2021-08-01
マフラーの車検基準は?音量やはみ出しで車検に通らなくなる?
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車検におけるマフラーの音量や取り付け位置の基準を把握できていますか?交換することで見た目の変化を楽しめたり、排気効率向上を期待できたりするマフラーですが、しっかり検査基準を理解して、車検に通るように設置しましょう!
車検においてマフラーにはどのような検査項目があるのかご存知ですか?交換を検討していると、「音量はどこまでOK?」「不具合があっても車検に通る?」など、気になる点はたくさんありますよね。
そこで、本記事では車検におけるマフラーの検査基準について解説します。マフラーの交換をする人は車検前にしっかり確認しておきましょう。また、最後には車検をお得に受けることができる方法も併せて解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
マフラーとは?
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車のマフラーとは、車体の底の部分に設置されているパイプのようなパーツです。
エンジンに繋がっており、そこから排出される排気ガスを車外に出すという重要な役割を果たしています。排出される過程で有害な物質を減少させているのも特徴です。
また、本来であれば排気音とは非常に大きな音ですが、マフラーには消音材や音圧を下げるための装置があり、排気音を抑えるという役割も担っています。
マフラー交換のメリットとデメリット
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マフラーの交換には、さまざまなメリットとデメリットがあります。何らかの目的でマフラーを交換しても、デメリットが把握できていなければ後々トラブルになる可能性もあるため、どちらもきちんと把握しておきましょう。
マフラー交換のメリット
マフラーの交換を行うと、次のようなメリットがあります。
- 排気効率の向上
純正品のマフラーよりも排気効率の良いものであれば、エンジンのパワーアップ、燃費の向上が期待できます。
- 軽量化
純正品のマフラーからステンレス製のマフラーに交換すると重量が軽くなります。車体の軽量化は操作性や燃費向上にも繋がるためメリットが大きいです。
- ドレスアップ
マフラーを交換すると車体の見た目を変化させることができます。パイプを2本、4本と増やしたり、太さや形状を変えたりすることで好みの見た目にするドレスアップが人気です。
- 排気音を変える
マフラーによって排気音が異なるため、マフラー交換をすることで排気音の音量や音色を変えることができます。
見た目や音の変化でユーザー好みの車にすることができるという点はもちろん、排気効率や軽量化などによる性能の向上にも期待ができます。
マフラー交換のデメリット
マフラー交換にはメリットだけでなく、次のようなデメリットがあります。
- 騒音問題
マフラー交換によって排気音の音量が上がりすぎると、住宅街での走行や夜間の走行時に他者への迷惑となる可能性が否定できません。
- 車検に通らない可能性
上記の騒音問題を含め、車検での検査基準から外れてしまうと車検に合格することができなくなります。
- 燃費の悪化
排気効率の良いマフラーだと燃費が良くなることが多いですが、車種によっては排気効率が良すぎることでかえって燃費が悪くなることがあります。
- 傷が付きやすくなる
ドレスアップのために、純正品よりも太いマフラーに交換する人も多いですが、太すぎるマフラーは段差に擦りやすくなります。
マフラー交換を行う場合は、こういったデメリットを把握し、後にトラブルとならないように注意しましょう。
マフラーの騒音規制とは?
