2022-05-30
洗車機で洗車をすると傷だらけになる?コーティングした車も洗車機は避けるべき
画像出典:photoAC
「洗車機で洗車すると傷がつく」という噂を耳にしたことがある方は多いでしょう。この記事では、洗車機で洗車すると本当に傷がついてしまうのか、傷ができる理由から防止策まで詳しく解説します。
「洗車機を使ってみたいけど、傷がつくと聞くし心配で踏み出せない」「洗車で愛車に傷をつけたくない」とお悩みではありませんか?ひと昔前は「洗車傷」という言葉が使われるほど、洗車機で洗車すると傷がつくのは当たり前のことでした。現在は、洗車機の性能が上がり、昔のように洗車傷に悩まされることは少なくなっていますが、状況によっては傷がつくこともあります。
この記事では、洗車機で洗車すると本当に傷がつくのか、詳しく解説します。洗車機による洗車で傷がついてしまう理由から、傷を防ぐための対策、コーティング施工車の洗車機利用の是非まで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
洗車機で洗車すると傷がついてしまう可能性はある
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「洗車機で洗車すると車に傷がつく」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。「洗車傷」という言葉もあるように、ひと昔前は「洗車機で洗車すると必ず車に傷がつく」というのが通説となっていました。
洗車機はガソリンスタンドに併設されているため手軽に利用することができますが、「洗車機=傷がつく」という負のイメージから、今でも洗車機は使わずに洗車は手洗いで行うという方は多くいます。
しかし、現在設置されている洗車機は以前に比べて性能が高くなっており、塗装を傷つけるリスクは最小限に抑えられています。そのため、ひと昔前のように洗車傷に悩まされることはほとんどありません。
以前の洗車機では、硬いナイロンやプラスチックなどの化学繊維ブラシを使用するのが主流だったため、洗車機の回転方向に沿って線上の傷がつくことは日常茶飯事でした。
一方現在設置されている最新の洗車機は、かつての化学繊維ブラシに取って代わって以下を採用しているものがほとんどです。
これらのブラシは吸水性が高く、車の塗装よりも柔らかい素材でできているため、ブラシの摩擦によって車に傷がつくリスクは極めて低くなっています。また、最近登場したノンブラシタイプの洗車機では、回転ブラシを使わずに水の高圧噴射のみで車の汚れを落とすことができます。
頑固な汚れは落とすことができませんが、ブラシが直接車体に触れることがないため、コーティングを施した車でも安心して利用できます。特にボディーコーティングを施したミニバン車はブラシ洗車機を利用できないため、労力削減の観点からもノンブラシ洗車機の利用は合理的といえるでしょう。
このように、最近の洗車機は従来洗車傷の原因となっていたブラシを改良することで、洗車工程で傷がつくリスクを最小限に抑えることに成功しています。ただ、稀に最新の洗車機をもってしても洗車傷がついてしまうことがあるのも事実です。
次項では、洗車機で傷がついてしまう理由について詳しく解説します。
洗車機を使うと傷ができてしまう理由
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洗車機による洗車で傷ができてしまう原因はブラシにあると思われがちですが、実際の原因は別にあることがほとんどです。
本項では、洗車機による洗車で傷ができる理由について解説していきます。
ブラシの状態が悪い
車の塗装に傷をつけにくいウレタンやスポンジ製のブラシを用いた洗車機であっても、洗車傷ができてしまうことがあります。これは、洗車ブラシに前の車を洗車した際に付着した砂や泥、石などの汚れがついたままの状態で洗車したことが原因で起こります。
最近の洗車機は車が終わった後にブラシを空回りさせて洗車作業で付着した汚れを振り落とす自動洗浄機能が備わっているものが主流ですが、車の汚れが著しくひどい場合にはこの洗浄機能では落としきることができません。
特に、固まった土や泥汚れを洗車機で完全に落としきることは難しいのが実情です。前の車の洗車中に巻き込んだ汚れが付着したままのブラシで洗車を行うと、強制的に汚れごと車体を強くこすり洗いすることになり、場合によっては大量の擦り傷を作ってしまうこともあります。
