2023-05-22
車のクリア層が剥がれたらどうしたらいい?原因や修理方法について解説
画像出典:photoAC
「車の表面が剥がれてきてる!どうしたらいいの?」と困っていませんか?
もしかするとそれは「クリア層」が剥がれてきているのかもしれません。本記事では、クリア層が剥がれてきた場合の対処方法や修理費用に関して解説しています。
車の表面をよく見ると、白くぼやけていたり、ところどころパリパリと薄い膜が剥がれてきたりしているのを見た経験はありませんか?もしかするとそれは「クリア層」が剥がれているのかもしれません。
クリア層の剥がれをそのまま放置してしまうと、後々大掛かりな修理が必要になる可能性があるため、なるべく早めの修理が必要です。しかし、修理にかかる費用の相場が分からなかったり、修理業者に依頼するべきか判断がつかず、ついつい後回しにしてしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、クリア層の剥がれがおきやすい原因や、自分でできる修理方法などについて解説していきます。業者に修理を依頼する場合の、修理費用の相場も合わせて解説するので、クリア層の修理に関する基本知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも車のクリア層とは?
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まず、車の塗装は大きく「クリア層」「色の層」2層に分かれており、それぞれの層が合わさることでボディの鉄板を保護しています。
「クリア層」は、車の最も表面に位置する透明な層です。車にツヤを出したり、細かい傷から色の層を保護したりする役割を担っています。そのほか、ホコリ・紫外線・黄砂などの刺激をブロックするのもクリア層の役割です。
クリア層は外からの影響を最も受けやすい層なので、普段から気を付けていたとしても自然と劣化が進み、少しずつ剥がれてしまいます。車の種類や価格によっても異なりますが、新車時のクリア層はおおよそ20~30ミクロン(1ミクロン=1ミリメートルの1000分の1)と非常に薄いため、日頃の小まめなメンテナンスが欠かせません。
そして、クリア層の下に位置する「色の層」は、その名の通り塗料が塗られている層であり、車それぞれのカラーをまとっている層に当たります。これらのクリア層・色の層が合わさることで、ツヤのある鮮やかな発色をした車となるのです。
クリア層の剥がれの原因は?
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具体的に、クリア層が剥がれてしまう原因を見ていきましょう。日常生活の中に潜むクリア層剥がれの原因4つを解説します。
原因1:経年劣化
最も代表的な剥がれの原因として挙げられるのが経年劣化です。紫外線や雨風に日々さらされるクリア層は、小まめにお手入れをしていたとしても少しずつ劣化が進みます。初期段階では色あせ・色ぼけが起こり、そのまま放置すると徐々にクリア層が剥離していき、パリパリと剥がれ落ちてしまいます。
車を保管する際は、直射日光・雨・風を防ぐことを意識し、可能な限り屋根のあるガレージや軒下、立体駐車場などを利用しましょう。
原因2:汚れ
車に付着した汚れをそのまま放置することで、クリア層の剥がれが発生します。具体的な汚れとは、ブレーキダスト・鉄粉・鳥のフン・花粉・黄砂などが挙げられます。
これらの汚れが付着したままになっていると、塗装にこびりついて取れにくくなってしまい、汚れが付着した部分を起点にパリパリとクリア層が剥がれ落ちてしまいます。月に1回程度の洗車を行い、汚れが固くこびりついてしまう前に落とすことを心がけましょう。
原因3:イオンデポジットやウォータースポット
雨や洗車の際についた水滴をそのまま拭き上げずに放置すると、水の中に含まれる不純物とミネラルが結晶化して跡になってしまう「イオンデポジット」が発生します。イオンデポジットも汚れと同じように、ついた部分を起点にしてクリア層を劣化させ、剥がれの原因を生み出します。
そしてイオンデポジットを放置すると、さらに不純物が硬化し塗装表面をデコボコにしてしまう「ウォータースポット」を引き起こします。ウォータースポットはクリア層を研磨しないと取れないため、クリア層に余計なダメージを与えるリスクを持っており危険です。
イオンデポジット・ウォータースポットを発生させないためにも、洗車後は水滴が乾いてしまう前にしっかり拭き上げを行いましょう。
原因4:傷
走行中に障害物と接触し、クリア層に傷が入って剥がれてしまうケースもよくある原因の1つです。傷が入ったことを認識できているのであればすぐに修理に出せるため、最小限のダメージで済みますが、傷が入ったことを認識できていない場合は注意が必要です。
木の枝が触れて擦れたり、飛び石が飛んできたりしてクリア層に傷が入った場合、大抵の人は傷が入ったことを認識できません。このような場合は傷の補修が遅れてしまい、傷ができた部分から亀裂が入って剥がれやすくなってしまいます。
このように、傷に気がつかないまま放置してしまうとジワジワとダメージが広がってしまう可能性があります。定期的にメンテナンスに出したり、目視でのセルフチェックを行ったりするなど、クリア層に異常がないか日頃から気にかけるようにしましょう。
クリア層の剥がれは放置するとどうなる?
