2022-06-17
日常点検は毎日すべき?適切な頻度や誰でもできるやり方を解説!
画像出典:photoAC
日常点検のやり方や適切な頻度を把握していますか?日常点検は車の使用者が必ず行わなければならないもので、事故などトラブルの防止に大切な役割を果たします。この記事を参考に、適切なメンテナンスを実施してくださいね。
「日常点検は毎日すべき?」「どんな点検をすれば良いの?」と疑問に思っていませんか?日常点検は、車を安全に使うために欠かせないものです。
中には、「車検はきちんと受けているので大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、車検は安全性を確保するのに十分ではないので、必ず日常点検をしなければなりません。しかし、「自分で点検やメンテナンスをするのは難しそう…」と感じている人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、日常点検のやり方や頻度を詳しく解説します。安全に車を使用するため、この記事を参考にしながら適切な点検・整備を実施しましょう。
日常点検の目的
画像出典:photoAC
そもそも、日常点検はなぜ行わなければならないのでしょうか?車の不具合を整備し、車を安全に使用するためだということは想像に難くないと思いますが、「車の検査なら車検があるのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。
そもそも、車検は車が保安基準(安全性の確保や公害防止を目的に定められているさまざまな基準)に適合しているかどうかを検査するものです。
検査を行う時点で車が保安基準に適合してさえいれば合格となり、次回の検査までの安全性を保障するわけではありません。そのため、車検だけではなく定期的に点検を行い、消耗品の交換や補充などの整備を行うことが求められるのです。
車の使用者に義務付けられている点検整備には、日常点検だけでなく12ヵ月点検、24ヵ月点検と呼ばれる定期点検整備があり、それぞれ12ヵ月ごと、24ヵ月ごとに大掛かりな点検と整備を実施しなければなりません。
しかし、1年や2年ごとの点検では不十分な項目も多いので、ユーザーが常日頃から行う日常点検が安全性の確保に大きな役割を担っています。
日常点検は義務?
画像出典:Adobe Stock
「そもそも日常点検は必ずしなければならないの?」と思っている方もいるかもしれませんが、日常点検を行うことは使用者の義務です。このことは、道路運送車両法で次のように定められています。
道路運送車両法 第47条の2
自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。
|
引用:e-Gov法令検索
車検切れの車で公道を走行すると6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰則が科せられるのに対し、日常点検をしていなかったとしても罰則があるわけではありません。しかし、罰則がないからといって日常点検を怠って良いことにはならないので、車を使用している人は必ず実施しましょう。
日常点検をすべき頻度
画像出典:photoAC
前述した通り、日常点検は「自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期」に行うことになっており、一般的な自家用車の場合は「毎日」「○日ごと」のように点検の頻度が決められているわけではありません。
車の使用状況によっても異なりますが、少なくとも1ヵ月に1回を目安に日常点検を実施するのが良いでしょう。加えて、トラブルが起きると大事故に繋がる可能性もある高速道路での走行前や、長距離運転をする前には、できる限り毎回点検を実施すべきです。
ただし、自動車運送事業用の車やトラック、旅客運送用のバスやタクシーなど、事業用の車などは、1日1回運行開始前に点検を行うことが義務付けられています。該当する事業用の車を使用している人は、毎日点検・整備を実施しなければならないので注意しましょう。
車両の日常点検表
画像出典:photoAC
国土交通省が提示している、日常点検の15項目は下記の通りです。
日常点検の15項目
引用:国土交通省
日常点検では、以上の15項目について問題がないか確認し、必要に応じて整備を行います。車の整備経験がない方には難しく思えるかもしれませんが、やり方を覚えれば簡単に実施できるようになっているので、手順を確認しながら進めていきましょう。
日常点検のやり方
画像出典:photoAC
