2022-05-23
OBD車検とは?開始時期やメリットなど新検査について徹底解説!
画像出典:photoAC
OBD車検をご存知ですか?これは新しく始まる検査制度ですが、あまりよく知らないという人も多いでしょう。そこで、「OBD車検ってどんな検査?」「開始時期は?」「どこで受けられるの?」などの疑問について解説します!
「OBD車検って何?」「対象となる車について詳しく知りたい」とお考えではありませんか?車検は必ず実施しなければならない重要なものですが、その制度に大きな変更があります。制度開始すぐは一部の人だけ受けることになりますが、いずれ多くの人が受けることになるので、どんな検査なのかをきちんと知っておく必要があります。しかし、OBD車検に関しては専門的な用語も多く出てくるので、「調べてみても難しくてよくわからなかった…」という人も少なくないでしょう。
そこで本記事では、OBD車検についてわかりやすく解説します。新制度の開始に先立って、開始時期や対象の車などを理解してくださいね。
OBD車検とは?
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OBD車検は、正しくは「OBD検査」と言い、OBDという装置を利用した車の検査のことです。あくまでも、一部の装置に対して新たな検査が実施されるというもので、これまでの車検の検査項目や制度が全て変わるわけではありません。
この記事では、OBD検査が実施される車検について、便宜的にOBD車検と表記して解説します。
OBD車検導入の背景として挙げられるのは、近年自動ブレーキをはじめとする自動運転技術が搭載された車が増加しているということです。こういった技術は事故の防止に効果が期待されていますが、故障をしてしまった場合には、誤作動によって重大な事故を起こしてしまうことが懸念されます。
しかし、これまでの車検では、外観の確認や測定器を使った機能の確認が主な検査内容であり、自動運転技術などの電子制御装置の機能については十分な検査がなされていないというのが実情でした。
そこで、自動運転技術などの電子制御装置を検査するための方法として導入されることになったのがOBD車検です。2017年より「車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会」で審議が重ねられ、国土交通省と関係各者によって導入への準備が進められています。
ODE(車載式故障診断装置)について
まず、OBD車検の「OBD」とは、車載式故障診断装置という装置のことです。英語での名称であるOn-Board Diagnosticsを省略してOBDと呼ばれています。
OBDの役割は車に搭載された電子制御装置の状態を監視することです。
例えば、タイヤがパンクしたり、ヘッドライトが点かなくなったりした場合、人の目で確認することができるのですぐに気づけますが、車の内部にある電子制御装置のトラブルは、目で見て確認することができないものばかりです。そこで、OBDが配線類の断線や電子信号に異常がないかどうかを監視します。
何らかの不具合があった場合は記録され、スキャンツールという専用の診断機に接続することで内容を確認することが可能です。また、異常が発生していると、警告灯などで運転手に通知されるので、目で見られない部分の異常もすぐに知ることができます。
OBD車検の仕組み
OBD車検は、先ほど解説したOBDを利用した検査方法です。
OBD車検では、「特定DTC照会アプリ」というアプリおよび「法定スキャンツール」という診断機を使用して検査が行われます。車検場の検査員が車両をスキャンツールに接続し、アプリの起動と車両情報の入力を行うと、スキャンツールが自動で情報の送受信を行って、判定結果が表示されるという流れです。
合否は「特定DTC」というコードが検出されるかどうかで判定されます。DTCは「Diagnostic Trouble Code」の略で、異常が見つかったことを示す故障コードのことです。
そのDTCの中でも、対象となる装置が保安基準を満たさなくなるような故障に関するものを「特定DTC」と呼びます。この特定DTCが1つでも検出されると、不合格という判定となるのです。
OBD車検のメリット
続いて、OBD車検を導入するメリットをご紹介します。
後述しますが、OBD車検の対象となるのは運転支援装置などの電子制御装置です。例えば、ABS(アンチロックブレーキシステム)という装置に異常があると、メーターパネルの警告灯が点灯します。OBD車検導入前の車検では、この警告灯が点灯していると車検に不合格という判断がされるのです。
では、このように警告灯を見て判断するのに比べて、OBD車検の検査方法を利用するとどんな利点があるのでしょうか?OBD車検には、従来の検査方法と比べて次のようなメリットがあると考えられます。
- 検査の精度が高い:
警告灯は、車が保安基準に適合しなくなるような異常が発生していても点灯しないことがあります。OBD車検は、警告灯が点灯しない程度の異常も検出することができるので、より精度の高い検査であると言えるでしょう。
- 不具合がより詳しく判断できる:
電子制御装置に不具合があることがわかっても、どこにどんな異常があるかを突き止めるのは難しいものです。OBDを使用すると、細かく分類された故障コードを読み取ることができるので、不具合の有無だけでなく「どこに異常があるか」「どんな異常が起きているか」まで把握できます。
- 人為的なミスを防止できる:
従来の検査方法では、どうしても見落としや確認漏れなどの人為的なミスが起きる可能性がありました。OBD車検では、車両を法定スキャンツールに接続し、法定スキャンツールが自動で情報の送受信や判定結果の表示を行ってくれるため、検査員によるミスが起きるリスクがなくなります。
