2021-10-14
スタッドレスタイヤを夏でも使い続けるのはなぜダメなのか?6つの理由を解説
「スタッドレスタイヤを夏にも使用できたら便利なのに」と考えていませんか?実は、スタッドレスタイヤを夏に使うと安全性やコストなどさまざまな面でデメリットがあります。タイヤの特徴を正しく理解して、適切な使用を心がけましょう。
スタッドレスタイヤを夏に使うべきでない理由をご存知ですか?「交換が面倒くさいから夏でもスタッドレスタイヤを使いたい」「雪道で夏タイヤは危険だけど、夏にスタッドレスタイヤを使うのは大丈夫なのでは?」と考えている人もいるかもしれませんが、夏にスタッドレスタイヤを使用することはデメリットが多いです。
そこで本記事では、スタッドレスタイヤを夏に使用することについて詳しく解説します。タイヤの特徴をきちんと理解して、季節などの条件に合ったタイヤを選びましょう。また、最後にはお得にタイヤ交換をする方法も併せてお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
夏にスタッドレスタイヤを使用するのは違反?
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夏にスタッドレスタイヤを使用することは法律違反にはなりません。スタッドレスタイヤを使用する時期が法律で定められているわけではないので、法律上はいつスタッドレスタイヤを使っても問題ないのです。
また、車検でもスタッドレスタイヤに関する検査項目はなく、夏にスタッドレスタイヤを着用している状態でも車検には通ります。
ただし、法律や車検上の問題がないとはいえ、夏場のスタッドレスタイヤの使用は決して推奨できるものではありません。次の項ではスタッドレスタイヤを夏に使用することのデメリットをご紹介しますので、違法でないからといって通年で使用することは避けるようにしましょう。
スタッドレスタイヤを夏に使い続けるべきではない6つの理由
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スタッドレスタイヤを夏に使うべきでない理由は6つあります。
- 寿命が短くなる
- 雨の日は滑りやすくなる
- 燃費が悪くなる
- 炎天下時はバーストしやすくなる
- 走行時のノイズが大きくなる
- ブレーキが効きにくくなる
ここでは、それぞれの理由を詳しく解説していきます。反対に、スタッドレスタイヤを夏に使うメリットは1つもないと言って過言ではありませんので、きちんとタイヤを使い分けるようにしましょう。
1.寿命が短くなる
スタッドレスタイヤは夏タイヤよりも柔らかいゴムでできており、この柔らかさによって雪道や凍結路でも高いグリップ力を保っています。しかし、柔らかいゴムでできたタイヤは、摩耗しやすく寿命が短いというのが特徴です。
例えば、消しゴムでも柔らかいものは、固い消しゴムに比べてすぐに削れていってしまいますよね。このように、そもそもゴムが柔らかくて摩耗しやすく寿命が短いスタッドレスタイヤは、冬だけでなく1年を通して使用することでより早く寿命に達してしまうことは言うまでもありません。
それどころか、高温になった夏の路面や紫外線との相性も悪いため、より劣化が進んでしまいます。スタッドレスタイヤは夏タイヤよりも高額なので、コスト面で見ても暖かい季節になったら夏タイヤに交換するべきです。
2.雨の日は滑りやすくなる
「スタッドレスタイヤは雪に強いのだから、雨にも強いのでは?」と思っている人は多いでしょう。しかし、これは大きな誤りであり、スタッドレスタイヤは雨に強いタイヤではありません。
まず、雨の日など濡れた路面で起きやすい現象にハイドロプレーニング現象があります。ハイドロプレーニング現象とは、タイヤ表面と路面の間に水の膜が発生することで車が浮き、タイヤの制御ができなくなる現象です。
スタッドレスタイヤは積雪や凍結のある路面でも安全に走行できるようゴムが柔らかいと述べました。この柔らかさによって、スタッドレスタイヤは吸水性が高く、水を含みやすいという特徴があります。
さらに、タイヤに溝があることはご存知でしょう。この溝は水の溜まった路面を走行するときに排水するためのもので、これによってハイドロプレーニング現象を防止します。しかし、繰り返すようにスタッドレスタイヤは柔らかいゴムでできているため、細かく掘られた溝は水圧に負けて変形し、排水力が弱くなってしまうのです。
