2023-05-23
車を擦ったら警察を呼ばないといけないの?
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車を擦ってしまった!警察を呼ばなかったらどうなるの?車に軽微な擦り傷がついた場合、警察へ連絡すべきか判断に迷う人も多いでしょう。本記事では、車を擦った際に警察呼ぶべきかどうか?を状況別に解説しているので参考にしてください。
走行中、相手方の車とぶつかったり、障害物にぶつけてしまった経験はありませんか?
周囲にケガ人もいないし、車の被害も擦り傷程度という場合は、警察を呼ぶべきか判断に迷うかもしれません。しかし状況によっては、警察への連絡を怠ったことで、後から当て逃げ・ひき逃げに問われる可能性もあります。そのため、どのような場合に警察を呼ぶべきか、しっかり押さえておきましょう。
そこで本記事では、車をぶつけた状況別に、警察へ通報する必要性を解説します。警察を呼ばなかった場合にどのようなことが起こるのかについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
警察を呼ばなければいけないのはどんな時?
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「車を擦ったくらいで警察を呼ぶ必要あるの?」と考える人も多いでしょう。まずは、どのような場合に警察を呼ばなければいけないのか解説します。
警察への通報が必要な場合 |
- 人身事故
- 物損事故
- 任意保険を使って補償をする場合
→いずれかの条件が1つでも当てはまれば警察への通報は必要。 |
大前提として、車を擦ったことによって周囲に被害が出ている場合は必ず警察への通報が必要です。
人への被害が出ている場合は「人身事故」、物に被害が出ている場合は「物損事故」と呼び、人身事故・物損事故どちらも交通事故に該当します(道路交通法72条)。交通事故は被害の程度に関わらず警察へ通報する義務が生じるため、必ず警察へ通報しなくてはいけません。
警察への通報は加害者・被害者どちらがしても構わないので、事態解決のためになるべく早く連絡を入れましょう。
警察への通報は必要ない場合 |
- ごく狭い私有地での軽微な事故
- 任意保険を使って補償をしない場合
→両方の条件が当てはまる場合のみ警察への通報は必要なし。 |
例外的に警察を呼ばなくていい例として、ごく狭い私有地での事故と、任意保険を使った補償を行わない条件が重なった場合が挙げられます。
場所にもよりますが、不特定多数の人が立ち入れないごく狭い私道は、ほとんどの場合で道路とみなされず道路交通法が適用されません。そして、そのような状況で周囲への被害もなく軽微な擦り傷がつき、任意保険での補償を必要としない場合は、警察への通報を必要としません。
ただし、このような事例はごく限られた状況の場合のみに適用されます。判断が難しい場合は警察を呼ぶようにしましょう。
車を擦ったのに警察を呼ばないとどうなる?
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もし仮に、車を擦ったのに警察を呼ばなかったらどうなるのでしょうか?警察を呼ばないことで起こること3つを見ていきましょう。
ひき逃げ・当て逃げで罰せられることがある
車を擦ったことで人身事故や物損事故が発生したにもかかわらず、警察へ通報せずその場を後にした場合、道路交通法違反扱いになり、ひき逃げ・当て逃げの罪に問われる可能性があります。
まずひき逃げとは、人身事故を起こした人が救護措置をとらずに現場から逃亡することを指します。ひき逃げの罰則は下記の通りです。
【ひき逃げの罰則】
過失運転致死傷罪 |
15年以下の懲役 |
危険運転致傷罪 |
〈負傷の場合〉 準酩酊等運転と病気運転:18年以下の懲役 上記以外:22年6か月以下の懲役
〈死亡の場合〉 準酩酊等運転と病気運転:22年6か月以下の懲役 上記以外:30年以下の懲役
|
点数加算 |
35点 |
その他 |
被害者への金銭的な賠償・免許取り消し |
ひき逃げ行為は、被害者がいるにも関わらず救護を行わずその場を後にしていることから、かなり重い罪に問われることを覚えておきましょう。
次に当て逃げとは、物損事故を起こした人がその場から逃走することを指します。当て逃げの罰則はこちらです。
【当て逃げの罰則】
危険防止措置義務違反 |
1年以下の懲役または10万円以下の罰金 |
点数加算 |