では、ここから日常点検の具体的なやり方をご紹介します。各項目の点検方法を解説しますので、この項を見ながら日常点検を実施してみてください。
エンジンルーム
まずは、エンジンルーム内の5つの点検項目を見ていきましょう。走行直後はエンジンが熱を持っている可能性があるので、車を使用してすぐに点検をしようとするのは危険です。走行後はエンジンを停止させ、エンジンが冷めるのを待ってから行ってください。
1.ブレーキ液の量
ブレーキ液は「ブレーキリザーバータンク」という容器に入っている液体です。ブレーキ液が規定量よりも少なくなると、ブレーキが効きにくくなり、事故に繋がる恐れがあります。
ブレーキリザーバータンクには、「MAX」「MIN」という記載があるので、液の量がその範囲内に収まっているかを確認してください。基本的に、ブレーキ液は一気に減っていくものではないので、12ヵ月点検や車検時に交換していれば、規定量よりも不足しているということはあまりないはずです。ブレーキ液が不足している場合、液漏れなどのトラブルも考えられるので、プロに点検・整備を依頼しましょう。
2.冷却水の量
冷却水は「ラジエータリザーバータンク」という容器に入っている液体です。冷却水が不足すると、エンジンを冷ますことができず、オーバーヒートの原因となります。
冷却水の点検は、液量がラジエータリザーバータンクに記載されている「FULL」と「LOW」の間に収まっているかを確認してください。規定量よりも減っている場合は交換または補充を行ってください。大幅に不足しているときは冷却水の水漏れが考えられるので、整備工場などで点検を依頼しましょう。
3.エンジンオイルの量
エンジンオイルは、エンジンを正常に動かすために欠かせないものです。不足していると、エンジンの故障に繋がるので、十分に注意しましょう。
エンジンオイルの量は、「オイルレベルゲージ」という棒状の部品を使用して点検します。オイルレベルゲージはエンジン周辺にあり、国産車の場合は先端がオレンジ色や黄色または白色のリング状になっているものです。
オイルレベルゲージを抜き取ったら、一度キッチンペーパーなどで付着したオイルを拭き取ります。その後、再びオイルレベルゲージを差し込んでください。もう一度オイルレベルゲージを抜き取って、付着したオイルがゲージの「H」と「L」の範囲内にあるかどうかを確認します。この範囲よりも量が少なくなっている場合、エンジンオイルの交換が必要です。
4.バッテリー液の量
バッテリー液はバッテリーの内部に入っている液体です。不足しているとバッテリーの破裂やバッテリー上がりの原因になります。
バッテリー液は、容器表面に記載されている「UPPER LEVEL」と「LOWER LEVEL」の範囲内に液量が収まっているかどうかを確認してください。不足しているときはバッテリー液を補充しましょう。
また、バッテリー液の量を確認する際には、バッテリー本体に変形がないかどうかなども併せて点検することをおすすめします。こちらの記事でチェックすべきポイントをご紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね。
関連記事:車のバッテリー交換はどの時期にやるべき?バッテリーの交換方法や基礎知識について解説
5.ウインドウォッシャー液の量
ウインドウォッシャー液は、フロントガラスの汚れを落とすための液体です。不足していると、走行中フロントガラスに汚れが付いてしまっても落とすことができず、前方が見にくくなるなどのトラブルが考えられます。
容器側面またはキャップに付いているホース部分に「NORMAL」「LOW」などの記載があるので、その範囲内に液量が収まっているかを確認してください。不足している場合は専用のウインドウォッシャー液を補充しましょう。
車の周り
続いて、タイヤやランプなど、車を周りから点検する項目です。ある程度広くて平坦な場所に車を停めて実施しましょう。
6.ランプ類の点灯・点滅
ランプは走行時に視界を確保したり、他の車やバイク、歩行者などにさまざまな合図を送ったりするための装置です。故障していると然るべきときに点灯させることができず、事故に繋がる恐れがあります。
実際に、次のランプ類を点灯・点滅させ、きちんと点灯・点滅するかどうかや、明るさ、点灯速度に異常がないかどうかを確認してください。
- ヘッドランプ
- テールランプ
- ライセンスランプ
- ブレーキランプ
- クリアランスランプ
- バックアップランプ
- フォグランプ
- ウインカーランプ
不具合がある場合は、必要に応じて整備工場などでメンテナンスを依頼しましょう。
7.タイヤの亀裂・損傷