水を含みやすく排水しにくいという2つの特徴から、スタッドレスタイヤはハイドロプレーニング現象を起こしやすく、雨との相性が非常に悪いということに注意しましょう。
3.燃費が悪くなる
先ほど、スタッドレスタイヤは夏タイヤよりも柔らかいゴムでできていると述べました。この特徴は、タイヤの寿命だけでなく燃費にも影響しています。
スタッドレスタイヤはゴムが柔らかいことで、夏タイヤよりも路面と接する面積が大きいです。この特徴は雪道での走行性を上げるために重要ですが、抵抗が大きくなることで夏タイヤよりも大きなエネルギーを必要とします。大きなエネルギーが必要になるということは、燃費性能が悪くなるということです。
スタッドレスタイヤは夏タイヤと比較して燃費性能が約10%劣るとも言われており、環境面でも費用面でもスタッドレスタイヤの欠点となっています。
4.炎天下時はバーストしやすくなる
柔らかく柔軟性の高いスタッドレスタイヤですが、夏の高温環境ではさらに柔らかさが増してしまいます。特に、アスファルト舗装された路面は高温になりやすく、道路に座ったり触ったりして熱さに驚いたことがある人は多いのではないでしょうか?
この路面の熱がタイヤに直接伝わり、もともと柔軟性のあったゴムはより変形しやすくなります。大きな変形はタイヤに大きな負担をかけており、走行中にバーストを起こしてしまう危険が高くなるのです。
中でも負担がかかりやすい高速道路での走行や、タイヤに傷があるなどの条件が重なると、バーストの可能性はさらに高まるでしょう。
パンクに比べて発生頻度の少ないバーストですが、実際に起こると車のコントロールが効かなくなって、周囲の車も巻き込む大事故となることもあります。危険性が非常に高いため、特に炎天下でのスタッドレスタイヤの使用は避けるようにすべきです。
5.走行時のノイズが大きくなる
近年、静粛性の高い車が多く販売されていますが、車の走行音は少なからず聞こえます。走行時の音にはいろいろなパターンがありますが、タイヤからのノイズを発生させる原因の1つはタイヤの溝です。
タイヤには縦横に多くの溝があり、道路に接していると路面と溝の間に管状の空間ができます。この管を空気が通ると、管楽器の音が鳴るような原理で「シャーシャー」「ヒューヒュー」といったノイズが発生してしまうのです。
スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べて溝が深く、さらに細かい切り込みも多数作られているため、夏タイヤ以上にノイズがしやすくなっています。
6.ブレーキが効きにくくなる
「スタッドレスタイヤはグリップ力に優れているのだから、夏の路面でも止まりやすさに問題はないだろう」と考えるかもしれませんが、これは大きな間違いです。スタッドレスタイヤは積雪路や凍結路で最も優れた性能が発揮できるように設計されており、夏の路面でも同様の結果となるわけではありません。
むしろ乾燥した道路では、スタッドレスタイヤの方が夏タイヤよりも制動距離が長くなる傾向があります。スタッドレスタイヤはあくまでも冬季に使用することを想定されているため、温暖な季節になるとタイヤの性能を発揮できないと認識しておきましょう。
年間通して使いたいならオールシーズンタイヤがおすすめ
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夏にスタッドレスタイヤを使用すべきでないことはおわかりいただけたかと思いますが、「タイヤ交換は面倒くさいしお金がかかるから、年間を通して同じタイヤを使う方法はないの?」と考える人もいるでしょう。
1年を通して同じタイヤを使用したい場合、オールシーズンタイヤを使うという方法があります。オールシーズンタイヤは名前の通り、どの季節にも使うことができるタイヤのことです。もともと海外で多く製造されていましたが、その便利さから近年では日本国内でも注目を集めています。
ここでは、オールシーズンタイヤのメリットと使用上の注意点を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
オールシーズンタイヤのメリット
