2022-09-21
デントリペアを自分でする方法や必要な道具について解説
画像出典:photoAC
「デントリペアって自分でできるの?」と考えていませんか?
本記事では、自分で行うデントリペアの方法や、注意点について解説しています。車のへこみを正しく修理する方法について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
「車のへこみをできるだけ安く修理したい」「デントリペアなら修理に出さずにへこみが直せるって本当?」と疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
車にへこみを見つけた際、できるだけ修理費用を抑えようと、自宅で修理したいと考えている方も多いでしょう。へこみを自分で押して修理する「デントリペア」という方法なら、修理業者に依頼しなくても、自分でへこみを直せます。ただし、いろいろな注意点があるのを覚えておきましょう。
本記事では、デントリペアの仕組みと、自宅で行うデントリペアの方法について解説しています。デントリペアを行う際の注意点もご紹介しますので、車のへこみの修理方法について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
デントリペアとは?
引用:日本デントリペア・スクール|デントリペアとは?
デントリペアとは、「デントツール」と呼ばれる細い金属の棒を使用し、車にできたへこみを内側から押しつぶして元に戻す方法です。デントツールを入れるのは、車体の下側だったり、車のパーツとパーツのわずかな隙間だったり、さまざまな場所から挿入して、へこみの部分までデントツールを届かせます。
引用:楽天市場
また、へこみの内側にデントツールが入らない場合は、外側から引っ張ってへこみを元に戻す方法もあります。「デントリペアキット」という道具を利用し、テコの原理でへこみを元に戻します。
デントリペアはもともと、ヨーロッパの自動車メーカーで考案された自動車外板修理工法です。雹(ひょう)がよく降るヨーロッパでは、雹がぶつかる衝撃で凸凹になった雹害車(ひょうがいしゃ)を修理に出したら、修理費が高くついてしまうため、デントリペアという方法が編み出されました。
このようにデントリペアは、デントツールやデントリペアキットでへこみを押し戻すだけなので、板金や再塗装を施さなくていいメリットがあります。
本来、へこみを直す場合は、へこんだ部分のパーツを取り外し、へこみの後ろから板金用ハンマーで叩いて形を整えてくのが主流です。どうしても細かい凸凹ができるため、一度表面を削ってなだらかにした後、再塗装を行います。小さなへこみであっても費用と時間がかかる場合があり、思った以上に大きな出費になってしまうデメリットがあります。
デントリペアはへこみを押し戻すだけなので、車本来の塗装の色を残せる上に、時間短縮にもなるため、合理的な修理方法として注目を集めている技法です。
デントリペアはどこまで直せる?
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デントリペアという方法は、まだまだ一般的ではないため、どのように直すのか知らないという人も多いのではないでしょうか。まずデントリペアで修理できる範囲について解説します。
また、デントリペアで直せるへこみと、直せないへこみがあるので、修理方法を検討する際の参考にしてください。
デントリペアで修理できる範囲
デントリペアで修理ができる範囲は下記の通りです。
- 鉄板・アルミでできた部分
- 浅いへこみ
- へこみの直径が5cm程度
原則として、デントリペアで修理できるのは、鉄板やアルミでできた金属部分です。また、デントツールを車体の内側に挿入させる必要があるため、ボンネットやルーフのような隙間からデントツールが入る箇所のへこみは修理が可能です。
そして、へこみの状態によっても修理ができるか大きく変わってきます。基本的に、車の表面が伸びていない、浅いへこみはデントツールやデントリペアキットで押し戻すことでキレイに元通りになる可能性が高いです。へこみの直径が5cm程度まで対応できますが、へこみが深い・塗装が剥がれているような場合は、デントリペアだけでは元の状態に戻らない可能性が高いので注意が必要です。
デントリペアで修理できない範囲
デントリペアで修理ができない範囲は下記の通りです。
パンバーやフェンダーのような樹脂でできた部分は、金属部分と比較してへこみが戻りにくく、デントリペアによる修理は行えません。また、近年の車によく使用されるFRP(繊維強化プラスチック)や、カーボンファイバー素材の部分も、同様に難しいとされています。