タイヤに亀裂や損傷があると、パンクや破裂の危険性があります。
タイヤの表面を確認し、大きな傷がないかをチェックしましょう。また、併せて釘などの異物が刺さっていないか、タイヤの一部だけが過剰にすり減っていないかどうかも点検してください。
ごく小さな傷ならすぐにタイヤ交換をしなくても構いませんが、大きな亀裂・損傷がある場合は速やかにタイヤ交換を行いましょう。
8.タイヤの空気圧
タイヤの空気圧が少なすぎたり多すぎたりすると、燃費や乗り心地、操縦安定性が悪化してしまいます。運転席ドア付近に貼られているラベルに、「車両指定空気圧」と呼ばれるその車両の適切な空気圧の値が記載されているので、まずは一度チェックしてみましょう。
日常点検では、空気圧を測定し、車両指定空気圧の+20kPaの範囲に収まるように空気を入れてください。
ガソリンスタンドやカー用品店などでは、無料で空気圧の点検・調整ができることがほとんどなので、そういった店舗の設備を利用すると簡単にメンテナンスを行うことが可能です。自宅で実施したい場合は、エアゲージと空気入れ、またはこの2つが一体になった道具を用意してください。
9.タイヤの溝の深さ
タイヤが過度にすり減っていると、ブレーキやハンドル操作が効かなくなる現象が起こりやすくなってしまいます。そこで、日常点検ではタイヤの溝の深さが十分に残っているかどうかを確認し、タイヤ交換が必要かどうかを判断しましょう。
タイヤの溝には、少し盛り上がった「スリップサイン」と呼ばれるところがあります。このスリップサインとタイヤの溝が同じ高さになっていると、溝が残り1.6mm(保安基準で定められている下限)になっているということなので、速やかにタイヤ交換を行わなければなりません。
スリップサインの見方については、こちらの記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひ併せてチェックしてくださいね。
関連記事:車検に落ちないためのタイヤの状態とは?気を付けるべき点について解説
運転席
最後は、運転席に座って実際に車を操作しながら点検する6つの項目について見ていきましょう。ここでの点検項目は、操作感や車の動作に異常がないかどうかを確認するので、普段から走行時の感覚を意識しておくことが大切です。
10.エンジンのかかり具合、異音
エンジンは車を走行させるための電動力となるものです。エンジンに不具合があると、エンジンがかからず車を使えなくなってしまうなどのトラブルに繋がります。
日常点検では、速やかにエンジンがかかるかどうかを確認しましょう。問題なくエンジンがかかったら、エンジン始動時やアイドリング時の音に異常がないかをチェックします。異音がする場合には、整備工場などでプロに点検・整備を依頼してください。
11.ウインドウォッシャ液の噴射状態
エンジンルームの点検項目にもあったウインドウォッシャー液ですが、ここでは噴射状態を確認します。
ワイパーレバーを引いて実際にウインドウォッシャー液を噴射させ、向きや高さに異常がないかをチェックしてください。異常がある場合には必要に応じて調整を行いますが、自分で調整できないときは整備工場などに持ち込みましょう。
12.ワイパーの拭き取り能力
ワイパーの拭き取り能力が落ちていると、汚れや雨を拭き取れず、視界が十分に確保できなくなる可能性があり危険です。
ワイパーの点検では、ウインドウォッシャー液を噴射させた後、ワイパーを実際に作動させて行います。ワイパーを作動させたら、低速・高速を切り替えて動作に異常がないかを点検しましょう。また、噴射させたウインドウォッシャー液が正常に拭き取れているかも確認します。
ウインドウォッシャー液がきちんと拭き取れない場合、ワイパーゴムの交換などのメンテナンスを行ってください。自分で交換する方法や、業者に依頼するときの料金はこちらの記事で解説しています。
関連記事:ワイパーゴムを交換しないと車検に落ちる?交換すべき時期や料金も解説
13.ブレーキの踏み残りしろと効き具合
ブレーキが正常に動作しなくなると、すぐに止まることができず追突事故などを起こす危険性が高まります。日常点検では、実際にブレーキを踏んで、踏み残りしろ(ブレーキと床板の隙間)が少なくなっていないか、踏み心地に異常がないかどうかを確認しましょう。
踏み残りしろが少なすぎたり、踏みごたえがいつもと違ったりすると、ブレーキ液が漏れているなどの不具合が起きている可能性があります。自分で原因を調べるのは難しいので、異常を感じたらプロに点検を依頼してください。
14.駐車ブレーキの引きしろ、踏みしろ
前項のブレーキ同様、日常点検では駐車ブレーキもチェックしましょう。駐車ブレーキに異常があると、段々と効きが悪くなってくることがあります。