7点 |
その他 |
物損の弁償・免許取り消し |
車を軽く擦ってしまうような物損事故の場合、「通報しなくてもバレない」と思いがちです。ただ被害を受けた物の持ち主からの通報や、監視カメラからの情報によってバレてしまうことがほとんどです。物損事故を起こしたその場で警察に通報すれば罪に問われることはなく、物損の弁償のみで済むため、速やかに警察へ通報するようにしましょう。
保険金の請求ができない
基本的に任意保険では、自分のケガや自動車への補償に加え、被害を与えた相手や相手の車に対しても補償が適用されるのが特徴です。
ただし、警察へ通報せずにその場を後にしてしまうと、交通事故証明書が発行されず事故が起きた事実を証明できないため、任意保険の保険金が請求できなくなります。
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例えば、対向車と軽くぶつかってしまったがお互いに被害が無かったので通報は行わなかった場合。ぶつかった直後は何もなかったものの、数日後にムチ打ちの症状が出てきたので治療費を負担してほしい…と言われると、事故証明がないため任意保険を使った補償が適用されません。
万が一のことを考えて、自分と相手の双方にケガがなかったとしても事故証明はもらっておくのが得策でしょう。
交通事故証明書に記載される事項は下記の通りです。
・剥がれているクリア層を剥がしていく ・新しいクリア層を塗布する ・仕上げ ・交通事故の類型(人対車両、車両相互、車両単独など)
|
交通事故証明書には事故が起こった状況の情報のみが記載され、客観的事実のみに基づいて作成されます。交通事故証明書が発行されたからと言って、事故を起こした当事者が不利益をこうむることはないので、安心してください。
損害賠償金などの請求ができない
車をぶつけられ擦り傷がつき、被害者側になったパターンでも、必ず警察へ通報しましょう。自分の体や車に被害をこうむったことで相手へ損害賠償金の請求を行う場合も、交通事故証明書が必要になるためです。
警察へ通報せずに事故証明を発行しないままでいると、事故があったことを証明するものが無くなり、十分な損害賠償金を請求できません。後日事故が起きたことを証明するには、目撃者がいる・防犯カメラの映像があるなど明らかな証拠がない限り難しいため、事故が起きたらその場で警察へ通報しましょう。
判断に迷うパターンの対処方法
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事故が起きても、警察に通報するか判断に迷うパターンも実は多いもの。よく起こりがちな判断に迷うシーン別に対処方法を見ていきましょう。
親族同士の事故の場合
車2台で移動中に追突事故が起きた、駐車場で家族の車にぶつけてしまったなど、親族同士の間で事故が起こった場合、今後の付き合いがネックとなり、警察へ通報するのは気が引けると感じる人も多いのではないでしょうか。
家族同士の交通事故の場合、基本的に任意保険や自賠責保険の補償対象外となり、利用できないケースがほとんどです。例外として、任意保険の人身傷害保険に入っている場合、自分や同乗者に対して保険金が支払われるため、契約内容にもよりますが家族への補償が適用される場合があります。
そして、人身傷害保険に加入していても、警察に通報せずに事故証明をもらわないことには保険金を受け取ることができません。親族同士だからといって家族間で解決しようとせず、補償を受けるチャンスを逃さないためにも、警察への通報は必要です。
相手が示談を持ちかけて来た場合
車をぶつけられてもケガや被害がほとんどなく、お互いの車を少し擦っている程度‥という場合に相手方から「警察ごとにせず、このまま示談にしませんか?」と示談話を持ちかけられることがあります。
しかし、当事者同士で示談交渉してしまうと、正しい状況判断ができずに不利益をこうむった示談を締結してしまう場合があります。示談交渉は必ず警察に通報して事故証明をもらった後に、お互いの保険会社を通して行うのが鉄則です。
また、当事者同士の示談交渉に応じない方がいいもうひとつの理由として、事故が発生したことが証明できなくなることが挙げられます。警察を挟んで事故があった事実を書面に残していないため、事故後に「示談金が支払われない」「後々でムチ打ちの症状が出てきて仕事にいけない」といった不測の事態に陥った時に、法的に対処するのが困難になります。
