2022-12-31
軽自動車の年間維持費は約40万?内訳や普通車・コンパクトカーより安い理由を徹底解説
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「軽自動車の維持費がいくらかかるのか知りたい」と考えていませんか?
軽自動車は、普通車やコンパクトカーより維持費が安く、お財布に優しい車です。軽自動車の維持費の内訳と、維持費を抑えるコツについて詳しく解説します。
「軽自動車の維持費はどのくらいかかるのだろう?」と疑問に思っていませんか?軽自動車というと、何となく普通車よりも気軽に所有できるイメージを持っている人も少なくないでしょう。
しかし、節約する意識がないと、軽自動車であっても維持費は意外と高くなってしまいます。
そこで本記事では、軽自動車にかかる一般的な維持費や節約方法について詳しく解説します。年間維持費の目安はもちろん、普通車やコンパクトカーと比較してどのくらいの差があるのかも解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
また、以下の記事では普通自動車の維持費について解説していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。
関連記事:車の年間・月間維持費を車種ごとにシミュレーションした結果【驚愕の値段に】
軽自動車の維持費の内訳は?
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まずは、軽自動車を維持するために、どういった費用がかかるのか押さえておきましょう。
軽自動車の維持費は、大きく9つに分かれます。
それぞれどういった費用なのか、詳しく解説していきます。
車検料金
一般的に車検と呼ばれる、国が定めている検査にかかる費用です。正式名称は「自動車検査登録制度」と呼ばれ、公道を走る車はすべて車検を受けることが義務付けられています。
車両によって異なりますが、自家用車として使用する軽自動車なら下記のタイミングで車検を行います。
- 初回検査・・・新車購入から3年
- 継続検査・・・初回検査以降、2年に1回
車検を受ける年になったら、満了日(有効期限)の1ヶ月前から当日までの間に受けます。この満了日はフロントガラスに貼っている「車検ステッカー」もしくは「車検証」で確認しましょう。
車検は、「車が安全に走行するか」「公害を与えないか」という2つの観点から、点検・整備・検査を行います。法律によって定められている基準をクリアすれば車検に通過し、次回の車検まで公道の走行が可能になります。
点検費用
車に故障がないかを確認する「法定点検」にかかる費用です。車検とは別に行う必要があり、自家用車として使用する軽自動車なら下記のタイミングで法定点検を行います。
- 1年ごとに行う12ヶ月点検
- 2年ごとに行う24ヶ月点検
24ヶ月点検に関しては、車検と同じタイミングで受けることが一般的です。車検と法定点検との違いは、チェックする内容にあります。
車検 |
法定点検 |
安全性の確保と公害防止の観点から、車の構造や乗車定員が保安基準を満たしているか検査する。 |
車の故障やトラブルを避け、快適に走行するためにエンジンやブレーキの状態を細かく点検する。 |
車検は、車が保安基準を満たしているかどうかの検査であるのに対して、法定点検ではより綿密な点検を行うのが特徴です。車検と法定点検をどちらも行うことで、車の走行性能を維持し、トラブルを回避することを目的としています。
部品交換費用
タイヤ・バッテリー・エンジンオイルなど、車の走行に欠かせない消耗部品の交換にかかる費用です。一般的に法定点検で指摘されて交換を行います。
また、部品ごとに交換するタイミングが異なります。エンジンルームの冷却水は2~3年ごとの交換に対して、エンジンオイルは6ヶ月ごとの交換が推奨されているなど、交換の時期にバラつきがあるため、定期的な点検が欠かせません。
また日頃から車によく乗る人は、たまにしか乗らない人と比較して、各部品の消耗スピードはより早くなります。
軽自動車税
軽自動車を所有していることに対して課せられる税金です。住んでいる市区町村に納める税金にあたり、4月1日時点の所有者に対して毎年課せられます。
軽自動車税は車の用途(自家用・営業用)によって金額が変動します。普通車が払う税金を「自動車税」と呼び、軽自動車が払う税金を「軽自動車税」と区別するので注意しましょう。
普通車の所有者が支払う「自動車税」の場合は、車の用途と排気量の2つの観点から税額が変動するのに対して、「軽自動車税」は車の用途のみで税額が決まるのが特徴です。自家用車として使用する軽自動車の場合は、排気量に関係なく税額は一律で10,800円となります。
重量税
自動車の重量や新車登録時からの経過年数によって課せられる税金です。毎年かかる税金ですが、納付は新車を購入した新規登録と、車検のときに行います。このとき、環境に配慮したエコカーにあたる軽自動車の場合は、重量税が免除もしくは減税されます。
重量税は車を所有する年数が長くなるほど税額が増すのが特徴です。具体的には新車購入時から13年目と18年目に税額が変動します。
自賠責保険料
車を購入したすべての所有者に加入が義務付けられている「自賠責保険」の保険料です。必ず加入しなければならないと法律で定められているため、別名「強制保険」とも呼ばれています。
