板金屋とは何をしてくれるところ?
修理できる範囲や他の修理業者との違いを解説

車に傷やへこみがついてしまった場合、「専門業者に修理を依頼したい」「高い技術を持つ職人に直してほしい」と考える人も多いのではないでしょうか?そのようなときは、車の板金屋を利用してみるのも1つの方法です。

車の板金屋とは、車のボディについた傷やへこみを修復する業者を指します。パーツ交換を行うことなく修理できるため、修理にかかる費用や時間を抑えられるのが特徴です。ただし板金屋に修理を依頼する前に、知っておくべき注意点も押さえておきましょう。

本記事では、板金に関する解説や、板金屋がどういった修理業者なのかについて詳しく解説します。板金屋に関する基礎知識を深めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

板金屋とはそもそも何をしてくれるところ?

そもそも板金(ばんきん)とは、薄く平らに伸ばした金属を指す言葉です。板金屋とはこの板金を扱う職業ですが、「板金屋」とひと口に言っても、自動車業界や建築業界などさまざまな現場で板金屋は活躍しています。

まずは、板金屋がどういった職業なのか、しっかり押さえておきましょう。

車の板金屋と建築の板金屋は別

板金屋と呼ばれる職業は、大きく2つに分けられます。

  • 建築板金
  • 工場板金

「建築板金」とは、その名の通り、板金を加工して建築に必要な製品を生み出し、建築物に取り付ける作業を指します。工場内で板金の加工を行うだけでなく、建築現場で板金製品を取り付ける作業も仕事の一部に含まれるのが特徴です。

建築における板金屋の目的は、「雨から建築物を守る」ことです。屋根・雨どい・水切りなど、雨が降ったときの通り道を板金で作ることで、屋根から伝ってくる雨水の通り道を作っています。この通り道があることで、雨水が効率よく逃げ、家を支える柱や梁の間に湿気がこもりません。このように、板金によって木材や鉄材を雨の湿気から守ることで、建物の老朽化を防ぐのが建築現場における板金屋の目的です。

2つ目の「工場板金」とは、建築板金で使用する板金よりやや厚い板金を利用し、自動車をはじめ飛行機や電車のボディを製造・修理する仕事を指します。こちらは、作業がすべて工 場内で完結するのが特徴です。車のボディが擦れたりへこんだりした場合、修理に出すのは工場板金になります。

参考:全板連グループ|建築板金とは

車業界における板金屋とは?

車業界における板金屋は、「車についた傷やへこみを元の状態に戻す」ことが大きな目的です。車の大部分は鉄板でできており、日常生活の中で傷やへこみがついていきます。小さな傷やへこみに見えても、放置すると傷が入った塗装の隙間から水分が入り、サビを発生させることがあります。サビはボディの鉄板を腐食させるため、放置するほど車の耐久性が損なわれていきます。板金屋に傷やへこみの修理を依頼することで、ボディの鉄板を元の状態に整え、車の耐久性を損なうことなく走行を続けられます。

車のボディを修理するという意味合いから、「修理屋」と呼びそうになってしまいますが、板金を加工するという本来の意味から「板金屋」と呼ばれることが一般的です。また、修理とは広い意味でエンジンやブレーキの整備、消耗パーツの交換なども含まれてしまうため、板金作業と異なることを示すためにも、板金屋という名称が浸透しました。

また、板金屋になるための専門的な資格はありません。そのため、「板金屋=安く修理できる=ディーラー以外の修理業者」というイメージを持たれがちですが、正確には専門資格者がいない修理業者という位置付けになります。

車の板金屋で修理ができる修理の範囲は?

板金屋で修理できる傷は、大きく4種類に分けられます。

  • ひっかき傷
  • 擦り傷
  • へこみ傷
  • 塗装剥がれ

それぞれどういった傷なのか、見ていきましょう。

ひっかき傷
  • 草木、爪、カバン、キーなどが当たってできる線状の傷
  • 空気中の砂ぼこりやゴミがボディに付着してできる細かい傷
擦り傷
  • 洗車時の磨き傷
  • 縁石、ガードレールと擦れてできる傷
  • 飛び石傷
へこみ傷
  • ボディを何かにぶつけて表面がデコボコになっている傷
塗装剥がれ
  • 塗装に傷がついている状態
  • 塗装が剥がれて下地が見えている状態

