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【車の板金】プロのやり方は?
自分で行う手順や注意点も徹底解説

車に傷やへこみがついた場合、「なるべく板金にかかる費用を浮かせたい」「プロの技を見て、自分で修理してみたい」と考える人も多いのではないでしょうか?

プロが行う板金は、叩き出しや絞り作業などさまざまな工程に分かれているほか、使用する道具も多岐にわたります。自分で修理したいと考えているなら、実際にプロがどのような手順や手法で板金修理を行っているのか知ることがとても大切です。

本記事では、プロの修理業者が行う板金のやり方を解説します。傷やへこみの修理について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

【車の板金】プロはどのような作業をしてる?

「板金」とは、「薄く平らに伸ばした金属」という意味を持った言葉です。車業界では鉄でできた車のボディを変形させ、元の形に戻す修理方法を指します。

一見、ボディは硬そうに見えますが、鉄板の厚さは数ミリと薄く、日常の走行の中で知らず知らずのうちに小さな傷やへこみがついています。たとえ小さな傷やへこみであっても、塗装の隙間から水が入り、サビを発生させかねません。わずかに発生したサビは、放置すればするほど塗装の下で広がり、気がついたときには大規模な修理が必要になる場合もあります。

そこで、日頃からプロの修理業者に板金を依頼することで、ボディを正常な状態に戻してサビを抑制し、車の耐久性を維持したまま長く走行できるようになるという訳です。実際にプロの修理業者が、どのように板金塗装を行っているのか詳しく見ていきましょう。

叩き出し作業

叩き出しとは、ボディの鉄板を裏側から叩いて元通りにする修理方法です。叩き出しには「ハンマー」と「あて板」を使用し、人の手でボディの表面を触りながら形状を整えていきます。

引用:楽天市場

ハンマーはおもに、金属・木製・ゴムなどさまざまな素材が使われています。ハンマーを打ちつけたい部分の形状に合わせて、ヘッド部分の大きさや形状も異なります。板金を行う際は、数種類のハンマーを使用して数ミリ単位でボディの表面を調整していくのです。

引用:楽天市場

あて板とは、ハンマーを打つ際に裏側に当てることで、ボディにハンマーの力が加わりすぎないようにするための道具です。ハンマー同様、へこみの形状に合わせて形の合うものを数種類組み合わせて使用します。

叩き出しの仕上がりは、職人の技術力によるところが大きく、修理業者ごとに仕上がりの美しさは異なります。ボディを叩いてへこみを直すだけの単純な作業に見えますが、とても高い技術力が要求される作業です。

絞り作業

絞り作業とは、叩き作業で伸びたボディを元通りにする作業です。鉄板は衝撃が加わると伸びる性質があるため、車にへこみが入る前後の状態を比較すると、へこんだ部分の鉄板は数ミリ伸びた状態になっています。この数ミリの伸びを元通りにするのが、絞り作業の目的です。

絞り作業では、叩き出しを行った部分の鉄板を加熱し、急速に冷やします。この加熱→冷却を繰り返すことでボディが収縮し、少しずつ元の長さに戻ってくるのです。基本的にへこみの修理には、叩き出しと絞り作業がセットで行われ、数回繰り返して鉄板を元の長さへと戻していきます。

パテ付け

パテ付けとは、叩き出し・絞り作業後のボディに残ったわずかなデコボコを整え、表面をなめらかな状態にする作業です。たとえ熟練の職人であっても、叩き出しと絞り作業だけではボディの表面を完璧になめらかな状態にすることは難しいためです。

パテ付けが厚いと、ひび割れやはがれの原因となるため、なるべく薄塗りを意識するのが基本です。ボディの表面を見ながら慎重にパテ付けを行います。

研磨作業

パテ付けした部分をサンダーと研ぎ剤を使って研磨していくのが研磨作業です。研ぎ剤には目の粗さごとに番手と呼ばれる数字が振られており、ボディの状態に合わせて番手を変更し、徐々に表面のデコボコやゴワつきを取り除いていきます。

研磨作業が終わり、手のひらでへこみのあった部分をなぞって違和感がなければ板金作業は終了です。このようにプロが行う板金は、職人の腕にかかっている部分が大きい作業と言えます。

プロによる板金の手順

板金における重要な作業を解説しましたが、それぞれどのような手順で修理を行っているのでしょうか。プロが実際に行っている板金の手順を、具体的に解説していきます。

「傷の修理」「へこみの修理」の2パターンに分けて見ていきましょう。

傷の修理の手順

まず、ボディに傷が入ってしまった場合の修理手順を見ていきましょう。

  1. 必要であれば、傷の入ったパーツを取り外す
  2. 傷の周囲についたホコリや汚れを落とす
  3. 傷の周囲をマスキングテープ・養生シートで保護する
  4. 傷がついた塗装部分をサンダーで削り、鉄板をむき出しにする
  5. 鉄板の細かいデコボコをパテ付けでならす
  6. サフェーサーを塗り、下地を作る

