板金パテのおすすめはどれ?
傷の状態ごとの使い方についても解説
更新日:2023-02-24
車に傷やへこみがついた場合、「なるべく修理にかかる費用を浮かせたい」「自分で修理してみたい」と考える人も多いのではないでしょうか? そのような方には、板金パテを使用するのがおすすめです。
しかし、板金パテは種類が豊富なうえ、パーツごとに適切なパテを使用する必要があります。パテ選びを間違うと思ったような仕上がりにならないため、適切なパテ選びをするための知識が必要です。
本記事では、傷の状態に合ったパテの種類や使い方を解説します。おすすめのパテも紹介するので、パテを使った修理について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
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板金パテで直せる傷の種類は?
車に傷やへこみがついてしまった場合、「修理に出すほどじゃないから自分で修理したい」と考える人も多いのではないでしょうか。そのような場合は、板金パテを使用するのがおすすめです。
板金パテとは、へこみ・くぼみ・ヒビ割れ・穴開きなどの上に塗布して薄くのばすことで、表面を平らにする修理道具です。傷やへこみの修理に慣れていない初心者でも気軽に手を出しやすい扱いやすさが特徴ですが、板金パテにも得意な傷と苦手な傷があります。どのような傷に適しているのか、まずはしっかり押さえておきましょう。
板金パテで直せる傷
まず、板金パテで直せる傷は下記の通りです。
- 範囲の狭い傷
- 浅いへこみ
- 浅い傷
板金パテは、狭い範囲の傷や浅い傷の修理に特化したアイテムです。狭い範囲の傷にピタッとつく密着性が持ち味で、日常生活のなかでつくような、軽度な傷の修理に向いています。
板金パテとは相性が悪い傷
反対に、板金パテと相性の悪い傷は下記の通りです。
- 手のひら程度の大きいへこみ
- パーツが大きく変形している傷
- 深くえぐれた傷
板金パテを大きなへこみや深くえぐれた傷に使用すると、見た目が悪くなるうえに、剥がれやすくなってしまいます。深くえぐれている傷は、コンパウンドで磨いてタッチペンやスプレーなどで再塗装する方が、仕上がりが綺麗なうえ、すぐに剥がれる心配もありません。 損傷の激しい傷が入っている場合は、板金パテを使用するのは避けましょう。
板金パテの種類は9種類!選び方のコツを解説
板金パテは、使用するパーツに合ったものを使う必要があります。修理でよく使われる板金パテは9種類あり、パーツごとに適したパテは下記の通りです。
箇所 | おすすめのパテ |
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ボディ |
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バンパー |
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マフラー |
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それぞれどういった板金パテなのか、詳しく見ていきましょう。
ボディの修理に適した板金パテ
まず、パテ付けに慣れていない初心者は、「厚付パテ」「 薄付パテ」を使用しましょう。それぞれの特徴は下記の通りです。
厚付パテ |
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厚付パテは、ボディの修理に使われるオーソドックスなパテです。日常的につきやすい傷やへこみ程度のサイズに対応しており、鉄板との密着性が良いため、初めてでも扱いやすいでしょう。乾燥が終わり硬化した状態でも、収縮による肉やせが起きにくいため、仕上がりがイメージと大きく異なるといった失敗も起こりにくいのが特徴です。ただし気泡が入りやすく、研磨によって気泡が表面に出てくる場合があります。
薄付パテ |
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薄付パテは、厚く塗ることはできませんが、なめらかで気泡が入りにくいため、厚付パテの表面にできた気泡を埋めるために使用されます。厚みを出せない分、深さ2mm以内の浅い傷にも対応しやすく、細かい部分にサッと使いやすいのが特徴です。
仕上がりを重視する人におすすめの板金パテ
より本格的な仕上がりや、使い勝手の良さを求めるなら、「中間パテ」「ファイバーパテ」「速乾パテ」を使ってみましょう。それぞれの特徴は下記の通りです。
中間パテ |