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前述した通り、マフラーを交換することで排気音が大きくなりすぎて問題となる可能性があります。しかし、マフラーの騒音に対しては厳しい規制があり、この規制に反していると不正改造と見なされてしまうため注意しましょう。確認しておかなければならないマフラーの騒音規制は次の2点です。
- 騒音低減機構を取り外せる構造の禁止
- 加速走行騒音防止性能の義務付け
この規制は、平成22年4月1日以降に生産された自動車と原動機付自転車に適用されます。この項で各基準を解説しますので、基準に適合しているか確認しましょう。
騒音低減機構を取り外せる構造の禁止
1つ目は、騒音低減機構を簡単に取り外すことができる状態のマフラーを装着してはならないというものです。例えば、消音機能を持つ部品がボルト止めやナット止め、接着材などでマフラーに取り付けられているとこの基準に該当し、違反となってしまいます。
この基準により、インナーサイレンサーなどで簡易的に消音性能を持たせたマフラーを装着することができなくなりました。サイレンサーを取り付ける場合、溶接やリベットで完全に固定する必要があります。
加速走行騒音防止性能の義務付け
2つ目は、加速走行騒音を有効に防止できるマフラーでなければならないという基準です。この基準に適合しているマフラーであることを証明するために、次のいずれかの表示が必要です。
- 自動車製作者表示(純正マフラーであることの表示)
- 装着形式指定品表示の自マーク
- 性能等確認済表示(確認機関が性能等を確認した交換用マフラーに行う表示)
- 協定規則適合品表示(Eマーク)
- 欧州連合指令(EU指令)適合品表示(eマーク)
引用:国土交通省
上記の表示があるマフラー以外に、車が現に備えている次のいずれかのマフラーでも基準に適合していると見なされます。
- 加速走行騒音試験を実施して騒音値が基準に適合する自動車等(公的試験機関が実施した試験結果が必要)
- 加速走行騒音レベルが協定規則又はEU指令に適合する自動車等(外国の法令に基づく書面又は表示で確認)
引用:国土交通省
新しくマフラーを購入、装着する場合には、必ず表示を確認し、基準に適合しているものであることをチェックしましょう。
マフラーを交換した場合に車検チェックすべき点
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前述した、騒音規制に適合していることはもちろんですが、その他にも音量や取り付け位置に関する保安基準にも則っていなければなりません。1つでも保安基準に外れていると車検に通らないので、マフラーの交換を行う場合は事前にきちんと確認し、車検に通るマフラーを設置するようにしてください。
音量
まずは音量についての保安基準を確認しましょう。車検では、エンジンをかけた状態でマフラーから50cm離れた場所にマイクを置いて測定する「近接排気騒音」の確認が行われます。普通自動車であれば96dB以下の音量でなければなりません。
ただし、平成30年11月30日からは、一部の車に対しては新車購入時から騒音が悪化していてはならないという相対的な規制も取り入れられました。これは、新車時の近接排気騒音が、車種ごとに定められた次の値を超える車に適用されます。
乗合車・貨物車(車両総重量3.5t超、最高出力150kW超)
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94dB
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乗合車・貨物車(車両総重量3.5t 超、最高出力150kW以下)
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93dB
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乗合車・貨物車(車両総重量3.5t 超)
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92dB
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乗用車(車両後部にエンジンを有するもの)
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95dB
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乗用車(車両後部にエンジンを有するもの以外)
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91dB
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(2021年6月12日現在)
引用:国土交通省
これにより、上記に当てはまる車が継続検査を受けるときには、車検証などに記載されている新車時の近接排気騒音+5dB以内の音量であれば車検を通すことができるということになります。例えば、乗用車(車両後部にエンジンを有するもの以外)で、新車購入時の近接排気騒音が92dBだった場合、5dBを足した97dBまでは許容されるということです。
取り付け場所
道路運送車両法の保安基準において、マフラーの取り付け位置は次のように定められています。
- 排気ガスで車両番号標の数字などの表示を妨げる位置でないこと