レバー式の場合は、レバーを目一杯に引いて、引きしろが多すぎたり少なすぎたりしないかを点検してください。新車時の感覚と比較しても良いですが、各車種の取扱説明書には既定の引きしろの数値が記載されているので、一度確認しておきましょう。駐車ブレーキがペダル式の車は、ペダルを踏んだときの踏みしろをチェックします。
引きしろ(踏みしろ)が多すぎる、または少なすぎる場合には、整備工場など専門的な業者で点検・整備が必要です。
15.エンジンの低速・加速状態
最後は、エンジンの低速・加速状態を点検します。この項目に異常があると、エンストなどのトラブルに繋がる恐れがあるので注意が必要です。
まずはエンジンをかけ、アイドリング時にエンジンがスムーズに回転するかどうかを確認してください。問題がなければ実際に車を走行させ、アクセルペダルを少しずつ踏み込んだときに引っ掛かりがないかどうか、エンジンがスムーズに回転するかを点検します。併せて、加速時に「カラカラ」というような異音がないかもチェックしましょう。
何かしらの異常を感じたら、プロに点検・整備を依頼してください。
日常点検以外の点検整備も忘れずに
画像出典:photoAC
日常点検は車の安全性を確保するために重要ですが、当然のことながら安全性を確保するのに日常点検だけでは不十分です。前述した通り、法定12ヵ月点検や車検も車の使用者に義務付けられているので、必ず実施しなければなりません。
自分で簡単に点検することができる日常点検とは異なり、12ヵ月点検や車検はチェックする項目も多く、大掛かりな点検・検査となります。12ヵ月点検や車検は、業者に依頼する費用が必要になるため、金銭的に負担を感じているという人も多いでしょう。
特に、車検は数万円から十数万円もの出費となるので、できるだけ費用を安く抑えたいですよね。しかし、車検は業者によって料金が異なるので、安いところを探して依頼すれば、費用を大幅に抑えることができます。
車検業者1つ1つに問い合わせて料金を調べるのは大変ですが、「楽天Car車検」ならお近くの業者を絞り込み、簡単に料金を比べることが可能です。車検をお得に受けたいと考えている方は、ぜひ利用してみてくださいね。
車検を受けるなら楽天Car車検がおすすめ!
画像出典:photoAC
この記事では、車の日常点検について解説しました。日常点検は、安全に車を走行させるために重要なものです。慣れていないと難しく感じるかもしれませんが、誰でもできるものなので、この記事を見ながら実施してみてくださいね。
もちろん、自分で行う日常点検だけでなく、法定点検や車検を受けることも法律で義務付けられているため、忘れずに受けるようにしましょう。しかし、車検や法定点検は日常点検と違ってお金がかかるので、金銭的な負担を感じている人も多いのではないでしょうか?特に車検は1回でも大きな金額になるので大変ですよね。
そこで、車検の予約をするなら、簡単に料金を比較してお得に車検を受けられる「楽天Car車検」がおすすめです。
楽天Car車検は、数多くの車検業者の中から条件に合わせて簡単に絞り込みをすることができるサービスで、料金を比較して安いところを探すことができます。また、楽天Car車検からの申し込みなら楽天ポイントの進呈もあるので非常にお得です。
その他、楽天Car車検には次のようなメリットがあります。
- 「1日車検」「120分以内の車検」など、条件を絞り込んで検索できる
- 車検見積もり&予約サイトの中で、掲載店舗数が最も多い(※調査対象:車検予約サイト 2022年1月時点 株式会社東京商工リサーチ調べ)
- ディーラー車検と変わらないクオリティのお店を探せる
- 料金の比較をして安いところを探せる
- 「引き取り納車に対応する店舗探し」のようにニーズ別に探せる
- 車検で楽天ポイントが貯まる
- ガソリンスタンドの特典で車検後のガソリン代値引きもある
- 早割でさらに1万円引き
車検の時期が近付いたら、ぜひ「楽天Car車検」をチェックしてみてくださいね。
参考サイト
点検整備の種類 | 自動車 - 国土交通省(参照日:2022-06-08)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/
日常点検方法(私にもできるマイカー点検)(参照日:2022-06-08)
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/self-check/daily-15check/engine-room#st01_01
この記事をシェアする!
あなたにおすすめの記事