自賠責保険は、交通事故の被害者を救済するための保険なので、人身事故を起こしたときのみ補償を行います。反対に、事故を起こしたドライバーの怪我・ドライバーが所有する車の破損・建物やガードレールの破損などは補償の対象外となるため、注意が必要です。
自動車保険料
任意で加入するタイプの「自動車保険」にかかる保険料です。任意で加入する保険なので、「任意保険」とも呼ばれます。
自動車保険料は、軽自動車の方が普通自動車よりも安く設定されていることが一般的です。保険会社によっては、軽自動車と普通自動車で1年間あたり数千円以上の差が出ることも珍しくありません。
これは、軽自動車は近距離への走行が多いと想定されており、大きな事故に遭う可能性が低いことや、定員が少なく事故が起きた際の補償額も低くなりやすいことが理由に挙げられます。
ただし自動車保険料は、契約する会社やプランによっても大きく異なるため、詳細な金額は保険会社に問い合わせてみましょう。
駐車場代
マンションやアパートなど、駐車場を借りる必要がある場合に発生する費用です。駐車場代は、その地域の月極駐車場の値段と連動して設定されることが多いため、都心にいくほど高くなる傾向にあります。
また、平面駐車場や立体駐車場など、住んでいるマンションやアパートに備わっている駐車場のタイプによっても変動します。メンテナンスが必要な立体駐車場は、駐車場代が比較的高めに設定されがちです。
燃料代
車を走行させるための燃料にかかる費用です。ガソリンが一般的ですが、昨今普及しつつある、電気・水素などの燃料も含まれます。燃料を補充するたびに支払うので、1回あたりの出費はそこまで高くなりませんが、トータルで見たときに意外と高額になることも少なくありません。
よく車に乗る人ほど燃料代がかかるため、維持費の中の燃料代の比重が大きくなります。
どれも車を維持して、安全に走行するために欠かせない費用ばかりです。それぞれの維持費が、年間で一体いくらかかるのか、次の章で見ていきましょう。
軽自動車の年間維持費の目安は約40万円
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|
1年間の維持費 |
1ヶ月の維持費 |
車検料金 |
25,000円 |
2,083円 |
点検費用 |
15,000円 |
1,250円 |
部品交換費用 |
30,000円 |
2,500円 |
自動車税 |
10,800円 |
900円 |
重量税 |
3,300円 |
275円 |
自賠責保険料 |
9,865円 |
822円 |
自動車任意保険料 |
80,000円 |
6,667円 |
駐車場代 |
144,000円 |
12,000円 |
燃料代 |
80,000円 |
6,667円 |
合計 |
397,965円 |
33,164円 |
(2022年10月20日現在)
引用:JA共済 / 総務省 / 国土交通省 / 国土交通省
税金や自賠責保険料のように金額が決まっているものもありますが、駐車場代や燃料代、部品交換費用などは人によって大きく異なるため、あくまでも目安としてご覧ください。
おおよその金額ですが、軽自動車を所有するには年間で約40万円、1ヶ月に換算すると約33,000円が必要であるということになります。
「40万円もかかるの!?」と思われる方もいるかもしれませんが、軽自動車以外の車に比べて、この価格は比較的安い方です。次項では軽自動車とコンパクトカー・普通車との比較をしていきます。
軽自動車とコンパクトカー・普通車と維持費の比較
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軽自動車の年間の維持費を確認したところで、その金額が他の車よりも安いのか高いのかが気になりますよね。そこで、先ほど紹介した軽自動車の年間維持費と並べて、コンパクトカーや普通車(Lクラスミニバン)の維持費を見ていきましょう。
|
軽乗用車 |
コンパクトカー |
普通車 Lクラスミニバン |
車検料金(1年換算) |
25,000円 |
30,000円 |
35,000円 |
点検費用 |
15,000円 |
18,000円 |
20,000円 |
部品交換費用 |
30,000円 |
35,000円 |
40,000円 |
自動車税 |
10,800円 |
30,500円 |
43,500円 |
重量税 |
3,300円 |
12,300円 |
16,400円 |
自賠責保険料 |
9,865円 |
10,005円 |
10,005円 |
自動車任意保険料 |
80,000円 |
85,000円 |
90,000円 |
駐車場代 |
144,000円 |
144,000円 |
144,000円 |
燃料代 |
80,000円 |
100,000円 |
140,000円 |
合計 |
407,67円 |
469,650円 |
539,650円 |
(2022年10月20日現在)
引用:JA共済 / 総務省 / 国土交通省 / 国土交通省
普通自動車と比較すると、1年間で約6~13万円もの差があることがお分かりいただけるでしょう。もちろんこれは目安の金額ですので、場合によってはもっと差が開くことも考えられます。