これは手洗い洗車でも同様で、ブラシやスポンジに汚れがついているとそれが研磨剤のような役割を果たして、塗装表面に線状の擦り傷を作ります。
車体に砂や土などがついている
車体にあらかじめ砂や土、泥などの汚れがついたままの状態で洗車を行ったがために、洗車傷を作ってしまったというのが、最も多く見られる事例です。細かい砂や土などの汚れがついた状態で洗車機を使用すると、ブラシが汚れている場合と同様に汚れごと強くこすり洗いしてしまうため、やすりで研磨したような擦り傷がつきます。
洗車傷の原因のほとんどは、ブラシではなく事前の水洗いが不十分なことにあります。車は、走行中にどうしても砂や土などの汚れが付着するものです。雨や風で泥が付着したり、空気中に浮遊するホコリやゴミが車体に付着したりすることもあります。また海の近くを通れば、潮風に吹かれ塩分が車体に付着します。
土や泥などは明らかに汚れと認識できますが、ホコリや塩分、黄砂、花粉、火山灰などは粒子が細かく目に見えません。一見きれいなように見えても、実際には目に見えない微粒子が車体を覆うように大量に付着していることも十分に考えられます。これらの汚れを十分に落とさないまま洗車機にかけてしまうことが、洗車傷の原因の大半を占めているのです。
多少の汚れであれば洗車前の水洗いで落とすことができますが、汚れがひどい場合には水洗いでは落としきることができません。土が固まっている、泥がこびりついているなど汚れの程度がひどい場合には、洗車機を利用する前に高圧洗浄機やスポンジなどである程度汚れを落としておいたほうがよいでしょう。
洗車機による傷を防ぐためには?
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洗車機による傷を防ぐためには、以下の対策を行うのがおすすめです。
- 柔らかい素材のブラシを使用している洗車機を選ぶ
- 予洗いを行う
前述した通り、洗車機による傷の主な原因は、「ブラシ」と「車体に付着した汚れ」の2つです。ブラシの素材が硬いと車体に傷をつけるリスクが高くなるため、事前に洗車機の仕様を調べておきましょう。
最近の洗車機には、主に以下の4つのタイプがあります。
【洗車機の種類】
洗車機の種類 |
洗車機の種類 |
傷つきのリスク |
フルサービス式 |
別名「全自動洗車機」とも呼ばれる、メニューが多彩なハイエンド洗車機。シャンプー洗車、ガラスコーティングなどもできる。ブラシの数が多く、水や乾かすためのエアーノズルが各方向に取り付けられている。店員が予洗いを行ってくれる。 |
低い |
セルフ式 |
ガソリンスタンドやコイン洗車場、手洗い洗車場にある洗車機。洗車機の所定の位置まで自分で車を移動させる必要がある。洗車作業は機械による自動式。 |
高い |
ドライブスルー式 |
洗車機の中で最も設置数が多い。車から降りることなく洗車できる。洗車にかかる時間は短いが、メニューが少ない。 |
高い |
ノンブラシ式 |
ブラシがなく、細かいノズルから水を噴射させる高圧洗浄で汚れを落とす。ブラシが届かない部分まで洗浄できる。ただ洗浄力はそれほど高くないので、もともと汚れがつきにくいコーティング施工車などにおすすめ。 |
非常に低い |
現在設置されている洗車機は柔らかい素材のブラシを使用しているものが主流となっているとなっているため、どの種類の洗車機を選んでもブラシによって傷がつくリスクはそれほど変わらないと考えられます。
ただ、洗車機の中で最も人気が高いドライブスルー式洗車機を利用する場合には、注意が必要です。洗車回数が多いぶんブラシに汚れが巻き込まれるリスクが高いため、前の車の汚れがブラシに付着していないか、念入りに確認したほうがよいでしょう。
また、洗車前には、予洗いを行うことが大切です。洗車傷の原因のほとんどは、車体についた汚れを巻き込んだ状態で洗車してしまうことにあります。洗車前の水洗いを徹底するだけでも、車体が受ける負担は相当少なくなるでしょう。
予洗いは基本的には水洗いで問題ありませんが、汚れがひどい場合には例外です。
土が固まっていたり泥がこびりついていたりするような汚れは、水洗いだけでは落としきることができません。このようなひどい汚れには、高圧洗浄機を使用するのがおすすめです。高圧洗浄であれば、水洗いでは落とせない細かな部分の汚れまで落とすことができます。洗車傷を防ぐ効果も非常に高く、手洗い洗車時にも使用できるため、持っておくと非常に便利です。
手洗い洗車と洗車機どちらが傷つきにくい?