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厚付パテと薄付パテの中間に位置するのが中間パテです。薄付け用パテよりやわらかく薄塗りしやすいメリットを持っています。ただし硬化すると薄付パテより硬くなるため、厚く塗りすぎるとヒビ割れの原因となるため注意しましょう。深さ2mm以内の傷に対して使うのがおすすめです。
ファイバーパテ |
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カーボン(炭素)が入っているため、硬化するととても硬くなります。フェンダーのように、硬度が必要な箇所に使用しましょう。ただし硬度が高い分、研磨して形を整えるのは大変なので、狭い範囲の傷に使用するのがおすすめです。
速乾パテ |
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速乾パテは、その名の通り速乾性があり、乾燥時間が短いのが特徴です。パテは傷に塗布した後、完全に硬化するまで乾燥時間を取る必要があり、待ち時間が発生してしまうのが難点でした。速乾パテは待ち時間を短縮できるうえに、硬化後の肉やせもほとんどないため、扱いやすいパテと言えます。ただし他のパテよりやや高くなるため、修理時間を確保しにくい場合に使用するのがおすすめです。
バンパーの修理に適した板金パテ
次に、バンパーの修理に適したパテを見ていきましょう。バンパーは鉄板でできているボディと違って樹脂でできているため、樹脂素材への密着性・柔軟性に優れたパテを使用する必要があります。
バンパーの修理には、おもに「バンパー用パテ」「バンパー用ねんどパテ」が使われることが多いため、それぞれ詳しく見ていきましょう。
バンパー用パテ |
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広範囲についた細かい傷や、長い線傷などに対応できるパテです。樹脂素材にしっかり密着し、やわらかい樹脂の動きに合わせられるよう、柔軟性にも優れているのが特徴です。
バンパー用ねんどパテ |
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バンパーについた傷の中でも、深くえぐれた傷用のパテです。ねんど状のパテを、自分の手でこねながら穴に埋めていきます。自由に丸みをつけられるため、バンパーの角など曲面を作り出したい箇所への使用もおすすめです。
マフラーの修理に適した板金パテ
次に、マフラーの修理に適したパテを見ていきましょう。マフラーは高温になるパーツなので、耐熱性を持ったパテを使用する必要があります。
マフラーの修理には、おもに「マフラー用パテ」「マフラー用ねんどパテ」が使われることが多いため、それぞれ詳しく見ていきましょう。
バンパー用パテ |
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広範囲についた細かい傷や、長い線傷などに対応できるパテです。樹脂素材にしっかり密着し、やわらかい樹脂の動きに合わせられるよう、柔軟性にも優れているのが特徴です。
マフラー用パテ |
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マフラーにできた20mm未満の穴・亀裂に使えるパテです。排気熱で硬化する熱硬化パテを使用しており、通常のパテなら溶けてしまう温度でも溶けません。乾燥のみでは完全に硬化せず、最後に熱を加える必要があることを覚えておきましょう。
マフラー用ねんどパテ |
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より広範囲の修理に向いているタイプで、マフラーにできた20mm以上の穴・亀裂に対応可能なパテです。ねんどのような質感で、自分でこねて傷の部分に貼り、形を整えて修理します。こちらは自然乾燥で硬化するため、塗った後は数時間放置して乾燥するのを待ちましょう。
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【ボディの修理】必要な手順と道具
ボディの場合は、厚付パテでへこみを埋め、薄付パテで表面をなめらかにしながら修理します。ボディの修理に必要な道具と手順について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
ボディの修理におすすめの板金パテ
ボディの修理におすすめの板金パテをご紹介します。まず、厚付パテのおすすめはこちらです。