軽自動車の維持費が安くなる3つの理由
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ここまでご覧いただいたように、軽自動車はコンパクトカーや普通車に比べて年間の維持費が安くなることが多いです。この項では、なぜ軽自動車の維持費が安くなるのかについて解説していきます。
1.自動車税や重量税が安い
軽自動車の維持費が安くなる理由の1つ目は、支払わなければならない税金が安いことです。まずは自動車税、軽自動車税を見ていきましょう。
軽自動車税額
|
旧税率※
|
新税率
|
乗用・自家用
|
7,200円
|
10,800円
|
※2015年3月31日までに新規検査を受けた車に適用
(2022年10月20日現在)
引用:総務省
自動車税額
排気量 |
引下げ前の税額 |
引下げ後の税額※ |
~1,000cc |
29,500円 |
25,000円 |
1,001~1,500cc |
34,500円 |
30,500円 |
1,501~2,000cc |
39,500円 |
36,000円 |
2,001~2,500cc |
45,000円 |
43,500円 |
2,501~3,000cc |
51,000円 |
50,000円 |
3,001~3,500cc |
58,000円 |
57,000円 |
3,501~4,000cc |
66,500円 |
66,500円 |
4,001~4,500cc |
76,500円 |
75,500円 |
4,501~6,000cc |
88,000円 |
87,000円 |
6,000cc~ |
111,000円 |
110,000円 |
※2019年10月1日以降に新規登録をした車に適用
(2022年10月20日現在)
引用:総務省
自動車税は車の排気量に応じて税額が異なりますが、軽自動車税は一律の金額となっています。例えば、排気量1,001〜1,500ccのコンパクトカーを所有している場合、1年間の自動車税額は30,500円(引き下げ後の税額)です。軽自動車税なら高くなった新税率でも10,800円なので、約2万円の差があることになります。
では、続いて重量税を見ていきましょう。
2021年5月1日以降の重量税額(継続検査時・2年自家用軽自動車)
自家用軽自動車 |
エコカー |
エコカー (本則税率) |
エコカー外 |
|
|
|
免税 |
|
右以外 |
13年経過 |
18年経過 |
|
|
5,000円 |
6,600円 |
8,200円 |
8,800円 |
(2022年10月20日現在)
引用:国土交通省
2021年5月1日以降の重量税額(継続検査時・2年自家用乗用車)
自家用軽自動車 |
エコカー |
エコカー (本則税率) |
エコカー外 |
|
|
~0.5トン |
免税 |
|
右以外 |
13年経過 |
18年経過 |
|
免税 |
5,000円 |
8,200円 |
11.400円 |
12,600円 |
~1トン |
免税 |
10,000円 |
16,400円 |
22,800円 |
25,200円 |
~1.5トン |
免税 |
15,000円 |
24,600円 |
34,200円 |
37,800円 |
~2トン |
免税 |
20,000円 |
32,800円 |
45,600円 |
50,400円 |
~2.5トン |
免税 |
25,000円 |
41,000円 |
57,000円 |
63,000円 |
~3トン |
免税 |
30,000円 |
49,200円 |
68,400円 |
75,600円 |
(2022年10月20日現在)
引用:国土交通省
こちらも、車両重量によって税額の異なる普通自動車の重量税に対し、軽自動車の重量税額は一律で金額も安いです。
このように、自動車税と重量税のいずれも、軽自動車の方が税額が低く設定されているため、年間で考えると維持費を大きく抑えられることになります。
2.消耗品が安い
車には多くの消耗品があり、定期的に交換や補充するなどのメンテナンスが必要です。軽自動車は普通自動車よりも小さいので、消耗品の価格も安い傾向にあります。
例えば、エンジンオイルは軽自動車と普通自動車で必要な量が異なり、軽自動車では量が少なくて済む分、価格も安くなるのです。他の部品も同様に、軽自動車用のものは普通自動車用のものに比べて安く販売されていることが少なくありません。
また、業者で交換を依頼する場合は工賃もかかりますが、こちらも軽自動車と普通自動車で料金に差があることがあり、工賃も含めて考えるとさらに費用の差が開くことが多いでしょう。
消耗品1つあたりの金額は大きくなくても、年間の消耗品費で考えると、軽自動車の消耗品費は普通自動車の消耗品費に比べて数千円から1万円程度安くなることは珍しくありません。
軽自動車でも普通自動車でも、走行距離が10万キロを超えると、多くの部品交換が必要となります。以下の記事では10万キロを超えた場合に交換が必要になる部品について解説していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。
関連記事:10万キロ超えたら車検費用が高くなる理由と費用内訳を徹底解説
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