- 排気ガスが車内に侵入するなどして乗員に障害を与える恐れが少ないこと
- 排気ガスによって車や積載品を発火させたり、電気装置などの機能を阻害したりしないこと
引用:国土交通省
この規定によると、排気ガスがナンバーなどの表示を邪魔したり、危険を引き起こしたりする位置でなければ保安基準に適合しているということになりますが、他にも注意しておかなければならないことが2つあります。
1つ目は、地面から9cm以上高い位置に装着されていなければならないという点です。マフラーの取り付け位置は具体的に定められていませんが、保安基準の中には「最低地上高」という基準があります。最低地上高とは、地面から車体の最も低い部分の距離のことで、マフラーも車体を構成するパーツとしてこの計測の対象となるのです。そのため、最低地上高の基準にも適合するよう、地面から最低でも9cmは離れた場所にマフラーを設置しましょう。
2点目は、マフラーがフロアラインから10mm以上突出していてはならないということです。ただし、マフラーの端に丸みがあり、2.5mm以上の曲率半径を有しているという条件であれば、例外的に10mm以上の突出が認められます。
マフラーの交換をしていなくても車検前に注意すべきこと
マフラーを交換していない場合でも、車検前に確認しておきたいことがあります。「純正マフラーのままだから大丈夫だろう」と思っている人がいるかもしれませんが、純正マフラーでも保安基準に適合しない場合があるのです。ここでは、マフラーの交換を行っていなくても確認・対処をすべき状態を解説します。
穴ができている
マフラーは、サビなどによる腐食や障害物に擦るなどの外的要因によって穴が開いてしまうことがあります。マフラーに穴が開くと、排気音が大きくなったり、排気漏れが起きたりすることが少なくありません。
先ほど述べた通り、マフラーの排気音量の保安基準も定められているため、マフラーの穴による騒音が原因で車検に通らない可能性もあるのです。
マフラーに穴が開いてしまった場合、あまり大きくないものであればアルミテープやパテで補修を行いましょう。自分で補修するのが難しい人や、穴が大きかったり損傷の程度が大きかったりするときには、業者に持ち込んで修理や交換を依頼してください。
音がおかしい
マフラーからカラカラと異音がするときには、次のいずれかの状態が考えられるため注意が必要です。
- サイレンサー内部のパイプが外れている
- 排気管内部に異物がある
- 遮熱板の振動
いずれにしても、自分でトラブルの原因を突き止めて対処をするのは難しいので、ディーラーや整備工場などに持ち込んで見てもらうようにしてください。修理代の見積もりを見て、あまりも高くなるようであればマフラーそのものを交換することも検討しましょう。
白煙が出る
走行中にマフラーから白い煙が出ている車を見かけたことがある人は多いでしょう。街で目にすることも多い光景ですが、中には注意が必要なケースもあります。
まず、走行開始直後に発生し、少し走行したら消える白煙は特に気にする必要はありません。これは、寒い日に車を走らせたときに起こる現象で、白煙の正体はただの水蒸気です。
これに対し、時間が経ってもなかなか消えない煙や、異臭を伴う煙には注意が必要になります。このケースでは、エンジンオイルによる燃焼室内のトラブルであることが多く、然るべき対処を行わなければなりません。
オイルを適切に交換するなどして一時的に症状を解消することができる場合もありますが、重大なエンジントラブルに繋がることもあるので、一度整備工場やディーラーなどで相談することをおすすめします。
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この記事では、車検におけるマフラーの検査基準について解説しました。保安基準から外れているマフラーに交換すると車検に通らないため、事前にきちんと確認および整備をしておきましょう。
また、車検を受けるにあたっては、点検項目だけでなく費用についても気になりますよね。車の維持費の中でもまとまった金額の支出になるため、少しでも安くできないのかと考える人も多いでしょう。
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参考サイト
車のマフラーとは。構造や触媒、消音の役割。排気漏れ・異音・白煙などの故障。車検規定について(参照日:2021-06-12)
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-car-muffler/
マフラー(消音器)に対する騒音対策(参照日:2021-06-12)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/images/h1-2/car-standard.pdf
マフラーに穴が開いていたら(参照日:2021-06-12)
https://www.syaken-kaisetu.com/79.html
クルマのマフラーから白煙 問題ないの? 整備不足だとトラブルにつながる可能性も(参照日:2021-06-12)
https://trafficnews.jp/post/91999
【放っておくと大惨事に!?】クルマの「SOS信号」 危険な異音15選とその対処法(参照日:2021-06-12)
https://bestcarweb.jp/news/entame/107457
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