板金屋では、上記のような日常生活の中でつくレベルの、傷やへこみに対応していることがほとんどです。ただし対応している範囲は板金屋ごとに異なるため、あくまで目安として覚えておきましょう。

反対に、板金屋で修理できない可能性がある傷は下記の通りです。

  • 大きくえぐれている傷
  • 損傷の激しい傷
  • 原形をとどめないほどデコボコになっているへこみ

ガードレールに勢いよく擦りつけたり、自動車とぶつかったりしてできる損傷の激しい傷は、板金屋での修理を断られる可能性が高くなります。板金屋はあくまでもボディの鉄板を元に修復することを目的としているので、鉄板の損傷が激しいと修理できなくなるためです。

また、板金にかかる時間が長いと、工賃がかさんでしまい修理費用が高くなるため、パーツ交換をすすめられる場合もあります。修理費用を抑えるためにも、損傷の激しい傷やへこみが入った場合は、パーツ交換という選択肢も視野に入れて検討してみましょう。

板金修理する際の費用相場はどれくらい?

「板金屋に修理に出してみたいけど、修理費用の相場が分からない」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。納得感のある修理にするためにも、修理費用の相場感を知っておくことはとても大切です。

車のドアに傷やへこみが入ったと仮定したときの、修理費用は下記の通りです。

修理内容 傷の程度 修理費用
傷修理 軽微な傷 数千円
へこみ修理 5cm程度 1~5万
傷修理+塗装 5cm程度 3~7万
へこみ修理+傷修理+塗装 5cm~10cm程度 5~10万

洗車傷や磨き傷など、車の表面に軽い傷が入っている場合、コンパウンドで磨いて塗装を研磨し、傷を消していきます。パーツの取り外しを行わないうえに、特殊な工具を使用しないため、修理費用は数千円で済む場合がほとんどです。

へこみが入った場合、ボディの鉄板を内側から叩いて元に戻す必要があるため、ドアのようにパーツを取り外す必要がある場合は修理費用がやや高くなります。へこみの入った箇所によっても板金の難易度は変わってくるため、修理費用も変動します。

擦ったりぶつけたりした衝撃で、塗装まで剥がれている場合は、塗装も行わなければいけません。大きな衝撃が加わった車は、高確率でへこみと傷が一緒に入っており、それぞれ修理と塗装が必要になるので、修理費用も比例して高額になります。

また塗装を行う場合は、乾燥させる時間をとる必要があるため、修理にかかる時間もグッと長くなります。塗装を行わない傷やへこみの修理は修理期間が2~3日、塗装が加わると1~2週間ほどかかる場合が多いため、注意が必要です。

ただし、板金屋ごとに修理費用や修理期間は変動します。修理に出す際は、あらかじめ見積をとって金額と修理期間を確認し、しっかり比較検討するようにしましょう。

板金屋以外の修理業者との違いは?

自動車整備工場をはじめ、ディーラー・カーショップなど、板金屋以外にもさまざまな修理業者が存在します。

それぞれの修理業者と板金屋との違いについて、詳しく解説していきます。

板金屋と自動車整備工場の違いは「修理範囲」と「資格」

車業界において、板金屋は傷やへこみを元の状態に戻す役割を担っていますが、同じように車の修理を行う「自動車整備工場」は、板金屋とまた違った位置付けになっています。

板金屋と自動車整備工場の違いは下記の通りです。

板金屋 バンパー・ドア・ルーフといったボディの修復を行う。→資格は必要ない
自動車整備工場 エンジン・ブレーキ・各パーツといった自動車内部の点検・整備を行う。
整備にあたるには自動車整備士の国家資格が必要

板金屋ではおもにボディの修理を行うのに対し、自動車整備工場では自動車内部の点検・整備をメインに行います。車の修理をするという目的は一致するものの、修理する箇所が大きく異なることを覚えておきましょう。

また整備工場のように自動車の点検・整備を行うには、内容に応じて自動車整備士1級・2級・3級・特殊整備士という国家資格が必要になってきます。専門学校や大学などで資格を取得し、自動車整備士として就職する人がほとんどです。

反対に、板金屋になるために必要な専門資格は存在しません。資格が必要ない分、学校に通う必要はありませんが、技術を習得するために板金工場で働きながら、経験を積む必要があります。

ディーラーやカーショップはどちらに分類される?