基本的に厚付パテはチューブに入っており、付属のヘラを使って塗り広げます。合成樹脂で作られた主剤に、硬化剤を混ぜ合わせて、必要な量だけ使用します。
次に、薄付パテのおすすめはこちらです。
薄付パテはチューブから出すとそのまま使えるタイプで、空気に触れると乾燥しだすのが特徴です。スプレータイプもあるため、使いやすいものを選びましょう。
パテ以外に必要な道具
パテ以外に必要な道具は下記の通りです。
- ヘラ
- パテを練る台
- 車用クロス
- マスキングテープ
- サンドペーパー
ヘラはパテに付属されているものを使っても十分ですが、やわらかすぎると感じる場合は自分の手に合うものを使用するのがおすすめです。
また、パテを練る専用の台が販売されていますが、クリアファイルや下敷きでも代用可能です。作業中の手がもたつかないよう、使いやすいものを選びましょう。
ボディの修理手順
- 車用クロスでへこみ周辺の汚れ・ささくれなどを落とす
- パテを塗る部分の周囲をマスキングテープで保護する
- 厚付パテの主剤と硬化剤をヘラで練り合わせる
- パテをボディに乗せる
- ヘラを寝かせてパテが平らになるように塗る
- 1時間程度自然乾燥させ硬化させる
- 硬化が確認できたらサンドペーパーで研磨しデコボコを削る
- 薄付パテを薄く塗る
- 商品の規定時間だけ自然乾燥させ硬化させる
- 薄付パテをサンドペーパーで研磨しデコボコを削る
作業に慣れるまでは、1度でパテが綺麗に平らになることはありません。パテを塗って研磨する工程を繰り返すことで綺麗に仕上がるため、根気強く繰り返すことが大切です。
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【バンパーの修理】必要な手順と道具
次に、バンパーの修理に必要な道具と手順について、それぞれ解説していきます。傷の状態に合わせて、チューブタイプ・ねんどタイプを選んで使用しましょう。
バンパーの修理におすすめの板金パテ
まずは、バンパー用のおすすめパテを見ていきましょう。
バンパー用パテもボディ用パテと同様、チューブタイプが主流です。ボディ用パテはバンパーに使用できないため、購入の際は「バンパー用」と記載されているものを選びましょう。
バンパー用のねんどパテは、主剤と硬化剤がそれぞれ粘度状になって販売されています。車のボディカラーに合わせて適した色合いを選びましょう。
パテ以外に必要な道具
パテ以外に必要な道具は下記の通りです。
- ヘラ(チューブタイプのみ)
- パテを練る台(チューブタイプのみ)
- 車用クロス
- バンパー用プライマー(下地)
- マスキングテープ
- サンドペーパー
チューブで出るタイプを使用する場合のみ、ヘラとパテを練る台を用意しましょう。粘度タイプは手でパテをこねられるため必要ありません。また、バンパーへの密着度を上げるため、バンパー用プライマーも準備しましょう。
バンパーの修理手順
【チューブタイプの場合】
- 車用クロスでへこみ周辺の汚れ・ささくれなどを落とす
- パテを塗る部分の周囲をマスキングテープで保護する
- バンパー用プライマーを吹き付ける
- パテを台に出し、必要な分だけヘラですくう
- ヘラを寝かせてパテが平らになるように塗る
- 商品の規定時間だけ自然乾燥させ硬化させる
- 硬化が確認できたらサンドペーパーで研磨しデコボコを削る
【ねんどタイプの場合】
- 車用クロスでへこみ周辺の汚れ・ささくれなどを落とす
- パテを塗る部分の周囲をマスキングテープで保護する
- バンパー用プライマーを吹き付ける
- パテをの主剤と硬化剤を必要な分だけだして混ぜるようにこねる
- しっかり押さえつけるようにパテで傷を埋める
- 商品の規定時間だけ自然乾燥させ硬化させる
- 硬化が確認できたらサンドペーパーで研磨しデコボコを削る
バンパー用プライマーをつけ忘れると、密着力が落ち、剥がれやすくなる原因となるため注意しましょう。
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【マフラーの修理】必要な手順と道具
最後に、マフラーの修理に必要な道具と手順についてそれぞれ解説していきます。マフラーもバンパーと同様に、傷の状態に合わせて、チューブタイプ・ねんどタイプを選んで使用しましょう。
マフラーの修理におすすめの板金パテ
まずは、マフラー用のおすすめパテを見ていきましょう。
マフラーの修理パテは基本的に色展開はなく、各メーカーのラインナップも少なくなります。排気熱によって硬化させるタイプと、自然乾燥によって硬化させるタイプがあるため、商品選びの際は注意しましょう。
パテ以外に必要な道具
パテ以外に必要な道具は下記の通りです。