また前述したように、塗装が剥がれている場合は、デントリペアで修理してもキレイに仕上がりません。へこみを押し出すことで塗装が余計に剥がれてしまうためです。そして、深いへこみはボディの金属が伸びている状態なので、デントツールで押し戻しただけでは凸凹になってしまいます。こういった状態のへこみは、板金や再塗装を依頼する方が適切と言えるでしょう。
自分でデントリペアをする方法
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時間と費用を節約できるデントリペアを、自分でやってみたいという方も多いのではないでしょうか。この章では、自分でデントリペアを行う際に必要な道具と、手順を解説します。道具はカーショップやネット通販で購入可能なので、へこみの状態に合わせて用意しましょう。
必要な道具
まず、デントリペアに必要な道具から解説します。道具は下記の通りです。
- デントツールまたはデントリペアキット
- 板金用ハンマー
デントツールを入れる隙間がある場合は、デントツールを選びましょう。反対に、デントツールを入れる隙間がない場合は、デントリペアキットがおすすめです。へこみがある箇所に応じて、どちらかの道具を選択してください。相場としては、デントツールが5,000~15,000円、デントリペアキットが2,000~8,000円程度です。
また、細かいへこみを内側から叩いて修正するために、板金用のハンマーも用意しましょう。板金用ハンマーとは、ハンマーで叩く部分の形状が左右で異なるタイプのハンマーを指します。片方は平らになっており、もう片方は先細った形をしていて、叩く箇所によって使い分けられるのが特徴です。ネット通販で1,000〜3,000円ほど、100円ショップで販売している樹脂製の板金用ハンマーでも代用可能です。
デントリペアの手順
次に、デントリペアの手順を解説します。デントツールを使用する方法と、デントリペアキットを使用する方法をそれぞれ分けて解説しますので、へこみがある箇所に合わせて選択しましょう。
デントツールを使用する方法
1.へこみの内側に到達するように、デントツールを差し込む
まず、デントツールをへこみの内側まで届くように差し込んでいきます。この際、車の内部にあるケーブルにキズをつけてしまうと故障の原因に繋がるため、差し込む際は注意が必要です。また、デントツールを差し込む隙間が狭い場合は、プラスチックのクサビを入れて隙間を作る方法もあります。
2.デントツールを少しづつ押し、へこみをつぶしていく
へこみの内側にデントツールが届いたら、ゆっくり押してへこみをつぶしていきます。この際、「の」の字を書くようにつぶすとキレイに仕上がります。あまり押しすぎると、へこみが押し出されすぎてデコボコになってしまうため、力加減に注意しましょう。
3.わずかに残った凹凸を板金ハンマーで叩いてなめらかにする
へこみが押し出されたら、わずかに残った凹凸を裏側から板金ハンマーで叩いていきます。デントツール同様、強く叩きすぎるとデコボコになってしまうので、やさしい力で細かく叩いていくのがポイントです。へこんでいた部分に光を当て、へこみが目立たなくなったら完了です。
デントリペアキットを使用する方法
1.へこみ部分にデントリペアキットをセットする
まず、デントリペアキットをへこんでいる部分にセットします。基本的にデントリペアキットは吸盤式のフックになっているので、吸盤内を真空状態にして貼りつけます。
2.デントリペアキットを引っ張り、へこみを引っ張り出す
へこみにデントリペアキットをセットできたら、へこんだ部分をゆっくり引っ張っていきます。ほとんどの商品はネジ式になっており、取っ手を回して徐々にへこみを引っ張っていく仕組みになっています。
ただ、ここで引っ張りすぎると車の表面がさらに伸びてしまい、へこみが表に引っ張られすぎてデコボコになります。また、吸盤が付いている塗装部分が一緒に剥がれてしまうリスクもあるため、慎重に行う必要があります。こちらも作業後にへこんでいた部分に光を当て、へこみが目立たなくなったら完了です。
デントリペアを自分でする注意点
画像出典:photoAC
デントリペアを自分で行う場合、費用が安く済む利点がありますが、注意点があることも覚えておきましょう。デントリペアを自分で行う際に知っておくべき注意点は下記の通りです。
- 完璧にキレイな状態にはならない
- 失敗して修理費用が高くなる可能性がある
まず、デントリペア経験のない素人が修理を行っても、完璧にキレイな状態には仕上がりません。「目立っていたへこみ」が「よく見ないと分からないへこみ」程度になると考えておきましょう。
