2022-02-09
ハイドロプレーニング現象とは?発生する速度と対処方法について解説
画像出典:photo AC
ハイドロプレーニング現象という言葉を聞いたことがあっても、具体的にどのような現象なのか説明するのが難しいという人は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ハイドロプレーニング現象の原因と対策について解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ハイドロプレーニング現象という言葉を聞いたことがあっても、具体的にどのような現象なのか説明するのが難しいという人は多いのではないでしょうか。
運転中にハイドロプレーニング現象が起きてしまうと、状況によっては大きな事故に繋がりかねません。しかし、日頃からしっかりと対処を行っていればハイドロプレーニング現象は防ぐことができます。
そこで本記事では、ハイドロプレーニング現象の原因と対策について解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ハイドロプレーニング現象とは?
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ハイドロプレーニング現象とは、運転中にハンドルやブレーキが効かなくなる現象のことで、主に雨の日などで濡れた路面を走行中に発生します。
ブレーキやハンドルが効かなくなるのは、走行中にタイヤと地面の間に水の膜ができてしまい、タイヤが水の上に浮いた状態になってしまうことが原因です。 タイヤが水に浮いてしまうと地面との間に摩擦がなくなってしまい、タイヤのグリップ力はまったく発揮されなくなります。
ハイドロプレーニング現象は一般道でも発生しますが、特に高速道路で起こりやすい傾向にあります。
首都高速道路のデータによると、雨の日は晴れの日に比べて1時間あたりの施設接触事故(ガードレールや側壁に接触する事故)が14倍、死傷事故が6倍発生しています。事故の原因はスリップによるものが多く、ハイドロプレーニング現象が原因でスリップが起きている事例も多くあります。
ハイドロプレーニング現象が起きる原因
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ハイドロプレーニング現象は雨の日に起きやすくなると前述しましたが、以下の3つの条件のどれか1つでも満たすとさらに発生しやすくなります。
- タイヤの摩耗
- 速度の出し過ぎ
- 空気圧不足
ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる原因について、それぞれ解説していきます。
1.タイヤの摩耗
ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる原因の1つ目はタイヤの摩耗です。
通常タイヤには排水性が備わっており、ある程度は地面とタイヤの間の水を排出することができます。
タイヤの排水性はタイヤの溝があることによって保たれているのですが、長くタイヤを使用していると、タイヤは摩耗していき溝は浅くなっていきます。
そのため、長く使用しているタイヤはハイドロプレーニング現象が起きやすくなると言えます。
雨天時に時速80㎞で走行した場合、タイヤの溝が浅くなっていくにつれて、タイヤの状態が以下のように変化していきます。
【雨天時に時速80㎞で走行した場合】
タイヤの残り溝 |
タイヤの状態 |
7.1㎜(新品)
|
タイヤの一部は浮いてしまっているが、排水は問題なく行われている。 |
3.5㎜(50%摩耗)
|
新品のタイヤと比べてさらに接地面が浮いてしまい、やや排水効果が低下した。
|
1.6㎜(使用限界) |
接地面のほとんどの部分が浮いてしまっており、排水効果がかなり低下した。 |
参考:ブリヂストン
このことから、タイヤの摩耗が進むほど、同じ速度でもタイヤの浮きやすさが変わってくることが分かります。
また、タイヤの溝は走行距離約5,000㎞で1㎜すり減ると言われています。
そのため、新品のタイヤに交換してから20,000〜30,000㎞以上走行した場合は、雨天時はハイドロプレーニング現象が起こりやすくなるということを覚えておきましょう。
2.速度の出し過ぎ
ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる原因の2つ目は走行速度です。
ハイドロプレーニング現象は、雨の日に時速約80㎞を超えて走行すると起きやすくなることがわかっています。
タイヤには排水性が備わっていると前述しましたが、速度が上がるほどタイヤは回転数が増え、地面との接地時間が短くなり排水性が低くなってしまいます。
そのため、走行速度が速くなるほど、タイヤと地面の間の水は排出されにくくなり、ハイドロプレーニング現象は発生しやすくなります。