- ヘラ(チューブタイプのみ)
- パテを練る台(チューブタイプのみ)
- 車用クロス
- 耐水サンドペーパー
- ワイヤーブラシ
- マスキングテープ
- サンドペーパー
マフラーは地面に近い分、泥汚れや傷のつきやすいパーツです。サビが発生している場合もあるため、パテを塗る前にしっかり磨くことを意識しましょう。
マフラーの修理手順
【チューブタイプの場合】
- 車用クロスでへこみ周辺の汚れ・ささくれなどを落とす
- 耐水サンドペーパーとワイヤーブラシでしつこい泥汚れとサビを落とす
- パテを塗る部分の周囲をマスキングテープで保護する
- パテを台に出し、必要な分だけヘラですくう
- ヘラを寝かせてパテが平らになるように塗る
- 商品の規定時間だけ自然乾燥させる
- 排気熱にとって完全硬化させる
- 硬化が確認できたらサンドペーパーで研磨しデコボコを削る
【ねんどタイプの場合】
- 車用クロスでへこみ周辺の汚れ・ささくれなどを落とす
- 耐水サンドペーパーとワイヤーブラシでしつこい泥汚れとサビを落とす
- パテを塗る部分の周囲をマスキングテープで保護する
- パテをの主剤と硬化剤を必要な分だけだして混ぜるようにこねる
- しっかり押さえつけるようにパテで傷を埋める
- 商品の規定時間だけ自然乾燥させ硬化させる
- 硬化が確認できたらサンドペーパーで研磨しデコボコを削る
チューブタイプの場合、排気熱を加えることによって完全硬化させる必要がありますが、ねんどタイプは必要ありません。購入する際はよく確認するようにしましょう。
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板金パテでの修理した場合の耐久年数は?
板金パテを使用した修理を行った場合、耐久年数は3年〜5年が目安です。板金パテの扱いに慣れていない初心者が綺麗に密着させるのは難しいため、硬化と経年劣化によって剥がれてきてしまうことが原因として挙げられます。パテで修理したボディが紫外線や雨風にさらされることが多いと、さらに経年劣化が早まるため、なるべくガレージや軒下に駐車することが大切です。
反対に、腕の良い職人にパテ付けを依頼すると、10年以上持つ場合もあります。簡単な修理や応急処置レベルなら初心者でも挑戦しやすいですが、なるべく長持ちさせたい、綺麗に仕上げたいという場合は、最初から修理業者に依頼を出すのが得策です。ボディについた傷やへこみなら数千円~3万程度で修理してもらえるため、やや費用はかかりますが長期的な目線で見たときのコスパを良くしたいなら、修理業者の利用も視野に入れてみましょう。
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軽度の傷やへこみなら、板金パテを使用して自分で修理することが可能です。パーツごとに適切な板金パテを使用しないと、思ったような仕上がりにならないため、パテ選びは慎重にしましょう。
ただし、パテの扱いに慣れていない初心者が行う修理では、パテの耐久年数が短くなる場合があります。初心者が修理したパテの耐久年数は3~5年と言われており、耐久年数に優れているとは言えません。長い目で見たときのコスパや、仕上がりの美しさを重視するのであれば、修理業者に依頼を出すのがおすすめです。
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参考サイト
カーネクスト|「車のへこみ」をパテで修理する方法。修理のコツと注意点を知ろう(参照日:2022-11-28)
https://cmgroup.jp/column/1681/ニコニコ板金館|パテ作業|ニコニコ板金館修理の流れ(参照日:2022-11-28)
https://www.2525repair.com/flow/process/process03/池内自動車|板金パテのおすすめや種類を紹介!板金塗装はパテの使い分けで決まる(参照日:2022-11-28)
https://www.ikeuchi-jidousha.com/column/putty/補修ナビ|パテについて(参照日:2022-11-28)
https://www.99kobo.jp/repair/point/02.htmlソフト99公式オンラインショップ |厚づけパテ 【全塗装色対応】(参照日:2022-11-28)
https://www.soft99shop.com/i/09001diylabo|ポリパテとは? その使い方と削り方(なぜ水研ぎするのか?)(参照日:2022-11-28)
https://www.diylabo.jp/column/column-901.html