2023-02-19
車のバンパーの傷を放っておくとどうなる?修理の手順を徹底解説
画像出典:photoAC
「車のバンパーの傷を放っておくとどうなる?」と疑問に感じていませんか?
バンパーは、やわらかい樹脂でできていることが多く、衝撃によって傷やへこみの入りやすいパーツです。バンパーの修理手順や、修理費用ついて詳しく解説します。
車のバンパーに傷やへこみが入った場合、「すぐに修理に出す必要はあるの?」「自分で修理は可能なの?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
バンパーは車の中で最も突き出した場所にあるため、人や障害物に接触しやすいパーツと言えます。車を所有しているドライバーなら、傷やへこみをつけてしまった経験が1度はあるのではないでしょうか。納得感のある修理を行うためにも、バンパーの特性や修理に必要な知識を持っておくことはとても大切です。
本記事では、バンパーの修理における作業内容や、修理費用の相場について詳しく解説しています。自分でバンパーの修理を行えるのか、見極めるためのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
車のバンパーの傷は放っておくと危険!
画像出典:photoAC
そもそも、バンパーについた傷はすぐに修理に出す必要はあるのでしょうか?
バンパーの傷を放っておくとどうなるのか、詳しく解説します。
バンパーの場所をおさらい
画像:Honda公式サイト|バンパー取付
バンパーと呼ばれるパーツは、上記の図のように2カ所あります。
- フロントバンパー:車の前方にあるパーツ。ヘッドライトの下にある。
- リアバンパー:車の後方にあるパーツ。テールランプの下にある。
どちらのバンパーも、車のパーツの中で一番突き出しているのが特徴です。一般的に販売されている車のバンパーはほとんどが樹脂でできており、フレームやドアといった金属の部分と比較してやわらかく作られています。
強度が必要な車の中で、なぜバンパーのみ樹脂で作られているのでしょうか?理由は3つあります。
バンパーはボディの中で最も人や障害物と接触しやすいパーツなので、衝突時の衝撃を和らげ、周囲への被害を最小限にとどめるために、やわらかい樹脂で作られています。同時に、ほとんどの車はフロントエンジンとなっているため、衝突時の衝撃をバンパーに吸収させ、エンジンまで大きな衝撃が加わらないようにする目的もあります。
また、樹脂は金属より軽く、8~9分の一ほどの重さしかありません(リアファクトリー|プラスチック(樹脂)と金属の違いについて)。バンパーを樹脂にすることで、ボディが軽量化されされ、燃費の向上にも役立っています。このように、樹脂バンパーは傷つきやすいデメリットを持ちつつも、安全や燃費の観点から、多くのメリットがあると言えます。
バンパーの傷をそのままにしておくとどうなる?
樹脂製のバンパーは、ボディの鉄板と比較してやわらかいため、日常生活の中で多少の傷はつきやすいものです。加えて、水分によってサビが発生する心配もなく、「急いで修理しなくても大丈夫」と考えてしまう人も多いのではないでしょうか。
確かにバンパーはサビが発生しないため、ボディの腐食の観点から見ると急いで修理に出す必要はありません。見た目を気にしないのであれば、多少傷が入っていても気にならない人も多いでしょう。
ただし、傷を放置したまま車を売却する場合、査定額がガクッと下がる場合があります。傷は査定員からの印象が良くないため、高値で売却したいと考えている人は、早めに修理に出した方が得策でしょう。
また、傷の入った車が、自動ブレーキや運転補助システムを搭載している「先進安全技術自動車」の場合は注意が必要です。そのような車はバンパーの内側に人や障害物を検知するためのセンサー・カメラ・レーダーなどが多数取り付けられており、ぶつけた衝撃で位置が数ミリずれるだけで、システムが正常に作動しなくなってしまう場合があります。
先進安全技術自動車をぶつけた場合は、センサーやカメラが正常に作動するか確認・調整を行う「エーミング作業」が必要になることを覚えておきましょう。エーミング作業を行うには、特別な資格が必要になるので、対応できる業者はかなり限られてきます。修理に出す場合は、エーミング作業に対応している修理業者なのか、事前によく確認することをおすすめします。
バンパーの傷は自分で修理?業者に依頼すべき?
画像:photoAC
バンパーの修理の手順は?
バンパーに傷がついた場合、自分で修理するべきか、修理業者に依頼を出すべきか、判断に迷う人も多いのではないでしょうか。
バンパーの基本的な修理方法と、「自分で修理する」「修理業者に依頼する」それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
バンパーについた傷は、傷の深さによって修理に必要な手順が異なってきます。
- 塗装の表面に軽く傷がついた場合
- へこみと傷がついている場合
上記の2パターンに分けて、修理の手順をそれぞれ解説します。
塗装の表面に軽く傷がついた場合
【準備物】
- コンパウンドセット(粗目・細目・極細・仕上げ用)
- マスキングテープ
- タッチアップペン
- 耐水ペーパー
【作業手順】
- 傷部分のホコリや汚れを落とす
- 傷の周囲をマスキングテープで保護する
- 傷の部分をタッチアップペンでなぞり、塗装する
- 半日~1日乾燥させる
- 塗料と周囲の段差がなくなるよう耐水ペーパーで研磨する
- 傷周辺をコンパウンドで研磨する(粗目→細目→極細→仕上げ用)
爪で傷を触ったときに引っかかる程度の傷なら、タッチアップペンでデコボコを埋めましょう。傷が浅く、爪に引っかからない場合は、コンパウンドを使って粗目→細目→極細→仕上げ用の順に磨くだけで傷が取れるので、比較的短時間で傷の修理を終わらせることが可能です。
へこみと傷がついている場合
【準備物】
- 耐水ペーパー
- シリコンオフ
- 養生シート
- パテ
- パテ用ヘラ
- サフェイサー(下地塗料)
- コンパウンドセット(粗目・細目・極細・仕上げ用)
- ボディカラー
- クリア
- ボカシ剤
- 使い捨てウエス
【作業手順】
- へこみ部分のホコリや汚れを落とす
- へこみの周囲を養生シートで覆う
- 耐水ペーパーで補修範囲の塗料を取り除く
- シリコンオフでボディについた油分を取り除く
- 補修範囲にパテを塗布する
- 半日~1日ほどパテを乾燥させる
- 耐水ペーパーでパテが平らになるよう研磨する
- シリコンオフでボディとパテの油分を取り除く
- サフェイサーを吹き付け塗装の下地を作る
- コンパウンドで塗装の下地を作る
- シリコンオフで油分を取り除く
- ボディカラーで塗装
- ボカシ剤をかけ塗装をなじませる
- クリアをかけ塗装を保護する
- 仕上げ用コンパウンドで磨き、ツヤを出す
- 1週間ほど乾燥させる
へこみと傷がついている場合、多くの場合は塗装が剥がれているため、パテでへこみを埋めてから再塗装を行います。塗料の乾燥に時間がかかり、作業時間は乾燥時間を含めて7日~10日ほどかかります。乾燥中は代車を用意するか、あらかじめ車を使用しないスケジュールを組んでおくのがおすすめです。
楽天Carマガジンは、楽天Carが運営するウェブマガジンです。クルマの維持費をお得にする様々なコンテンツをお届けします!
この記事をシェアする!
あなたにおすすめの記事