(ここから塗装作業に入ります。)

車のパーツは、傷の入った箇所や作業のしやすさ・効率などを考慮し、必要であれば取り外しを行います。取り外しやすいパーツなら手間はかかりませんが、ドアやフレームといった取り外しにくいパーツであれば、脱着に時間がかかるため、修理費用も高額になりがちです。

へこみの修理の手順

次に、パーツにへこみが入った場合の修理手順を解説していきます。

  1. 必要であれば、傷の入ったパーツを取り外す
  2. へこみの周囲についたホコリや汚れを落とす
  3. へこみの周囲をマスキングテープ・養生シートで保護する
  4. 傷がついた塗装部分をサンダーで削り、鉄板をむき出しにする
  5. 鉄板にピンやワッシャーを溶接し、少しずつ引っ張る
  6. 引っ張りすぎた・へこみの残っている部分をハンマーで叩き出す
  7. 絞り作業によって、溶接部分を加熱→冷却し収縮させる
  8. 鉄板の細かいデコボコをパテ付けでならす
  9. サフェーサーを塗り、下地を作る

(ここから塗装作業に入ります。)

へこみの程度によって、叩き出しを行ったり、ピンやワッシャーを溶接して引っ張り出したりと柔軟に修理していきます。へこみが深いとそれだけ鉄板が伸びているため、万が一修理中に鉄板に穴が空いたり避けたりする可能性もあり、慎重な作業が必要です。

自分で板金作業をするのは可能?

修理業者に依頼するのは、持ち込む手間や費用が発生するため、「自分で板金作業したい」と考える人も多いのではないでしょうか。傷やへこみの程度によっては、自分で板金することも可能です。自分で板金できる状態と、修理業者に依頼した方がいい状態について見ていきましょう。

傷の程度 状態 自分で板金可能か
細かい傷
  • 塗装の表面を削った
  • ボディが細かい傷で曇っている
可能
深い傷
  • ボディの鉄板が見えている
  • サビが発生している
不可能
(修理業者に依頼しましょう)
小さなへこみ
  • 直径1cm以内
  • パッと見て分からない程度の浅いへこみ
可能
深いへこみ
  • 直径1cm以上
  • 塗装も一緒に剥がれている
不可能
(修理業者に依頼しましょう)

上記の表から分かるように、「塗装が剥がれている」「へこみが深い」といった場合は自分で板金するのではなく、修理業者に依頼しましょう。傷やへこみが深いほど、専用の修理機材や熟練された技術が必要になるためです。

反対に、塗装の表面のみに傷が入っているような浅い傷や、ごくわずかなへこみに関しては、自分で板金することも可能です。最初に道具をそろえたり、板金する場所を確保したりする手間はかかるものの、一度準備が整えば繰り返し修理できます。細かい傷・小さなへこみに分けて、それぞれの板金手順を見ていきましょう。

細かい傷の修理方法

まず、細かい傷の修理方法から解説していきます。
「ボディに細かい傷がついて気になる」「新車時の輝きが薄れてきた」このように感じている人におすすめの方法です。

【準備する道具】

  • コンパウンド用のスポンジ
  • コンパウンド(粗目・細目・極細・仕上げ用・ツヤ出し用)
  • マスキングテープ
  • コーティング剤
  • 使い捨てウエス

【修理手順】

  1. 洗車して汚れやホコリを落とす
  2. マスキングテープで傷の周囲を保護する
  3. コンパウンドで磨く(粗目→細目→極細)
  4. 仕上げ用コンパウンドで磨く
  5. ツヤ出し用コンパウンドで磨く
  6. コーティング剤で保護する

コンパウンドとは、微細な研磨剤を含んだクリームです。粗目・細目・極細の順に磨くことで、傷の周囲を研磨してならし、傷が目立たなくなるようにする効果があります。

画像:補修ナビ|コンパウンドについて

注意点として、コンパウンドは、必ず目の粗いものから使用してください。順序を間違えてしまうと、かえって塗装に傷が入ってしまうためです。仕上げ用のコンパウンドで磨くことでボディの表面にツヤが出ますが、さらにツヤを出したい・コーティングしたい場合にはワックスやコーティング剤も併用しましょう。

小さなへこみの修理方法

次に、小さなへこみの修理方法を解説します。
「へこみを簡単に直したい」「塗装を剥がしたくない」このように感じている人はチェックしてみましょう。

【必要な道具】

  • シリコンオフ
  • 養生シート
  • 耐水ペーパー
  • パテ
  • パテ用ヘラ
  • 使い捨てウエス

【修理手順】

  1. へこみ部分のホコリや汚れを落とす
  2. へこみの周囲を養生シートで覆う
  3. 耐水ペーパーで補修範囲の塗料を取り除く
  4. シリコンオフでボディについた油分を取り除く
  5. 補修範囲にパテを塗布する
  6. 半日~1日ほどパテを乾燥させる
  7. 耐水ペーパーでパテが平らになるよう研磨する