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クリア層の剥がれは、日常生活のなかで起こりやすい現象なので、剥がれを発見したからといって焦る必要はありません。ただし、そのままにしておくと剥がれが起きた部分を起点にダメージが広がっていくため、放置は禁物です。
クリア層の剥がれを放置してしまうと、このように段階を追って車の表面の状態が変化していきます。
初期 |
- 部分的に白く曇って見える
- 光を当てた時に屈折して見える
|
中期 |
- ボディの広範囲が曇って見える
- ツヤが失われている
- 色の層がところどころ露出している
|
末期 |
- クリア層がパリパリ剥がれてくる
- 水分が侵入しサビが発生している
|
新車の状態から初期の段階になるまではある程度の時間を要しますが、中期から末期の状態にかけては一気に劣化スピードが速まります。そして中期・末期の状態になった車はプロの修理業者に依頼しないと元の状態に戻せないため、修理にかかる時間や費用も余計にかさんでしまうでしょう。クリア層の異変に気がついたら、なるべく早めに修理に出すことをおすすめします。
クリア層の修理は自分でできる?
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クリア層の剥がれは走行に影響が無いため、わざわざ修理業者のもとへ持ち込むのを億劫に感じる人も多いのではないでしょうか。クリア層の剥がれがごくわずかなものであれば、自分で修理することも可能です。
自分で行う修理に必要な道具と、修理手順について解説していきます。
自分で修理するために必要な道具
まず、自分で修理する場合に必要な道具はこちらです。
【準備物】
- 耐水ペーパー
- マスキング
- 養生シート
- シリコンプ
- クリア塗装用スプレー
- ボカシ剤
- コンパウンド(仕上げ用)
|
どの道具もカーショップやホームセンターで購入できるものばかりなので、手軽に購入できます。慣れている場合であれば、通販を利用するのもおすすめです。すべてそろえても5,000円前後なので、気軽に挑戦しやすいでしょう。
修理の手順
次に、具体的な修理手順も見ていきましょう。
【修理手順】
- 剥がれているクリア層を剥がしていく
- 新しいクリア層を塗布する
- 仕上げ
|
剥がれているクリア層を剥がしていく
まずは、剥がれているクリア層と周辺のクリア層を、耐水ペーパーを使って剥がしていきます。周辺のクリア層まで剥がすのは、現段階で剥がれていなくても後々剥がれてくる可能性が高く、一緒に塗り直した方が効率よく修理できるためです。
クリア層の表面を見ながら耐水ペーパーで擦り、クリア層を剥がした部分とその他の部分がなめらかな状態になるようにしましょう。
新しいクリア層を塗布する
まずは、剥がれているクリア層と周辺のクリア層を、耐水ペーパーを使って剥がしていきます。周辺のクリア層まで剥がすのは、現段階で剥がれていなくても後々剥がれてくる可能性が高く、一緒に塗り直した方が効率よく修理できるためです。
クリア層の表面を見ながら耐水ペーパーで擦り、クリア層を剥がした部分とその他の部分がなめらかな状態になるようにしましょう。
新しいクリア層を塗布する
次に、クリア層用のスプレーを塗布する周囲を保護するため、養生していきます。修理する箇所が狭い場合はマスキングテープだけで覆えますが、広範囲の場合は養生シートを使用するのも1つの方法です。液だれすることも考慮し、足元もしっかりカバーしてください。
養生ができたら、シリコンオフを拭きかけて脱脂します。余分な油分が残っていると、この後にスプレーを拭きかけても浮いてしまい、きれいに仕上がりません。シリコンオフで脱脂した後は素手で触らないように注意しましょう。
そして、クリア層を剥がした部分にクリア塗装をほどこしていきます。厚塗りにしてしまうと乾きにくくなるため、薄塗りを心がけてください。塗装後は、クリア塗装が乾ききる前にボカシ剤を拭きかけ、古い塗料と新しい塗料の境目を無くしていきます。
仕上げ
