2023-05-08
もし車をガードレールでこすってしまったら?直後の対処方法や修理費用について解説
画像出典:photoAC
「ガードレールで車を擦ってしまった!どうすればいい?」
ガードレールとの接触事故は、日常生活のなかで起こりやすい事故の1つです。いざというときに慌てないためにも、どのように対処すべきかしっかり押さえておきましょう。
車とガードレールが接触してこすれてしまったとき、「これって事故になるの?対処法は?」「傷の修理はどうすればいい?」など多くの人が疑問に感じるのではないでしょうか。
走行中、わき見運転をしていたり、一瞬気をそらした瞬間にガードレールと車が接触したりする経験は、どんなドライバーにも起こりうるトラブルです。ただガードレールとの接触はどんなに軽微なものであっても交通事故にあたるため、まずは警察へ通報しなくてはいけません。その他、ドライバーが知っておかなくてはならない対処法が多く存在するため、しっかり押さえておきましょう。
本記事では、ガードレールで車を擦ってしまった場合の適切な対処法や、修理業者に修理を依頼する際に知っておきたいポイントなどについて詳しく解説します。いざ!というときに慌てないよう、ぜひ参考にしてくださいね。
ガードレールにこすってしまったらまず警察に連絡を!
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まず、ガードレールに車が接触した場合、速やかに警察へ連絡しましょう。ガードレールに傷が入ったことで物損事故、人が負傷している場合は人損事故扱いとなります。道路交通法72条に記載があるように、物損事故・人損事故などの交通事故は、程度に関わらず警察へ通報する義務が生じます。
ですが、いざガードレールに車をぶつけてしまうとパニックになり冷静に対処できない場合がほとんどです。いざというときに慌てないよう、やるべきことを覚えておきましょう。
- 発煙筒や三角標識などによる二次被害防止
- 周囲に被害がないか確認する
- 警察へ連絡
- 保険会社へ連絡
- ガードレール所有者へ連絡
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車をガードレールにぶつけてしまったら、まずは発煙筒や三角標識を置いて二次被害が発生するのを防ぎましょう。そして周囲を見渡して、負傷者がいないか確認して下さい。万が一負傷者がいる場合は、安全な場所へ避難させ、早急に救急車を呼びましょう。
負傷者がいない・自分もケガをしていないという場合は、警察へ連絡を入れます。わき見運転や運転操作のミスでガードレールにぶつけた事故の場合、ドライバーとしての責務を果たしていれば、懲役・罰金・免許点数の加点といった処分は下されないので安心してください。
そして、任意の自動車保険に加入している場合は、保険会社へ連絡を入れましょう。契約内容にもよりますが、車両の損傷・運転手や同乗者がケガをしている場合は自動車保険が適用されます。ただし、事故から60日以内に事故報告をしないと保険金が支払われないことがあるため注意が必要です。事故を起こしたのと同じタイミングで連絡を入れるようにしましょう。
最後に、ガードレールの所有者へ連絡を入れます。自動車保険に加入している場合は代行して連絡を入れてもらえますが、加入していない場合は自分で連絡する必要があります。ガードレールの所有者とは、国土交通省、都道府県、市町村などの道路管理者が担当しているので、分からない場合はまず自治体に問い合わせましょう。
警察に届けないとどうなる?2つのリスク
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ガードレールや車に大きな損傷がない場合、「ちょっと接触しただけだから」と警察に連絡を入れずに立ち去りたくなる人も多いでしょう。ですが、警察に連絡を入れないことで発生する2つのリスクがあるのを理解しておかなくてはいけません。
それぞれのリスクについて、詳しく見ていきましょう。
交通事故証明がもらえない
交通事故証明とは、実際に発生した交通事故の状況を記載した証明書です。警察への連絡を怠りその場を後にしてしまうと、この交通事故証明書が発行されません。交通事故証明がないと、事故が起きた事実を証明できないため、自動車保険の請求ができなくなります。
交通事故証明書に記載される事項は下記の通りです。
- 交通事故の発生日時
- 交通事故の発生場所
- 交通事故の当事者の氏名
- 交通事故の類型(人対車両、車両相互、車両単独など)