OBD車検の導入は、「異常が発生しているのに車検に通ってしまう」という可能性が低くなり、より安全な車社会の実現への一助となるでしょう。
OBD車検の開始時期
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OBD車検の開始時期は、国産車と輸入車で異なります。
- 対象の国産車…2024年10月から
- 対象の輸入車…2025年10月から
また、このOBD車検の開始に先立って、2021年10月よりプレテストが実施されています。
プレテストは、2024年(輸入車は2025年)にOBD車検が開始されたときに、トラブルなく円滑に検査が実施できるよう、検査事業者が準備態勢を整えることなどが目的です。最初の内は運輸支局へ持ち込まれる車検車両の中でも希望がある場合にのみプレテストが実施されることになりますが、段階的にプレテストの対象が拡大されることも計画されています。
OBD車検の対象車
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OBD車検の対象となるのは、2021年以降の新型の乗用車、バス、トラックです。ただし、輸入車の場合は2022年以降の新型車が対象となります。
また、OBD車検の対象となる装置は次の通りです。
- 運転支援装置(アンチロックブレーキシステム、横滑り防止装置、ブレーキアシスト、自動ブレーキ、車両接近通報)
- 自動運転機能(自動車線維持、自動駐車、自動車線変更など)
- 排ガス関係装置
自動運転装置と自動運転機能に関しては、保安基準に規定がある装置が対象となります。
OBDを使用した検査以外の検査項目はこちらの記事でご紹介しています。不合格になりやすい検査項目や車検に落ちたときの対処法についても解説していますので、車検を受ける前に一度確認してみてくださいね。
関連記事:車検の検査項目一覧まとめ!検査内容と車検に落ちないための対策も解説
OBD車検はどこで受けられる?
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「OBD車検がこれまでの車検と異なるのなら、受けられる場所も変わるのでは?」と心配になる人もいるでしょう。特に、毎回同じ工場に車検を依頼している人などは、これまでの車検場が利用できなくなるのではないかと不安ですよね。
そもそも、前述したようにOBD車検は専用の法定スキャンツールを使用して検査が行われます。そのため、法定スキャンツールのない工場などではOBD車検が実施できないということです。
OBD車検の実施に先立って開始されているプレテストには多くの車検事業者が参加しており、全国でOBD車検の導入に向けた動きが見られていますが、全国の工場が全てOBD車検に対応となるわけではない可能性も十分にあります。現在所有している車や今後購入予定の車がOBD車検の対象車となっている場合、OBD車検の開始時期が近付いたら、余裕を持って車検業者を探しましょう。
車検が受けられる業者に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。車検業者ごとのメリット・デメリットや費用の違いなどをご紹介していますので、ぜひ併せてご確認ください。
関連記事:結局、車検はどこで受けるとお得?業者選びのポイントとは?
車検の予約をするなら楽天Car車検がおすすめ!
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この記事では、OBD車検について解説しました。現在、対象となる車を所有している人はまだまだ多くありませんが、将来的には多くの人が受けることになる検査なので、どんな検査なのかを把握しておきましょう。
もちろん、OBD車検に限らず車検は車の安全性確保や公害防止のために非常に重要なものです。車検を受けることは車の使用者の義務となっているので、受け忘れのないように注意してください。
しかし、車検は1回受けるだけでも数万円から十数万の出費になるため、費用面での負担を感じている方は多いのではないでしょうか?また、「1日で車検を終わらせたい」「車を持っていくのは面倒くさいので、引き取り納車を依頼したい」などの希望があっても、条件に合う業者を探すのは難しいと感じている人もいるでしょう。
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楽天Car車検
参考サイト
申請の手順(変更登録) - 自動車保有関係手続のワンストップサービス(参照日:2022-04-15)
https://www.oss.mlit.go.jp/portal/beginner/shinsei-nagare/shinsei/index.html?s=10
引越時の車のナンバープレートの交換が次回車検時まで猶予可能に!(参照日:2022-04-15)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001444947.pdf
氏名・住所・使用の本拠の位置等を変更した場合(参照日:2022-04-15)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/toroku/trk03.htm
住所変更(引越し)(参照日:2022-04-15)
https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/procedures_000037.html
軽自動車の住所変更の方法・やり方(参照日:2022-04-15)
https://kei.annai-center.com/juusyo/yarikata.php
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