塗装後は半日~1日ほど置き、しっかり乾燥させましょう。この段階でも十分きれいな状態ですが、さらにツヤを加えたい場合はコンパウンドで磨きます。コンパウンドを少量塗布し、付属のコンパウンド用スポンジで磨き、美しいツヤが出れば完了です。
このように、ごくわずかなクリア層の剥がれであれば自分で修理を行うことも可能です。
ただし、クリア層はかなり薄いため、修理に慣れていない初心者の場合は細心の注意をはらいましょう。慣れないあまり擦りすぎて塗装を深く傷付けてしまったり、ムラができてクリア層がボコボコになってしまったりというトラブルが起こる可能性も十分に考えられます。
「失敗したくない」「完璧な見た目に仕上げたい」と考える場合は、自分で修理するのではなく、プロの修理業者に修理依頼を出す方が得策です。
業者に依頼する場合の費用は?
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プロの修理業者にクリア層の塗装を依頼したいけど、どこに依頼すればいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。クリア層の再塗装を受け付けている修理業者は、大きく3つ挙げられます。
それぞれの修理業者に修理を依頼した場合の費用は下記の通りです。
修理業者 |
剥がれの程度 |
修理費用 |
ディーラー |
狭い範囲(10cm×10cm程度) |
3~7万 |
ディーラー |
広範囲 |
10~15万 |
ガソリンスタンド・カーショップ |
狭い範囲(10cm×10cm程度) |
2~5万 |
ガソリンスタンド・カーショップ |
広範囲 |
― |
板金塗装工場 |
狭い範囲(10cm×10cm程度) |
2~5万 |
板金塗装工場 |
広範囲 |
7~10万 |
このように、同程度の範囲を修理するとしても、依頼する修理業者によって費用が大きく異なってきます。それぞれの修理業者のメリット・デメリットを解説するので、費用とのバランスを見つつ、自分に合った修理業者を見つけてみてください。
【修理業者別のメリット・デメリット】
修理業者 |
剥がれの程度 |
修理費用 |
ディーラー |
・仕上がりがきれいで安定している ・修理業者を探す手間がかからない ・預かりの場合は代車サービスを利用できることもある。
|
・費用が高い ・修理期間が長い
|
ガソリンスタンド・カーショップ |
・全国展開しており店舗が多い ・在籍しているスタッフが多く、修理時間が短い
|
・重度の傷は修理を断られる可能性がある |
板金塗装工場 |
・費用が安い ・腕のいい板金屋なら仕上がりがきれい
|
・腕のいい板金屋を探す手間がかかる |
ディーラーに修理依頼を出した場合、ディーラーと契約している板金塗装工場にてクリア層の再塗装を行います。ディーラーを経由することで中間マージン料が発生するため、他の修理業者と比較してやや高額になってしまうのが難点です。
ただし、ディーラーと契約している板金塗装工場は、自動車メーカーの一定の基準をクリアした工場のみなのでレベルが高く、仕上がりの美しさは保障されています。基本的に修理にかかる時間が長い場合は代車を貸してくれるため、サービス面においてもしっかり充実しているのが特徴です。
ディーラーへの依頼がおすすめの人 |
・費用よりも、仕上がりのレベルを重視したい人 ・修理業者を探す手間をかけたくない人 |
ガソリンスタンド・カーショップは、3つの修理業者の中で最も利便性が高いのが特徴です。店舗数が多く持ち込みやすいうえに、全国展開している店舗なら修理費用が大きく変動することなく安心です。加えて、回転率を重視してスタッフを店舗に多く配置しているため、修理時間が短いのも魅力の1つでしょう。
ただしクリア層の大部分が剥がれているような場合は、大掛かりな修理を行うことができないこともあり、修理を断られる可能性があります。あくまでも狭い範囲の剥がれに対応できる修理業者と覚えておきましょう。
ガソリンスタンド・カーショップへの依頼がおすすめの人 |
・気軽に持ち込みたいと考えている人 ・修理費用を抑えたい人 |
板金塗装工場では、ディーラーと比較して中間マージン料が発生しないため、純粋な修理費用だけで依頼できるのが魅力です。腕のいい職人がいる板金塗装工場に修理依頼を出せば、納得のいく仕上がりが期待できるでしょう。