「洗車機は傷がつくのが怖いから、自分で手洗い洗車している」という方は多いと思います。たしかにしっかりと道具を揃えて適切な工程で行うことができれば、手洗いのほうが傷がつくリスクは低いでしょう。ただし、手洗い洗車も間違った方法で行えば、多くの擦り傷を作り出してしまう可能性があります。
手洗い洗車をきれいに仕上げるためには、道具や天候、環境、洗う順番などに注意を払わなければいけません。しかし、すべての要素を満たしたうえで洗車に臨むことは至難の業です。そのため、「手洗い洗車したのに洗車機以上に傷がついてしまった」という事例はよく見られます。
一方近年は洗車機の進化が目覚ましく、性能が非常に高くなっています。ブラシの素材や機械の自動自己洗浄機能などは年々改良されているため、傷がつくリスクは低いと考えてよいでしょう。したがって傷のつきにくさにおいては、手洗い洗車よりも洗車機のほうが優れているといえます。
手洗い洗車は間違った方法で行うと、傷つきの原因となります。「自分自身でやるにはちょっと難しい…」という方は、手洗い洗車を行ってくれる業者を利用するのもひとつの手でしょう。
手洗い洗車のやり方やコツ、注意点について、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:これで完璧!手洗い洗車のやり方・コツ・注意点を徹底解説!
うっかり洗車傷を付けてしまったら
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どれだけ注意を払っていても、洗車機で傷がついてしまうことはあります。洗車傷はほとんどが目に見えない微細な傷であるため、それほど心配する必要はないでしょう。万が一洗車傷がついた場合には、コンパウンドで磨くのがおすすめです。
コンパウンドとは、車の塗装用研磨剤のことを指します。コンパウンドには研磨粒子が含まれており、傷ついた塗装面を粒子が転がることで表面を少しずつ研磨していきます。粒子が細かいものほど、塗装表面が鏡面のような仕上がりになります。
コンパウンドの使い方は、以下の通りです。
- マスキングテープなどで作業範囲をマーキングする
- 摩擦熱で塗装面を傷めないよう、スポンジに水を含ませて絞る
- スポンジにコンパウンドをつけて傷の周辺に塗布する
- 傷を磨く(縦横方向にまっすぐスポンジを動かす)
- 布でコンパウンドを拭き取る
コンパウンドで消すことができる傷は、「水で濡らすと見えなくなる」程度の浅い傷です。爪にひっかかるほどの深さがある傷は消すことができません。コンパウンドで対応できない傷がついてしまった場合には、塗装を請け負っている専門業者に依頼して修理してもらいましょう。
コンパウンドにはチューブタイプや液体タイプがあり、商品ごとに粒子の細かさを示す数値が表記されています。数値が大きいほど粒子が細かく、小さいほど粗くなります。基本は、粒子の粗いもの⇒粒子の細かいものの順番で使用し、傷が消えて艶が出るまで磨き上げるのが一般的です。
コーティングした車は洗車機を利用してもOK?