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交通事故証明書に記載されるのは、警察が事故現場を実況見分し、客観的事実に基づいた情報のみです。事故を起こした当事者の過失を責めるものではないため、交通事故証明書が発行されたからと言って不利益になるものではないことを知っておきましょう。
当て逃げの罪に問われる可能性がある
ガードレールへの接触事故が発生したにもかかわらず、警察への連絡を怠れば道路交通法違反扱いになり、当て逃げの罪に問われる可能性があるので注意してください。当て逃げ行為は、道路交通法第72条1項の「危険防止措置義務違反」と「報告義務違反」の2つの罪を犯すことになります。当て逃げの場合は、刑が重い「危険防止措置義務違反」が適用され、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が課せられます。
危険防止措置義務違反 |
1年以下の懲役または10万円以下の罰金(道路交通法第117条の5の2号) ※当て逃げの場合はこちらが適用される
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報告義務違反 |
3か月以下の懲役または5万円以下の罰金(道路交通法第119条10号) |
このように、通報しないことで起こるデメリットは大きく、罰則が発生する場合も十分にあり得ます。「ガードレールくらいで」と軽く考えることはせずに、速やかに警察へ通報するようにしましょう。
こすってしまったガードレールは弁償が必要?
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ガードレールの損傷が激しく変形してしまった場合、次の衝突では本来の機能を発揮することができないため、ガードレールを交換する必要があります。この場合は道路法58条により、運転手はガードレール本体と、交換工事にかかる費用を弁償しなくてはいけません。
弁償費用はガードレールの種類によって異なりますが、おおよそ下記の金額が目安です。
項目 |
費用目安 |
ガードレール本体代 |
5,000円~5万円 |
ガードレール交換費用 |
10万円前後 |
そのほか、設置交換のために作業員やガードマンを配置する場合は、追加で費用が発生します。基本的に弁償費用はガードレールの所有者から請求されますが、任意保険に加入している場合は請求後のやり取りを代行してもらえるため、あまり手間はかかりません。
修理代は保険を適用することはできる?
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もし任意保険に加入していない場合でも、一般道を走る車はすべて「自賠責保険」に加入するため、自賠責保険でまかなえないかと考える人も多いのではないでしょうか。結論から言うと、自賠責保険は人身事故が起きた場合の被害者に対する保証なので、ガードレールの破損のような物損事故には使えません。
そのため、ガードレールにぶつけてしまった場合の修理代を保険でまかないたい場合は、任意保険に加入していることが前提となります。任意保険は、自賠責保険ではカバーできない部分を補償するものであり、補償の内容は様々です。その中でも、他人の車や物を壊してしまった場合の補償に特化した「対物賠償保険」に加入しているなら、ガードレールと車の修理代に対して保険金が支払われます。
【対物賠償保険で補償される例】
引用:ソニー損保
対物賠償保険を使って支払われる保険金は、契約時に設定した金額が上限なので、まずは自分がどのような金額設定で契約したのか確認しましょう。
引用:ソニー損保
注意しておきたい点として、対物賠償保険を使うと自動車保険の等級が3等級下がります。初めて自動車保険に加入した場合は6等級からスタートするのが一般的なので、加入してすぐガードレールとの物損事故を起こしたのであれば、次の年からは3等級になるということです。等級は数字が小さいほど保険料の割引率が小さくなるうえ、保険会社によっては割増しとなるため、翌年の保険料は高くなります。
そのため、ガードレールや車の修理費用がそこまで高額にならなかった場合は、修理にかかる費用よりも、値上がりした保険料のほうが高くついてしまうかもしれません。保険を使って補償してもらうよりも、自腹で修理費用を出すほうが結果的に安く済む場合があるので注意しましょう。
保険を利用する際は、翌年の保険料がいくら上がるのか保険会社に試算してもらい、長期的に見てどちらがオトクなのかをしっかり見極めましょう。「試算を依頼したら必ず保険を利用しなければいけない」という決まりはないため、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
こすってしまった傷やへこみ傷の修理費用の目安は?
