分
保険補償範囲は対人事故のみ対象で、被害者1名につき上限が決まっており、全て被害者の身体への補償に限られています。
・死亡による損害 最高3000万
・後遺症による損害 最高4000万
・傷害による損害 最高 120万
※上記各損害には、休業損害や慰謝料等も含まれます。
また自賠責保険に加入していないと、車検を受けることが出来ない仕組みになっており、一般的には有効な車検があれば、有効な自賠責保険があると考えてよいと思います

<自賠責保険の写真例>
自賠責の契約期間は、車検満了月プラス1か月が基本として設定されるのが一般的です。日本では、重大な交通事故における賠償金は、自賠責保険の上限金額を上回るケースも想定されるため、通常は、自賠責とは別に、自費で任意保険をつける方が殆どです
《売却時のアクション》
・自賠責保険は自分での解約手続きが不要
自賠責保険は基本的にその車に紐付きますので、自分での解約は必要ありません。
車の価格は、「車両本体+自賠責残月数+自動税残月数+リサイクル金額」として算出されることが多く、自賠責保険は買取金額の一部として取り扱われます。
※車検を切って売買したりする場合は、解約手続きが必要となりますので、ご注意ください。
新車や、車検付きの車に乗り換える場合、自賠責保険は自動的に付与されていますので、新しい契約手続きも必要ありません。尚、金額については毎年改定がありますが、自動的に加入となりますので、沖縄県や離島に移住する以外、自賠責保険を安くすることはできません。
2019年(平成30年度)4月1日以降の自賠責保険料一覧
車種/保険期間 |
12ヶ月 |
13ヶ月 |
24ヶ月 |
25ヶ月 |
36ヶ月 |
37ヶ月 |
自家用乗用自動車 |
15,520円 |
16,380円 |
25,830円 |
26,680円 |
35,950円 |
36,780円 |
軽自動車(検査対象車) |
15,130円 |
15,960円 |
25,070円 |
25,880円 |
34,820円 |
35,610円 |
※沖縄県、離島などの一部地域の保険料については例外です。
2.任意保険の内容
自賠責保険が、被害者の身体への補償に限られているものに対し、任意保険は、対人・対物・人身・車両など多岐にわたり、その補償内容も様々です。特約やロードサービスもあり、目的に応じた補償を選ぶことができます。
《売却時のアクション》
車を乗り換える方
車を乗り換える場合は、任意保険の「車両入替」の手続きが必要です。電話やインターネットで保険会社に連絡し書面での変更を行ってください。手続きには、新しい車の車検証が必要になり、乗換える車によっては保険料が変更になり、清算が必要になります。
新しい車の車検証入手、30日以内を手続の目安にすると良いでしょう。
ダイレクト系保険会社や、様々な特約など、保険は常に進化しています。乗換えを機会に保険の見直しをしてみるのも良いかもしれません。
売却のみの方
基本的に、売却先との買取契約書のコピーがあれば手続きを開始できます。手続きは売却契約締結後から行えば大丈夫です。
売却のみの場合、任意保険は「解約」しかないと考えている方も多いとは思いますが、売却に関わる契約書があれば「中断」という選択肢もありますので、ご注意ください。
数年以内に車を乗る予定が全くない方 →「解約」がお勧めです。
数年以内に車を乗る可能性が少しでもある方 →「中断」がお勧めです。
※年数は保険会社によって違う場合がありますので、ご確認ください。
「解約」してしまうと、保険契約が白紙になってしまい、自動車保険等級が失われます。将来、車を購入し、任意保険に再度加入しても、等級が引き継げないため、以前の割引を適用できません。
「中断」は文字通り、自動車保険を一時的に中断することを言い、数年後に車に乗り換える可能性がある場合は、等級や特約を引き継げる場合があります。
中断期間には、保険料を支払う必要はありませんので、リスクなく、コストもかかりません。
各保険会社には、中断規定があり、条件を満たすことで中断証明書が発行できます。
中断規定には、「廃車、他人への譲渡、返還がされている」「車検証の有効期限が切れ、継続して車検を受けていないこと」「一時的に自動車の使用を中止する一時抹消がされていること」などの車の条件や、「一定の等級以上」であることなど、内容やタイミング、提出書類が違う場合がありますので、ご自分の保険会社に問い合わせしてみてください。
3.まとめ
- 自動車保険は「自賠責保険」と「任意保険」の2種類
- 車検付きでの売却の場合は、自賠責保険の解約手続きは不要
- 乗り換えの場合、任意保険は新しい車の車検証入手、30日以内を目安に手続き
- 車手放しの場合、任意保険は「解約」と「中断」を選べる
車検付きで車を売却するとき、自賠責保険の手続きは特段必要ありませんが、任意保険はその時の状況に合わせた手続きが必要です。「中断」という方法を知らずに「解約」してしまうと、損をしてしまいますので、まずは保険会社に手続きを確認してみましょう。
保険についても正しい理解で、損をするような選択をしないことが、充実したカーライフを送る秘訣となります。楽天Carオークションには保険の商品はありませんが、少しでもお客様の車売却が豊かになるようなサービスを目指します。

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