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「コーティングした車は洗車機で洗ってはいけない」という意見を耳にしたことがある方もいるかと思いますが、実際はどうなのでしょうか。
コーティングした車であっても、以下の条件を満たす場合には洗車機の利用が可能です。
「洗車機の水圧やブラシの摩擦でコーティングが剥がれてしまうのでは?」と思いがちですが、コーティングが完全に硬化している状態であれば問題はありません。
ただし、これはガラス系、ガラスコーティングに限ってのことです。ガラス系、ガラスコーティングは分子結合によって形成された強靭な被膜で塗装面を保護するため、洗車によって水や薬品、熱などの刺激を受けてもコーティングの効果が大きく損なわれることはありません。
しかしワックス系コーティングの場合、被膜の強度が弱く洗車によってコーティングが簡単にはがれ落ちてしまいます。ワックスコーティングを施している車の洗車は洗車機ではなく、手洗いで行いましょう。
また、コーティングが未硬化の状態にある車もワックス同様コーティングがはがれる恐れがあるため、洗車機の利用は控えるのがおすすめです。
洗車機は時短で車をきれいにできる便利サービスですが、汚れがひどかったり複雑な形状のパーツにはブラシが届かなかったりするため、「思ったほどきれいにならない」と感じる方も少なくないでしょう。
次項では、洗車機以外の方法も交えながら車をきれいに保つ方法について解説します。
愛車の綺麗を保つなら洗車機に頼りすぎないよう注意
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最近の洗車機はブラシが改良され、従来の洗車機に比べると格段に傷がつくリスクは軽減されています。しかし前に洗車した車の汚れがブラシに付着していたり、車体に汚れが付着していたりすると、どうしても傷はついてしまうものです。
いくら洗車機が便利だからといって、すべてを洗車機で済ませるのは避けましょう。汚れの程度やコーティングの有無などによっては、洗車機よりも手洗い洗車のほうが適している場合も往々にしてあります。
洗車機による洗車は、多少ではあるものの車体にダメージを与える行為です。コーティングした車を頻繁に洗車機で洗車することは、コーティングの劣化を早めてしまうリスクを高めます。そのため、特にコーティング車についてはその効果を持続させるためにも手洗い洗車を組み合わせることが必須です。
最後に、洗車機と手洗い洗車のメリット、デメリットを紹介します。
【洗車機、手洗い洗車のメリットデメリット】
|
メリット |
デメリット |
洗車機 |
・短時間で洗車できる(最短5分ほど) ・安い(300円~できる)
|
・細かい部分までは洗えない ・汚れがひどいと完全に落としきれない |
手洗い洗車 |
・洗車傷が付きにくい ・仕上がりがきれい (専門業者に依頼した場合) |
・時間がかかる ・自分で洗車する場合、きれいに仕上げるのが難しい |
洗車機による洗車は時短で手軽な反面、車体に与えるダメージは手洗い洗車に比べると大きいのが事実です。車を長くきれいな状態で保ちたい方は、手洗い洗車を組み合わせて洗車機の利用はほどほどにしましょう。
洗車の時間を取れない場合には、手洗い洗車を請け負っている専門業者を利用するのもひとつの手です。段違いの仕上がりが期待できるため、車にこだわりのある方は一度利用を検討してみることをおすすめします。
また「それほど洗車に時間をかけられない」「手間がかかるのはちょっと…」という方は、車のコーティングが最適です。コーティングすると汚れがつきにくくなるため、洗車の頻度を減らすことができます。耐久性の高いガラス系、ガラスコーティングであれば、3〜5年程度効果が持続するため、長期的に費用と労力を削減できるでしょう。
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この記事では、洗車機によって生じる洗車傷について解説しました。
最近の洗車機は改良が進み、昔のものに比べて格段に性能が高くなっています。以前のように大量の擦り傷がつくようなことはほとんどなく、安心して利用できるでしょう。
ただ、洗車機を頻繁に利用すると塗装面やコーティングの劣化スピードを早める恐れがあり、注意が必要です。長期的に見ると手洗い洗車のほうが車体に与えるダメージは少ないため、洗車は洗車機と手洗い洗車をうまく組み合わせて行いましょう。
手洗い洗車は、道具や工程、環境などの条件が揃わなければきれいな仕上がりにはなりません。より車をきれいな状態で保ちたいなら、プロに手洗い洗車を依頼するとよいでしょう。
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参考サイト
【洗車機メーカーに突撃取材!!】今クルマを洗うには「洗車機が一番!」の理由とは?(参照日:2022-4-19)
https://bestcarweb.jp/news/71923?prd=4
ノンブラシ洗車機はコーティング車でも安心?メリット・デメリットを解説(参照日:2022-4-19)
https://car-moby.jp/article/car-life/useful-information/non-brush-car-wash-machine-merit-and-demerit/#i-6
「洗車機は傷つく」噂の真相は?手洗い洗車との比較(参照日:2022-4-19)
https://cobby.jp/carwashmachine-scratch.html
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