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ガードレールの修理だけでなく、車の修理にも目を向ける必要があります。車を修理に出す際の、修理費用の相場も押さえておきましょう。
傷の種類 |
修理費用相場 |
軽いこすり傷 |
数千円~2.3万 |
軽いへこみ |
数千円~5万 |
傷の範囲にもよりますが、軽いこすり傷・へこみの修理であれば、比較的安く修理できることがほとんどです。車のパーツを取り外して修理を行わないのであれば、即日修理してもらえる場合もあります。
ただし、特殊な塗料を使っていたり、アルミ製ボディで形成されたりしている場合は通常の修理工程とやや異なるため、修理に時間がかかります。修理費用もプラス数万円ほどかかるため、ある程度まとまった出費になることを覚悟しておかなくてはいけません。
そして適正な価格を知って、納得を持って修理に出したいと考えるのであれば、数社の修理業者から見積もりを取ることをおすすめします。修理の内容と費用をしっかり比較し、納得して依頼できる修理業者を選びましょう。
ガードレールによるこすり傷を修理するなら楽天Carキズ修理
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ガードレールと車が接触してしまったら、まずは警察に連絡を入れ、交通事故証明書を作成してもらいましょう。警察に連絡を入れることで、その後の処理や、保険会社とのやり取りがスムーズになります。
そして、ガードレールの損傷が激しい場合は、ガードレール本体と交換工事にかかる費用を弁償しなくてはいけません。加えて車の修理費用も発生するため、ある程度まとまった出費が必要です。そのような状況で複数の修理業者に車を持ち込み、見積もりを依頼してもらうのは、体力的・精神的にとても消耗する作業と言えます。
そのため、なるべく労力をかけずに修理業者を選ぶために、修理業者の比較サイトを使うという方法も便利です。
『楽天Carキズ修理』は、簡単な車の傷やへこみを修理してくれる業者を比較・予約できるポータルサイトです。
お近くの修理業者を一括で探せるうえに、修理箇所の写真を送信するだけで見積もりの概算を送ってもらえる画像診断機能もあるので、家から出ずに見積もり業者を選定できます。
もちろん、楽天ポイントも貯まるので、修理で貯まったポイントでオトクに他の買い物ができるのもうれしいですね。
車の傷やへこみを直したい人は、『楽天Carキズ修理』でお近くの業者を比べてみてくださいね。
参考サイト
JAF クルマ何でも質問箱|ガードレールの種類と設置の目的とは?(参照日:2023-2-18)
https://onl.bz/dY2dsj
日本損害保険協会|刊行物・報告書(参照日:2023-2-18)
https://www.sonpo.or.jp/report/publish/index.html
ソニー損保|自動車保険のノンフリート等級制度とは?等級ごとの割引率を解説(参照日:2023-2-18)
https://www.sonysonpo.co.jp/auto/guide/agde021.html
ソニー損保|事故でガードレールにぶつかった|事故解決の事例紹介(参照日:2023-2-18)
https://www.sonysonpo.co.jp/auto/solution/asol016.html
ソニー損保|対物賠償(参照日:2023-2-18)
https://www.sonysonpo.co.jp/auto/coverages/acvr007.html
弁護士法人泉総合法律事務所|物損事故と報告義務(参照日:2023-2-18)
https://izumi-keiji.jp/column/koutsujiko/houkokugimu
交通事故相談ガイド|交通事故証明書の見方(参照日:2023-2-18)
https://office-ozeki.com/jiko/jikoshoumeisho.htm
ミスター弁護士保険|【基礎知識】交通事故証明書が必要になる6つの場面(参照日:2023-2-18)
https://mikata-ins.co.jp/lab/kotsujiko/031620
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