へこみの修理に使うパテにはさまざまな種類があるため、自分に合ったものを選びましょう。また下記の表のように、バンパーやマフラーには専用パテが用意されているため、ボディ以外のへこみを修理する場合は注意が必要です。

箇所 おすすめのパテ
ボディ
  • 厚付パテ
  • うす付パテ
  • 中間パテ
  • うす付パテ
  • ァイバーパテ
  • 速乾パテ
バンパー
  • バンパー用パテ
  • バンパー用ねんどパテ
マフラー
  • マフラー用パテ
  • マフラー用ねんどパテ

自分で板金修理をした場合の注意点

自分でできる傷・へこみの修理方法をご紹介しましたが、失敗もつきものです。板金作業における、よくある失敗例を見ていきましょう。

作業内容 よくある失敗例
傷の修理
  • コンパウンドの粒度が合わず、かえって傷だらけになる
  • マスキングが甘く、関係ない箇所も磨いて傷が入ってしまう
  • 傷が消え切らず薄く残ってしまう
へこみの修理
  • パテがデコボコになってしまう
  • パテの接着が甘く、すぐに剥がれてくる
  • パテがヒビ割れて見た目が悪くなった

このような失敗を避けるためにも、板金するうえでの注意点を知っておくことは大切です。傷の修理・へこみの修理それぞれの場合に分けて解説します。

傷を修理する場合の注意点

コンパウンドを使って傷を修理する場合、起こりがちなのがコンパウンドの粒度が合わず、車が傷だらけになってしまう失敗です。

コンパウンドは、研磨剤の粒子が大きいものはクリーム・ペースト状、細かくなるほどリキッド状に近くなります。「扱いやすそうだから」という理由で垂れにくいクリーム・ペースト上のコンパウンドを選んでしまうと、粒度が粗いあまり傷が入ってしまいかねません。心配な場合は、「細目」のように粒度が中間程度のコンパウンドから試してみてください。

また、車のボンネットのように液だれしない部分にはサッと伸ばしやすい液体のコンパウンドが適していますが、ドアのように垂れやすい部分にはクリーム・ペーストのコンパウンドを選ぶ必要があります。研磨剤の粒度と、コンパウンドの形状のバランスを見ながら選ぶようにしましょう。

作業する際は、余計な部分にコンパウンドがつかないよう、養生シートやマスキングテープなどでしっかり養生することも大切なポイントです。

へこみを修理する場合の注意点

へこみの修理で起こりがちなのが、パテをうまく密着させられていないことで起こるデコボコや剥がれです。板金パテの扱いに慣れていない初心者が綺麗に密着させるのは難しいため、硬化と経年劣化によって剥がれてきてしまうことが原因として挙げられます。

そして、パテの扱いに慣れていない初心者が行うパテ付けの耐久年数は、3年〜5年が目安です。反対に、腕の良い職人が行うパテ付けだと、10年以上持つ場合もあります。簡単な修理や応急処置レベルなら初心者でも挑戦しやすいですが、なるべく長持ちさせたい、綺麗に仕上げたいという場合は、最初から修理業者に依頼を出すのが得策です。

そして、傷やへこみの修理に共通して言えることですが、自分で行う修理で完璧に綺麗な状態にすることはまず不可能です。「傷を目立たなくさせる」「パッと見て綺麗に見せる」レベルの状態にはなりますが、傷やへこみが入る前の状態に戻すには専門の修理道具とプロの技術が必要です。自分で行う修理に失敗してしまうと、修理業者で再修理してもらうしか方法はなく、かえって時間も費用もかさんでしまいます。

  • 完璧に綺麗な状態にしたい
  • 失敗するのがこわい

少しでもこのように感じるのであれば、プロの修理業者に依頼しましょう。

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軽度の傷やへこみなら、板金パテを使用して自分で修理することが可能です。パーツごとに適切な板金パテを使用しないと、思ったような仕上がりにならないため、パテ選びは慎重にしましょう。

ただし、パテの扱いに慣れていない初心者が行う修理では、パテの耐久年数が短くなる場合があります。初心者が修理したパテの耐久年数は3~5年と言われており、耐久年数に優れているとは言えません。長い目で見たときのコスパや、仕上がりの美しさを重視するのであれば、修理業者に依頼を出すのがおすすめです。

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参考サイト

インターパシフィック|車の板金工程(参照日:2023-1-31)

https://www.inter-p.jp/process/3716

ニコニコ板金館|車の板金塗装修理工程をご紹介(参照日:2023-1-26)

https://www.2525repair.com/flow/process/

コスモ石油販売 |知っておこう!車についた傷の修理方法と費用の相場は? (参照日:2023-1-26)

https://cos.cosmo-oil.co.jp/blog-detail/1/1000000577/

MOTA|車の傷の直し方|自分で傷を修理する方法とは? 初心者でもできる傷消し方法からおすすめグッズまで徹底解説(参照日:2023-1-26)

https://autoc-one.jp/knowhow/5009843/
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