オールシーズンタイヤは、簡単に言うとスタッドレスタイヤと夏タイヤの特徴をバランスよく両立させているタイヤです。
特殊なコンパウンド素材を使用し、多少の雪や冷たい路面でも柔軟性を保ちながら、スタッドレスタイヤよりは固いゴム材で夏でも走行できるようにしています。また、排水性を高める溝の模様で、乾いた路面だけでなく雨で濡れた道も得意とするオールマイティーなタイヤです。
冬はスタッドレスタイヤ、それ以外の季節は夏タイヤと2種類のタイヤを使い分けなくて良いため、次のようなメリットがあります。
- タイヤ交換の手間がかからない
- タイヤの保管場所を確保する必要がない
- タイヤ交換の費用を節約できる
- タイヤを2セット(夏用、冬用)購入するよりも安い
ただし、これはあくまでもあまり雪が降らない地域限定でのことです。オールシーズンタイヤにも苦手なことがあるので、注意して使用する必要があります。オールシーズンタイヤの注意点は次の項で解説しますので、特徴をきちんと把握した上で使用するようにしてください。
オールシーズンタイヤの注意点
オールシーズンタイヤは年間を通して使うことができるタイヤだと解説しましたが、雪が積もっていたり、凍っていたりする路面でのグリップ力はスタッドレスタイヤに劣ります。積雪路、凍結路におけるオールシーズンタイヤのグリップ力は、あくまでも夏タイヤより優れているのであって、スタッドレスタイヤと同じレベルではありません。
1~2mm程度のわずかな積雪であれば走行可能とされていますが、それ以上の深い雪道や凍結路では危険度が高まります。特に凍結路は雪道以上に滑るので、オールシーズンタイヤではスリップしてしまう可能性が高く、使用できません。
また、チェーン規制(対象の区間チェーンを装着していないと通行できない規制)が発令されているときは、オールシーズンタイヤでも走行は不可になります。
オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤと同じ性能があるわけではないと理解し、さまざまな状況を考慮して使用するか考えてください。具体的には、住んでいる地域の降雪頻度や道路の凍結しやすさを考慮すると良いでしょう。
まず、冬は雪が多く、頻繁に雪が積もるような寒冷な地域に住んでいる場合は、迷わずスタッドレスタイヤを使用すべきです。反対に、年に数回わずかに雪が降るか降らないかというような地域はオールシーズンタイヤとの相性が良いと言えます。
オールシーズンタイヤは「夏にも使えるスタッドレスタイヤ」ではなく、あくまでも「多少の雪道なら走行でき、冬以外でも使えるタイヤ」というイメージで考えるようにしましょう。
タイヤを購入するなら楽天Carタイヤ交換がおすすめ
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この記事では、夏にスタッドレスタイヤを使用することについて解説しました。決して違法ではありませんが、経済的にも安全面でもデメリットが大きいので、スタッドレスタイヤは降雪や道路の凍結がある冬季の使用に限定しましょう。しかし、「タイヤ交換は面倒くさいし、お金もかかるからあまり行いたくない…」と感じている人も多いのではないでしょうか。
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ぜひ一度、楽天Carタイヤ交換をチェックして、お近くの店舗を探してみてくださいね。
楽天Carタイヤ交換
参考サイト
[Q]「オールシーズンタイヤ」って、どんなタイヤですか?(参照日:2021-09-15)
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-construction/subcategory-supplies/faq090
スタッドレスタイヤを夏に使用するのはNG?様々な問題点を紹介!安全面や燃費にはどんな影響が出る?(参照日:2021-09-15)
https://fordrivers.jp/tire/020010/
スタッドレスタイヤなんでもQ&A(参照日:2021-09-15)
https://tire.bridgestone.co.jp/blizzak/swd/qa.html
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