自動車の板金工場では何をしてもらえるの?
修理できる範囲や費用について解説

車に傷やへこみがついてしまった場合、「修理に出したいけど、どこに依頼すればいいのかよく分からない」「板金修理を受け付けている修理業者が知りたい」と考えている人も多いのではないでしょうか?そのような場合は、板金工場に依頼するのがおすすめです。

車業界における板金工場とは、車のボディについた傷やへこみの修理を専門に行っている修理業者を指します。パーツ交換を行うことなく修理することもできるため、修理にかかる費用や時間を抑えられるのが特徴です。ただし、自分にとって納得のいく修理にするためにも、板金工場についてしっかり知識を持っておくことが大切です。

本記事では、板金工場と整備工場との違いや、板金を受け付けている修理業者などについて詳しく解説します。板金工場の基礎知識を深めたい人は、ぜひ参考にしてください。

板金工場とはそもそも何?

板金工場とは、車についた傷やへこみの修理を専門に行っている修理工場です。 そもそも「板金」とは、「薄く平らに伸ばした金属」という意味を持っており、自動車業界においては、鉄板を薄く伸ばして作られた車のボディを指します。 このボディは、日常の走行の中で知らず知らずのうちに小さな傷やへこみがついています。目に留まらないような小さな傷でも、雨や水濡れによって塗装の隙間から水が入り、サビを発生させかねません。長期間サビを放置してしまうと、ボディの鉄板を腐食し、車の耐久性を損ねてしまう原因にまで発展します。 そこで、板金屋に傷やへこみの修理を依頼し、ボディの鉄板を正常な状態に整えることで、車の耐久性を損なうことなく走行を続けられるという訳です。車の目立つ傷やへこみの修理に加え、定期的な傷のチェックまで行っているため、ボディの状態を正常に保つことを目的とした修理業者と言えます。

整備工場と板金工場の違いは?

板金工場のほかに、「整備工場」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?板金工場と整備工場は、それぞれ実施している修理の内容が異なるため、それぞれの特徴を押さえて依頼の際の参考にしましょう。

板金工場

まず、板金屋とは車の鉄板を修理する修理業者のことです。基本的に車の外側のみ修理するため、車のエンジンやバッテリーといった内部の修理は行っていません。 また、板金工場の職人になるための専門的な資格はありません。そのため、専門資格者がいない修理業者という位置付けになります。

整備工場

整備工場は、車のボディの板金修理に加えて、エンジンやバッテリーといった車の内部の修理・整備・点検を行う修理業者です。正式名称を「自動車分解整備事業」と呼び、分解の必要な作業を行う修理業者と覚えておけば分かりやすいでしょう。

整備士になるためには、整備士資格(三級~一級)や特殊整備士と呼ばれる国家資格が必要です。整備工場として認証を受け開業するためには、整備士資格を持った工員が一定数以上在籍していることが必須条件なので、どの整備工場にも必ず資格を持った整備士が在籍しています。また、自動車の整備や点検を行えるため、車検を依頼することも可能です。

「日常生活の中でついた傷やへこみの修理」には板金工場を利用するのがおすすめです。傷やへこみの修理に手慣れている分、スピーディに対応してもらえるでしょう。反対に、「車の内部まで修理してほしい」「車検や整備を依頼したい」と考えている人は、より専門的な修理・整備を行っている整備工場に依頼するのが得策です。

また昨今は、板金工場と整備工場が提携し、より幅広い修理に対応している修理業者も増えてきました。ひと口に板金工場と言っても、工場によって受け付けている修理内容が異なるため、修理メニューを確認することが大切です。

板金工場で修理できる範囲は?