【新品のタイヤで雨天時に走行した場合】
走行時速 |
タイヤの状態 |
時速60㎞
|
タイヤは全く浮いておらず、地面とほぼ完全に接地できている。 |
時速80㎞
|
タイヤの一部が浮いているが、走行には問題のない状態。
|
時速100㎞ |
タイヤのほとんどが浮いてしまっており、ハイドロプレーニング現象が発生しやすい状態。 |
参考:ブリヂストン
上記の表の通り新品のタイヤを使用した場合でも、時速80㎞を過ぎた頃からタイヤの一部が浮き始め、時速100㎞を超えるとタイヤはほとんど浮いている状態になりました。
高速道路などでは、雨が降ると速度制限が80㎞になりますが、これはハイドロプレーニング現象が起きやすくなることが原因です。
しかし、前述した通りタイヤの摩耗によって排水性が低下している可能性もあります。時速80㎞未満でもその他の要因によって、ハイドロプレーニング現象が発生する可能性はあるため、高速走行中は注意するようにしましょう。
3.空気圧不足
ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる原因の3つ目は空気圧不足です。
空気圧が規定よりも不足していると、地面とタイヤの接地面が広くなるため、水がタイヤの溝から外へ排出されるまでの時間が通常よりも長くなります。
そのため、空気圧不足はタイヤの排水性を低下させ、ハイドロプレーニング現象を引き起こす原因になります。
また、タイヤの空気圧は4台に1台は不足していると言われています。
タイヤのゴムは空気を通す素材のため、穴が空いてなくても自然に空気が外に漏れ出てしまい、1ヶ月に5〜10%程度は空気圧は低下していきます。定期的に空気圧を補充していない場合は、知らない間に空気圧不足になってしまっている可能性が高いです。
タイヤの空気圧不足は排水性を低下させますので、定期的に補充をするようにしましょう。
ハイドロプレーニング現象が起きた場合の対処方法
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雨の日に走行中、以下のような状況になったらハイドロプレーニング現象が起こっている可能性があります。
- ハンドル・ブレーキがまったく効かない
- 車の後部が横滑りする
- 実際の速度と速度計の表示が違っているように感じる
- 車が浮いたような感覚になる
もし、走行中にこのような異変に気がついた場合はハイドロプレーニング現象を疑いましょう。
ハイドロプレーニング現象が起きたら、適切な対処が必要となります。パニックを起こし、誤った行動をしてしまうと、大事故を引き起こす可能性もありますので、必ず落ち着いて以下の手順で対処しましょう。
【ハイドロプレーニング現象が起きた場合の対処方法】
- ブレーキ、アクセル、ハンドルの操作をやめる
- スリップが収まるまで操作をせずに待つ
- 速度が下がり、制御ができるようになったら慎重にゆっくり操作をする
ハイドロプレーニング現象の正しい対処方法は、車の操作を全てやめることです。
何も操作をしなければ、車は空気抵抗によって少しずつ減速していきます。スピードが遅くなればタイヤの排水効果が回復していくので、次第に制御ができるようになります。
車が制御不能になると、恐怖心から咄嗟に急ブレーキや急ハンドルをしてしまう人も多くいます。しかし、それはかえって逆効果になり、大きな事故を引き起こしてしまう可能性もあります。急ブレーキ、急ハンドルは絶対にしないようにしましょう。
ハイドロプレーニング現象の予防法3つ
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ハイドロプレーニング現象によって急に車が制御不能になるのは、できれば避けたいことですよね。そこでこの項では、ハイドロプレーニング現象を予防するための3つの方法を解説していきます。
1.雨の日はスピードに注意
ハイドロプレーニング現象の予防法1つ目は、雨の日はスピードに注意することです。
前述した通り、新品のタイヤでも走行スピードが時速100㎞を超えるとタイヤがほとんど浮いてしまい、ハイドロプレーニング現象が非常に発生しやすくなります。
また、水はけの悪い道路や豪雨などでできた水たまりなどを走行する場合も、走行スピードに注意する必要があります。
冠水した路面は水たまりが深くなりやすく、低速でもハイドロプレーニング現象が発生する可能性があります。道路がこのような状態になったら、その場所を避けて走行するか、いつもよりも速度を落として慎重に走行するように気をつけましょう。
2.タイヤのメンテナンスを定期的に行う
ハイドロプレーニング現象の予防法2つ目は、タイヤのメンテナンスを定期的に行うことです。特に重要なのは、空気圧点検とタイヤローテーションです。