普段から馴染みのある修理業者として、ディーラーやカーショップを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ディーラーやカーショップは、基本的には「自動車整備工場」に分類されます。どちらも依頼すれば車の修理はもちろん整備・点検を実施し、車検も行うためです。

ディーラーは顧客と整備工場をつなぐ窓口となる存在なので、正確にはディーラーと提携している整備工場が修理や点検を行います。自動車メーカーの基準をクリアした、レベルの高い整備工場で修理を行えるのが特徴です。ただし修理費用は高くなるので注意しましょう。

カーショップにも自動車整備士が多く在籍しているため、修理に加えて点検・整備も行います。カーショップ横のピットで修理を行うのが一般的ですが、カーショップに併設されている整備工場で修理を行う場合もあります。回転率を重視しており、費用は比較的安くなる傾向にあります。

以上のことから、依頼する内容ごとにおすすめの依頼先は下記のようになります。

傷やへこみの修理のみを依頼したい場合 板金屋がおすすめ
傷やへこみの修理+
車内部の整備・点検を依頼したい場合
  • 自動車整備工場
  • ディーラー
  • カーショップ
などがおすすめ。

車のボディについた傷やへこみの修理のみを依頼したい場合は、板金屋に依頼しましょう。傷やへこみの修理に加えて、エンジンやブレーキといった車内部の整備・点検も一緒に依頼したい場合は、自動車整備工場・ディーラー・カーショップに依頼するのがおすすめです。

注意点として、板金屋であっても車の整備や点検を行っているなど、幅広い要望に応えている板金屋も存在します。反対に、板金に対応している整備工場もあるため、一概に「板金屋だから整備ができない」「整備工場だから板金ができない」と考えてしまうと、自分に合った修理業者に依頼できる機会を逃してしまう可能性があります。複数の修理業者から見積を取って、修理内容を相談してみることをおすすめします

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車業界における板金屋とは、車についた傷やへこみを元の状態に戻すことを目的とした職業です。日常生活の中でつく程度の傷やへこみ程度なら、板金屋に依頼して修復してもらうことが可能です。

反対に損傷の激しい傷が入っていたり、パーツが原形をとどめないほどデコボコになったりしている場合は、板金での修復ではなくパーツ交換をすすめられる可能性が高くなります。あらかじめ複数の板金屋に見積をもらい、適正な相場感と信頼できるスタッフに修理を依頼できるよう、しっかり比較検討するのがおすすめです。

ただし、板金修理の依頼を出したことがない人にとって、電話をかけて見積依頼を出したり、車を持ち込んで傷の状態を確認してもらったりするのは、面倒に感じてしまうのではないでしょうか?そのような場合は、修理業者の比較サイトを使うという方法も便利です。

『楽天Carキズ修理』は、簡単な車の傷やへこみを修理してくれる業者を比較・予約できるポータルサイトです。お近くの板金屋を探せるうえに、修理箇所の写真を送信するだけで見積の概算を送ってもらえる『画像診断機能』もあるので、家から出ずに依頼先を選定できます。

さらに『楽天Carキズ修理』で予約をすれば、修理費用に応じて楽天ポイントが進呈されます。修理でゲットしたポイントで、オトクに他の買い物ができるのもうれしいですね。

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参考サイト

カーデイズマガジン|ご存知ですか?ディーラーと板金屋の塗装修正方法の違い(参照日:2022-10-20

https://car-days.fun/blog/column/13913

yanetoi.com|板金屋って何?(参照日:2022-10-20)

http://yanetoi.com/hbmenu01.html

クルマヤマガジン|車の板金屋になるにはどうすれば良いのか?仕事内容についても紹介(参照日:2022-10-20)

https://kurumaya.net/magazine/car-careerchange/486/

南大阪ペイントセンター|水切りってどんな役割で無いとどうなの?塗装はした方が良いの?(参照日:2022-10-20)

https://www.my-painter.com/column/20190202gennba5/

佐藤自動車|サービス&料金(参照日:2022-10-20)

http://satoucar-style.com/service/

全板連グループ(参照日:2022-10-20)

https://www.zenban.jp/
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