また自力でデントリペアを行って、逆にデコボコになってしまった、塗装が剥がれてしまった、となると、修理費用が逆に高くつく可能性もあります。修理費用を安く抑えようと工夫したのに、当初より修理費用が高くなってしまっては元も子もありません。
加えて、へこみの状態が悪くなったり、塗装が剥がれて修理に出した車は、修理歴のある車になるため、売却する際に査定額が低くなる可能性もあります。買取相場の高い車に乗っている場合、自分でデントリぺアを行って買取価格が下がってしまうと、プロに修理の依頼を出しておけばよかったと後悔するかもしれません。
以上のことから、自分でデントリペアを行うのは、すべての人におすすめできる方法ではないことを頭に入れておきましょう。自分で行うデントリペアは、下記のような人におすすめです。
- もし車が損傷しても後悔しない人
- 車の買い替えを検討していて、修理に失敗しても問題ない人
- 車を高値で売却したいと考えていない人
上記以外の人は、プロの修理業者に修理依頼を出すのがおすすめです。プロなら、専用の工具と熟練の技術でへこみを直してキレイに整えてくれるでしょう。メリット・デメリットをしっかり押さえて検討するようにしてください。
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車のへこみをデントリペアという方法で修理する方法を解説しました。デントリペアに使用する道具は「デントツール」と「デントリペアキット」の2種類があります。へこみの内側から押せそうならデントツールを、デントツールを入れる隙間がない場合は、デントリペアキットを使用するのがおすすめです。
ただ自分でデントリペアを行うのは、費用を抑えられるというメリットに加えて、知っておかなければならない注意点があります。注意点は下記の2つです。
- 完璧にキレイな状態にはならない
- 失敗して修理費用が高くなる可能性がある
自分で修理を行っても、完璧にキレイな状態になることは少なく、逆に車体が損傷してしまう可能性があります。失敗して修理費用が高くついたり、売却時の査定額が下がってしまう可能性もあるため、リスクをしっかり頭に入れておきましょう。不安に感じる人や、完璧にキレイな状態に仕上げたい人は、なるべく修理業者に依頼して、プロに修理してもらうのがおすすめです。
ただ、自分でへこみの範囲や、塗装の剥がれ具合を見て修理業者を選ぶのは難しいものです。無駄に高額な修理費用を払わないためにも、修理業者の比較サイトを使うという方法も便利です。
『楽天Carキズ修理』は、簡単な車の傷やへこみを修理してくれる業者を比較・予約できるポータルサイトです。
お近くの修理業者を一括で探せる上に、修理箇所の写真を送信するだけで見積もりも送ってもらえるので、家から出ずに見積もり業者を決められます。
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車の傷やへこみを直したい方は、『楽天Carキズ修理』でお近くの業者を比べてみてくださいね。
参考サイト
(株)トラストデント|デントリペアとは?(参照日:2022−06−28)
https://www.dentremoval.jp/about/what.html
トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO|板金しなくても凹みが直る! デントリペアとは?(参照日:2022−06−28)
https://gazoo.com/column/daily/16/06/01/
hekomi119|デントリペアの方法を使用工具と事例でご紹介しています(参照日:2022−06−28)
https://www.hekomi119.net/repair
よくあるご質問|デントリペア(へこみ修理)のQ&A(参照日:2022−06−28)
https://www.tdg-okayama.com/tdg-faq.html
デントリペア専門店DR-Garage Okano|デントリペアとは(参照日:2022−06−28)
https://dr-garage.com/dentrepair/
デントリペア専門店|デントリペアとは(参照日:2022−06−28)
https://art-force.jp/about
ヤマハ発動機|FRPとは(FRP素材の特性)(参照日:2022−06−28)
https://www.yamaha-motor.co.jp/frp/features/
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