2023-02-20
車の傷はタッチペンで直せる?修理できる傷の種類や手順について徹底解説
画像出典:photoAC
タッチペンを使用すれば、車についた傷を簡単に修理できます。この記事では、タッチペンで修理できる傷の範囲や、修理の手順に関して詳しく解説します。
ボディカラーに合ったタッチペンを選ぶ
車のボディカラーと一致するタッチペンの色を選ぶのも大切なポイントです。ベーシックカラーのボディカラーであっても、やみくもに選ぶのではなく、必ず車体のボディカラーの番号と一致するものを選びましょう。
画像:トヨタ車コーションプレート表示位置
ボディカラーの番号は、「コーションプレート」と呼ばれる車体番号や車体の型式が載っているプレート内に記載されているので確認してみてください。メーカーごとにコーションプレートを貼る位置は微妙に異なりますが、一例としてトヨタ車の場合は上記の赤い部分に貼られています。
コーションプレート内に、カラーナンバー(COLOR No.)や、カラーコード(COLOR CODE)と表記があるため、番号と一致するカラーのタッチペンを購入しましょう。しっかりカラーナンバーやカラーコードを確認することで、「塗ってみたら微妙に色が違う」「ツヤの具合が違う」といった失敗を防げます。
市場によく出回っている、白・黒・グレーといったカラーの車は、一見どれも同じカラーに見えますが、車の型式や年代によって微妙に色合いが異なるため注意が必要です。失敗しないために、ベーシックカラーであっても、しっかりボディカラーの番号を確認するようにしてください。
タッチペン修理で必要な道具は?
画像:photoAC
タッチペンで修理を行う際に必要な道具は下記の通りです。
【塗装道具】
- タッチペン
- コンパウンド(傷をなめらかにする研磨剤)
- コンパウンド用スポンジ
- 耐水ペーパー(水をつけて使うヤスリ)
- シリコンオフ
- ワックス
- アルコール
- ふきん
- バケツ
【周囲への汚れを防止する道具】
それぞれの準備物は、カーショップやホームセンター、ネットなどで購入できるものばかりです。すべて揃えても5,000円前後で揃うでしょう。最初は揃えるものが多くて億劫に感じてしまいそうですが、一度揃えてしまうと同じ道具を使って何回も修理できるメリットがあります。「小まめに傷を直したい」「費用をなるべく安く抑えたい」と感じている人は、ぜひ次の章で手順をチェックしてみてください。
タッチペンを使って車の傷を自分で修理する手順
ディーラーでは、基本的に軽度~重度の傷に幅広く対応しています。修理はディーラーと契約している板金塗装工場で行うので、どうしても修理にかかる時間は長くなり、最低でも数日かかります。また、バンパーが大きく大破していたり、割れたりしているといった場合は、修理ではなくパーツ交換となる可能性があります。これは、修理後に不具合が発生してしまう可能性を残すよりも、新しいパーツに交換して不具合が発生する可能性を無くし、顧客に安心してもらうためです。
このような理由から、ディーラーを利用した修理は比較的高額になりがちです。ただし、ディーラーと契約している板金塗装工場は、自動車メーカーの一定の基準をクリアした工場のみなので、仕上がりのレベルは保障されています。修理にかかる時間が長い場合は、代車を貸してくれる場合もあるため、サービス面もしっかり充実しており、安心して依頼できるのがメリットです。
ディーラーへの依頼がおすすめの人 |
・費用よりも、仕上がりのレベルを重視したい人 ・修理業者を探す手間をかけたくない人 ・修理に時間がかかっても問題ない人
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板金塗装工場はディーラーと同様、基本的にはどのようなレベルの傷でも修理依頼が可能です。ディーラーと違って直接板金塗装工場に依頼を出すので、中間マージン料が発生せず、純粋な修理費用だけで依頼できるのが魅力です。加えて、腕のいい職人がいる板金塗装工場に修理依頼を出せば、納得のいく仕上がりが期待できるでしょう。
ただ、腕のいい板金塗装工場や、自分が納得して修理を依頼できる工場を自力で探す必要があるため、修理を依頼するまでに手間がかかります。直接工場に見積依頼を出したり、ネットで口コミを調べたりと、自分で情報収集する必要があるのがデメリットです。