板金工場で修理できる傷は、大きく4種類に分けられます。

  1. ひっかき傷
  2. 擦り傷
  3. へこみ傷
  4. 塗装剥がれ

それぞれどういった傷なのか、見ていきましょう。

ひっかき傷
  • 草木、爪、カバン、キーなどが当たってできる線状の傷
  • 空気中の砂ぼこりやゴミがボディに付着してできる細かい傷
擦り傷
  • 洗車時の磨き傷
  • 縁石、ガードレールと擦れてできる傷
  • 飛び石傷
へこみ傷
  • ボディを何かにぶつけて表面がデコボコになっている傷
塗装剥がれ
  • 塗装に傷がついている状態
  • 塗装が剥がれて下地が見えている状態

板金工場の修理範囲は、上記のように日常生活の中でつくレベルの傷やへこみに対応していることがほとんどです。ただし修理基準は工場ごとに設けられているため、あくまで目安として覚えておきましょう。

反対に、板金工場で修理を受け付けていない傷は下記の通りです。

  • 鉄板が大きく変形している傷
  • パーツが原形をとどめていないほどのへこみ

基本的に、損傷の激しい傷は板金工場で受け付けてもらえない場合があります。板金屋はあくまでもボディの鉄板を元に修復することを目的としているので、鉄板を元に戻せるレベルを超えてしまうと対応できなくなるためです。

そのため、あまりにも激しい傷やへこみがついた場合は、パーツ交換をおすすめされることもあります。大掛かりな修理を無理に行うよりも費用を抑えられ、見た目の美しさも補償されているため、パーツ交換という選択肢があることも覚えておきましょう。

板金工場での修理費用の目安は?

修理をあまり依頼したことがない人は「車についた傷やへこみを修理に出したいけど、実際の相場感が分からない」と感じる場合も多いでしょう。修理費用の相場感を知っていれば、修理内容と費用を照らし合わせて、自分が納得できる板金工場に依頼することが可能になります。

車のドアに傷が入った場合、どの程度の修理費用がかかるのか、下記にまとめました。

修理内容 傷の程度 修理費用
傷修理 軽微な傷 数千円
へこみ修理 5cm程度 1~5万
傷修理+塗装 5cm程度 3~7万
へこみ修理+傷修理+塗装 5cm~10cm程度 5~10万

塗装の表面に細かい傷がついて曇って見える、軽い線傷が入っているといった場合は、軽微な傷に該当します。洗車時に強く擦ったり、枝や車のキーが当たったりしてできるため、日常生活の中で最もつきやすい傷です。このような傷は、塗装の表面からコンパウンドで磨いて塗装を研磨し、傷を消していきます。作業時間が短いうえに特殊な工具も使用しないため、修理費用は数千円で済む場合がほとんどです。

ボディにへこみが入った場合、パーツの脱着が必要になるかどうかで費用が大きく変動します。手が届かない箇所にへこみができた場合は、パーツを脱着する必要があるため、その分工賃がかかり、費用がかさむ場合がほとんどです。修理時に脱着が必要になるパーツはおもにドア・フレームなどが挙げられます。

傷が入った箇所の塗装が剥がれている場合、コンパウンドだけでは綺麗に仕上がらないため、塗装作業が必要になります。また、塗装が剥がれるほどの衝撃が加わった車は、高確率でへこみも一緒に入っており、それぞれ修理と塗装が必要になるので、修理費用も比例して高額になります。

ただし、板金工場ごとに修理費用を算出する基準は異なるため、修理に出す際は、あらかじめ見積をとって金額を確認することが大切です。数社の見積もりを見比べて、しっかり比較検討するようにしましょう。

板金工場以外で車の修理ができるところは?

「板金修理を依頼したいけれど、近所に板金工場がない」という人も多いのではないでしょうか。そのような人でも、修理を依頼できる修理業者は存在しますので安心してください。

板金工場以外で、傷やへこみの修理を受け付けている修理業者は下記の3種類があります。

  • ガソリンスタンド・カーショップ
  • ディーラー
  • 整備工場

それぞれの修理業者に依頼した場合の、メリット・デメリットは下記の通りです。

【修理業者別のメリット・デメリット】

修理業者 メリット デメリット
ガソリンスタンド・カーショップ
  • 全国展開している店舗が多く、利便性が高い
  • 在籍しているスタッフが多く、修理時間が短い
  • 損傷の激しい重度の傷は修理を断られる可能性がある
ディーラー
  • 仕上がりのレベルが安定している
  • ディーラーに行くだけで腕のいい修理業者に依頼できるため、業者を選ぶ手間がかからない
  • 預かりの場合は代車サービスを利用できることもある
  • 費用が高い
整備工場
  • 費用が安い
  • 腕のいい工場なら仕上がりのレベルが高い
  • 腕のいい工場を探す手間がかかる