ただ、昔ながらの板金塗装工場はホームページを作っていない場合が多く、修理依頼する工場を自力で見つけ出す必要があります。依頼するまでに手間はかかりますが、相性のいい板金塗装工場が見つかれば、長いお付き合いができるでしょう。そのために、直接工場に見積依頼を出したり、ネットで口コミを調べたりと、情報収集する必要があることを頭に入れておかなくてはいけません。
板金塗装工場への依頼がおすすめの人 |
- 修理を依頼する手間が多少かかっても修理費用を安くしたい人
- 腕のいい板金屋を見つけて、今後長く依頼していきたいと考えている人
|
このように、修理業者ごとにメリット・デメリットがあり、修理費用もそれぞれ異なります。「安いから」「自宅から近いから」という理由で適当に修理に出すのではなく、各修理業者から見積を取るのがおすすめです。それぞれの費用やサービスのバランスを見つつ比較検討し、納得感をもって依頼できる修理業者を見つけてください。
クリア層の修理予約をするなら楽天Carキズ修理!
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車についた傷や汚れをそのまま放置してしまうと、クリア層が劣化し剥がれてくる可能性があります。まずは小まめに車の表面を確認し、定期的なメンテナンスを行いましょう。
もし軽微なクリア層の剥がれが起きている場合は、自分で道具をそろえて修理することも可能です。反対に、クリア層が広範囲にわたって剥がれていたり、サビが発生していたりする場合は、自分で無理に直そうとせず修理業者に依頼しましょう。修理業者は、ディーラー・ガソリンスタンド・カーショップ・板金塗装工場などが挙げられ、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。傷の具合・予算・サービスなどで総合的に判断して、修理業者を選びましょう。
ただ、修理依頼を出すのに慣れていない人にとって、修理業者を選ぶのは難しく、大変な作業に感じられるかもしれません。そのような場合は、修理業者を選ぶ手間を省くためにも、修理業者の比較サイトを使うという方法も便利です。
『楽天Carキズ修理』は、車の傷やへこみを修理してくれる業者を比較・予約できるポータルサイトです。
お近くの修理業者を一括で探せる上に、修理箇所の写真を送信するだけで見積もりも送ってもらえるので、家から出ずに見積もり業者を決められます。
楽天ポイントも貯まるので、修理で貯まったポイントでオトクに他の買い物ができるのもうれしいですね。
車の傷やへこみを直したい方は、『楽天Carキズ修理』でお近くの業者を比べてみてくださいね。
参考サイト
satoucar-style|車のクリア層が劣化!再塗装までを画像で紹介(参照日:2023-2-20)
http://satoucar-style.com/post-3100/
ダイ・ケンオートサービス|天井やボンネットのクリアが剥げたのでクリア塗装をしてもらえますか?(参照日:2023-2-20)
https://pc.dk-as.com/QBlog-20200223-1/#content_1_0
グーネットピット|クリア剥げ ボンネット 屋根 塗装(参照日:2023-2-20)
https://www.goo-net.com/pit/shop/0120480/blog/229691#:~:text=%E8%B2%BB%E7%94%A8%E7%B7%8F%E9%A1%8D%3A%20140%2C030%E5%86%86,2020%E5%B9%B402%E6%9C%8828%E6%97%A5%2018%3A05%20%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%89%A5%E3%81%92%E3%80%80%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80%E5%B1%8B%E6%A0%B9%E3%80%80%E5%A1%97%E8%A3%85
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