板金塗装工場への依頼がおすすめの人 |
・修理を依頼する手間がかかっても問題ない人 ・修理費用を安く抑えたい人 ・ある程度の仕上がりの美しさを求めている人
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画像:photoAC
タッチペンを使った傷の修理方法は下記の通りです。
作業に必要な時間は、乾燥時間を含めて1週間程度です。
それぞれの工程に関して、順を追って詳しく解説します。
1.傷周辺の汚れをしっかり落とす
傷の周辺についた汚れや砂利などを、ふきんを使って落とします。汚れが落ちにくい部分は、アルコールを吹きかけて浮かしてから優しく落としましょう。しっかり汚れや砂利を落としておかないと、タッチペンを塗った後に凹凸が浮き出てしまい、仕上がりが汚くなってしまうため、しっかり落とすのがポイントです。
2.コンパウンド→耐水ペーパーの順で磨く
汚れを落とせたら、傷のある部分にコンパウンドを垂らし、コンパウンド用のスポンジを使って磨いていきます。コンパウンドは細かい粒子を含んでいるため、傷を研磨してなめらかにする効果があります。クリア層の表面についた浅い傷程度なら、コンパウンドだけで綺麗になる場合もあるため、様子を見ながら磨いていきましょう。
コンパウンドでならした傷を、耐水ペーパーを使ってさらに磨いてください。耐水ペーパーは柔らかいヤスリのような質感で、傷の中のわずかな汚れや傷まわりのささくれなどを削って落とす効果があります。
3.シリコンオフで脱脂する
傷口がなめらかになったら、シリコンオフを吹きかけます。シリコンオフは油性の汚れを分解し、脱脂する役割をもっているため、車の表面についた汚れを綺麗に落とすことが可能です。
4.マスキングテープで傷周辺を隠す(1回目)
養生シートとマスキングテープを使用して、傷のまわりを隠していきます。タッチペンのハケはコシがあるので、周囲に塗料が飛び散ってしまったり、塗料がはみ出したりしてしまう可能性があるためです。気付かないうちに塗料がついて乾燥してしまうと、後から落とすのが大変になるので、マスキングテープでしっかり周辺を保護しましょう。
地面に塗料が落ちる場合もあるため、必要に応じて足元に新聞紙を引いてください。ここまでの工程で、傷とその周辺の汚れを綺麗に落とせたため、塗装の準備が整いました。
5.タッチペンで傷を修理する
タッチペンを使って傷口に塗料を塗っていきます。この際、塗料はなるべくたっぷり塗るようにしてください。塗料は乾燥すると縮まる性質があるため、塗る量が少ないと傷の部分がへこんでしまいます。塗料が1mm程度まで盛り上がるよう、厚めに塗っていきましょう。
また、1度で完璧に綺麗な状態に塗るのは難しいため、20分~30分程度の時間を置いて何度か重ね塗りしてください。塗料を塗り終えたら、傷を触らないようにして5日ほど乾燥させます。
6.マスキングテープで傷周辺を隠す(2回目)
時間をおいて、塗料が完全に乾ききったらもう一度マスキングテープを傷の周りに貼ってください。この後、盛り上がった塗料を擦って平らにしていくため、マスキングテープを何枚か重ねて塗料の高さと同じになるようにしましょう。
7.耐水ペーパー→コンパウンドの順で磨く
盛り上がった塗料を平らにならすため、耐水ペーパーで磨いていきます。盛り上がっていた塗料が削れていくのにあわせて、マスキングテープを剥がし、最後の1枚になるまで磨きます。
塗料の盛り上がりを感じなくなったら、コンパウンドに切り替えてさらに磨きましょう。注意点として、塗料を塗る前は「コンパウンド→耐水ペーパー」の順で磨きましたが、塗料を塗った後は「耐水ペーパー→コンパウンド」の順に磨いてください。コンパウンドの方が研磨する粒子が細かく、表面がなめらかに仕上がるためです。
8.ワックスでツヤ出しをする
傷とその周辺がなめらかな状態になったら、最後にふきんを使って丁寧にワックスを塗っていきます。ワックスは油分を含んでいるため、ツヤを出すだけでなく、汚れやホコリから塗装を守るコーティングの役割も担っています。ほかの塗装部分とワックスがなじみ、修理した傷部分にツヤが出たら修理作業は完了です。
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