それぞれどういった修理業者なのか、詳しく解説していきます。

ガソリンスタンド・カーショップ

「エネオス」や「コスモ石油」のように、街のいたるところにあるガソリンスタンドは、店舗数が多いため利便性が最も高く、いつでも気軽に持ち込みやすいのがメリットです。全国展開している店舗なら、修理費用が大きく変動することもないため、公式サイトのメニューを確認すれば費用の目安が分かることもうれしいポイントです。

同じく、カーショップもガソリンスタンドに次いで利便性が高いのが特徴です。ガソリンスタンド・カーショップともに、回転率を重視して店舗にスタッフを多く配置していることが多く、修理時間が比較的短いのも魅力の1つと言えます。

ただし、ガソリンスタンド・カーショップどちらも損傷の激しい傷や大掛かりな傷の修理には対応していない場合があります。大掛かりな修理は専用の設備が必要だったり、店舗内のピットを長時間占領してしまったりする場合があるためです。あくまでもその場で対応できるような、軽微な傷を対象とした修理業者と言えます。

ディーラー

ディーラーは、ガソリンスタンドやカーショップのように店舗内で修理を行うのではなく、提携工場に依頼を出して修理を行います。ディーラーと提携している工場はどれも、各自動車メーカーの一定の基準をクリアした工場のみで修理をするため、仕上がりのレベルが高く、常に安定しているのが特徴です。

ただし、ディーラーと整備工場の間で中間マージン料が発生するため、修理費用は高額になる傾向があります。

加えて、ディーラーは仕上がりを重視する傾向にあるため、大きな傷やへこみが入っている場合はパーツ交換をすすめられる場合があります。これは、修理をした後に不具合やクレームがおきるよりも、パーツ交換をして完璧に綺麗な状態にしてドライバーに返した方が、後々のトラブルが起こりにくいと考えているためです。修理費用よりも、仕上がりを重視したい人におすすめの修理業者と言えます。

整備工場

整備工場は、ディーラーと比較して中間マージン料が発生しないため、純粋な修理費用だけで依頼できるので費用が抑えられるのが特徴です。ただし、信頼して依頼できる整備工場を自力で探す必要があります。工場を探して見積依頼を出したり、ネットで口コミを調べたりと、情報収集する必要があることが難点です。とにかく早く修理に出したいと感じている人は、面倒に感じるかもしれません。

長整備工場を探す手間はかかるものの、信頼できる整備工場が見つかれば、長くお付き合いできるでしょう。幅広い傷に対応可能なうえ、ディーラーと比較して費用も抑えられるので、仕上がりと費用どちらも重視したい人におすすめの修理業者と言えます。

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パーツ交換にならない程度のひっかき傷・擦り傷・へこみ傷なら、板金工場に依頼してみるのはいかがでしょうか。整備工場と比較して、内部の整備や点検は行っていないものの、板金修理を専門に行っている分、スピーディな対応が可能です。

また、近くに板金工場がないという人も多いでしょう。傷やへこみの修理を受け付けているところは、ガソリンスタンド・カーショップ・ディーラー・整備工場などが挙げられます。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自分に合った修理業者に依頼するのが大切なポイントです。

ただし、自分に合った修理業者を選んだり、修理費用の相場感を把握したりするのは、慣れていない人にとって難しいものです。自分に合った修理業者に出会うためにも、修理業者の比較サイトを使うという方法も便利です。

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参考サイト

チューリッヒ |自動車整備工場とは。自動車整備士の資格、自動車修理(参照日:2022-11-28)

https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-autobodyshop/

一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会|一級自動車整備士Q&A(参照日:2022-11-28)

https://www.jaspa.or.jp/mechanic/faq/1st_qa.html

グーネットピット|板金修理(車の傷・へこみの補修・塗装)の基本と一般的な相場とは(参照日:2022-11-28)

https://www.goo-net.com/pit/magazine/repair/damage/24402/
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