このように、事故現場において当事者同士だけでの示談交渉はデメリットの方が大きいことが分かります。被害の程度が軽かったとしても、まずは警察を呼ぶようにしましょう。
後日ぶつけてしまったことに気がついた場合
車に身に覚えのない擦り傷がついていた場合、「気付かないうちに当て逃げしてしまったのかもしれない」と不安になる人も多いのではないでしょうか。結論、正しい状況判断を下してもらうためにも、まずは警察へ通報するのが得策です。
もし仮に相手の車にぶつけていれば、損害を賠償する責任が出てきます。お互いの車に付着している塗料やドラレコの映像といった明らかな証拠が出てくると当て逃げとみなされてしまうため、少しでも思い当たる節があるのであれば早めに警察に通報しましょう。
そして警察に通報した結果、当て逃げとして認定されなくても、自損事故として交通事故証明書をもらうことが可能です。交通事故証明書を加入している保険会社に出すことで、保険会社がその状況に応じた対応方法や補償の有無を提示してくれるため、どのような状況でついた擦り傷なのか分からない場合でも、まずは警察の指示をあおぎましょう。
車の擦り傷を修理するなら楽天Carキズ修理
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車をぶつけてしまい周囲に被害が出ているなら、まずは警察を呼んで交通事故証明書を作成してもらいましょう。警察に通報することで、客観的事実に基づいた事故の状況が書面に残ります。事故が起きた事実が証明されるため、保険会社とのやりとりもスムーズです。
そして、車についた擦り傷は、なるべく早めに修理に出しましょう。見た目が悪いだけでなく傷から水分が侵入し、サビが発生する原因になりかねません。
修理業者を選ぶ際は、自分の予算に合った修理業者を選ぶためにも、修理業者の比較サイトを使うのがオススメです。
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参考サイト
三井住友海上|任意保険とは?基本の補償内容や特約、自賠責保険との違いを解説(参照日:2023-3-26)
https://www.ms-ins.com/labo/higoro/article/016.html
hoken-room|自賠責保険の他人性とは?交通事故で配偶者にケガをさせた場合を解説(参照日:2023-3-26)
https://hoken-room.jp/car/3707
リーガライフラボ|駐車場での事故は警察に届け出るべき?事故の対処法や過失割合についても解説(参照日:2023-3-26)
https://www.adire.jp/lega-life-lab/parking-accident-police396/
いまり法律事務所|駐車場内の事故に道路交通法は適用されるか(参照日:2023-3-26)
http://www.imari-law.com/columns/20200622/1048/
家族の車に衝突!対物保険は下りる? | 元示談担当者が教える交通事故の交渉術 (jiko-jidan.net)
元示談担当者が教える交通事故の交渉術 |家族の車に衝突!対物保険は下りる?(参照日:2023-3-26)
http://www.jiko-jidan.net/%e5%ae%b6%e6%97%8f%e3%81%ae%e8%bb%8a%e3%81%ab%e8%a1%9d%e7%aa%81%ef%bc%81%e5%af%be%e7%89%a9%e4%bf%9d%e9%99%ba%e3%81%af%e4%b8%8b%e3%82%8a%e3%82%8b%ef%bc%9f/
弁護士法人みずき|交通事故の報告を後日警察に届け出るとどうなる?そのリスクについて解説(参照日:2023-3-26)
https://www.mizukilaw.com/personal/traffic-accident/report-police/#:~:text=%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E3%82%92%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%81%9A%E3%81%AB%E3%81%9D,%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
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