空気圧は1ヶ月に1回程度、点検をすれば空気圧不足を避けることができます。ガソリンスタンドやタイヤ専門店などでも、気軽に点検を受けることができるので、日々の給油や買い物などのついでに空気圧の点検をするのもおすすめです。
タイヤローテーションは、タイヤの溝を保護する上で非常に重要です。
タイヤは使用状況や道路状況によって、部分的にすり減ってしまうことがあります。これを偏摩耗といい、そのまま走行を続けてしまうと、一定の部分だけゴムがすり減ってしまいタイヤの寿命が短くなってしまいますし、排水性などの性能を悪化させてしまいます。
偏摩耗を避けるためにも、走行距離5,000㎞を経過するごとにタイヤローテーションをするのがおすすめです。
この他に、タイヤの傷や摩耗状態を把握しておくことも、ハイドロプレーニング現象の防止に繋がります。
3.古いタイヤを使い続けない
ハイドロプレーニング現象の予防法3つ目は、古いタイヤを使い続けないことです。
タイヤ交換のタイミングはスリップサインが出てからと、考える人もいるかもしれませんが、それでは少し遅すぎるかもしれません。
道路交通法ではタイヤは溝が1.6㎜以上あれば走行は可能ですが、タイヤの排水性はかなり低下してしまっています。そのため、なるべくタイヤ交換は溝が2〜3㎜よりも前の段階でするようにしましょう。
また、通常よりも排水効果の高いタイヤも開発されているため、雨の日により安心して走行したいのであればウェット性能の高いタイヤを選ぶのもおすすめです。
タイヤを買うなら楽天Carタイヤ交換が便利
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本記事では、ハイドロプレーニング現象について解説しました。
急に車がコントロールできなくなってしまう状況はできれば経験したくないですよね。
ハイドロプレーニング現象は、タイヤのメンテナンスを適切に行い、走行速度に日頃から気をつければ、ほとんど防ぐことができます。
タイヤ交換のタイミングも重要です。
スリップサインが出るギリギリまで使用するのではなく、以前に比べてタイヤの性能が落ちたと感じたら、なるべく早くタイヤ交換をするようにしましょう。
しかし、タイヤ交換を検討した時、費用も手間もかかるのでつい後回しにしてしまう人も多いのではないでしょうか。
できれば、タイヤをお得に購入して交換もプロにお願いしてしまいたいですよね。
そこでおすすめなのが「楽天Carタイヤ交換」です。
今まではインターネットでタイヤを購入すると、タイヤの交換は自分で交換するか、業者に持ち込む必要がありました。
せっかくインターネットでお得に購入できても、業者にタイヤ交換を依頼すると割高な持ち込み料金がかかってしまい、さらに取付店までタイヤを運ぶ手間も必要です。
そのため、インターネットでタイヤを購入するのは、自分でタイヤ交換できる人でないとあまりメリットはありませんでした。
しかし、「楽天Carタイヤ交換」では楽天市場でのタイヤ購入と取付店舗への予約が同時に行えます。
「楽天Carタイヤ交換」は楽天市場で購入したタイヤやホイールを、自宅近くの取付店舗で取り付けてもらえるサービスです。
購入品は取り付け店舗にそのまま送ってもらえるので、わざわざ自分で持ち込む必要はありません。タイヤの種類も豊富なので、もちろんウェット性能の高いタイヤも取り扱っています。
楽天市場での購入で楽天ポイントも貯まるので、お得にタイヤ購入とタイヤ交換をすることができますよ。
タイヤ交換を検討している人は、ぜひ一度「楽天Carタイヤ交換」をチェックしてみてください。
楽天Carタイヤ交換
参考サイト
ハイドロプレーニング現象について(参照日:2022-1-5)
https://tyre.dunlop.co.jp/tyre/products/tyrecheck/trouble_hydro.html
[Q]雨の日に増えるのはどんな事故ですか?(参照日:2022-1-5)
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-natural/subcategory-heavy_rain/faq317
雨の日に事故が多発しています(参照日:2022-1-5)
https://www.shutoko.jp/use/safety/driver/rain/
事業用自動車総合安全プラン2020(参照日:2022-1-5)
https://www.mlit.go.jp/common/001352194.pdf
雨天時運転のポイント(参照日:2022-1-5)
https://tire.bridgestone.co.jp/about/driving/rainy/
空気圧管理(参照日:2022-1-5)
https://www.y-yokohama.com/product/tire/maintenance/pressure/
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