2022-06-17
車検証が電子化!ICカード化でユーザーへのメリット・デメリットは?
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「車検証の電子化(ICカード化)について知りたい」とお考えではありませんか?どんな仕様になるのかはもちろん、開始時期やメリット・デメリットなども気になりますよね。本記事では、車検証の電子化について詳しく解説します!
「車検証が電子化(ICカード化)するって聞いたけど、どんな風に変わるのだろう」と疑問に思っていませんか?車検証は車の使用者にとって非常に大切なものの1つですが、これまでの紙の車検証からICタグが付加される車検証へ変更されることになりました。デザインの変更などとは違い、仕様が一新される大きな変更なので、「電子化によってどんなメリット・デメリットがあるの?」「開始時期はいつ?」など、さまざまな疑問が浮かびますよね。
そこで本記事では、車検証の電子化について詳しく解説します。開始時期やICカードの仕様、メリットなどをご紹介しますので、導入前に把握しておきましょう。
車検証が電子化(ICカード化)する理由
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車検証の電子化には、「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」というサービスの利用を推進するという目的があります。OSSは、新車購入時の新車新規登録や、引っ越し時の住所変更(変更登録)をはじめとする車に関するさまざまな手続きを、24時間365日インターネット上ですることができるオンラインサービスです。
通常、これらの手続きをするにあたっては、警察署に車庫証明を提出したり、役所で住所を証明する書類(住民票)を取得したりと、手続きによって多くの機関に足を運ばなければなりませんでした。しかし、OSSでは市町村や警察署といった関係機関と連携しており、各機関で別々に手続きをすることなく一気に手続きができるという便利なサービスになっています。
車のユーザーにとって便利なサービスのように思えますが、2018年のサービス開始以降あまり利用者が増えていないというのが現状です。その理由として、現在はOSSで申請をしていても車検証の受け取りや返納のために運輸支局などへ行かなければならず、完全にオンラインで手続きが完了するわけではないという実情があります。
そこで、車検証を電子化することで、一部の手続きにおいて運輸支局などへの出頭を不要化し、OSSのさらなる推進を図るというのが狙いです。
ICカード版の車検証の仕様
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車検証が電子化されることについて、「車検証がICカード化される」と理解している人も多いでしょう。しかし、厳密に言うとカードにICチップが埋め込まれたICカード方式ではなく、台紙にICタグが貼り付けられるという方式が採用されることになっています。
電子化後の車検証にかかる費用として、ICカードの場合は数百円以上、ICタグでは数十円以上が必要になると想定されており、コストも含めたあらゆる観点から検討された結果、台紙にICタグが貼り付けられるという方式が採用されました。
また、車検証が電子化されることで、大きさや券面記載内容といった仕様も変更されます。ここでは、電子車検証の大きさや券面記載内容などの仕様を確認していきましょう。
電子車検証の大きさ
新しく発行される電子車検証は、A6サイズの台紙にICタグが貼り付けられる分の余白が加わった大きさ(105×177.8mm)が採用されることになっています。A6は文庫本でよく採用されているサイズなので、そのサイズよりもやや大きいものを想像するとわかりやすいでしょう。
現行の紙の車検証は、日本で最も一般的なノートやコピー用紙のサイズであるA4サイズなので、電子車検証は現行の車検証と比較すると4分の1よりも少し大きい程度のサイズになるということになります。
車検証はグローブボックスに収納している方が多いですが、近年コンパクトカーや軽自動車といった小さな車ではグローブボックスが小型化され、A4サイズの紙の車検証がそのままでは入らない車種もあり、収納に困った経験がある人もいるでしょう。新しい電子車検証は現在よりも大幅に小さくなるため、グローブボックスが小さい車種でもすっきり収納できることになります。
電子車検証の記載事項
現行の紙の車検証には、車両番号や自動車の種別、車名など、車に関する情報だけでなく、所有者の情報(住所、氏名または名称)や使用者の情報(住所、氏名または名称)、車検証の有効期間満了日などが記載されています。
それに対し、電子車検証の券面には、継続検査や変更登録の影響を受けない内容である、車両番号や自動車の種別、車名といった車に関する情報と、使用者の氏名または名称が記載される予定です。
現在の車検証に記載されている、使用者の住所、所有者の住所および氏名、車検証の有効期限満了日は、券面に記載されない代わりにICチップにデータとして記録されることになります。
車検証の電子化(ICカード化)はいつから?
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車検証の電子化は、2023年1月に実施されることになっています。
2018年から現在まで「自動車検査証の電子化に関する検討会」にてコンセプトや技術的な要件の検討が重ねられ、制度の開始に向けての計画やシステム開発が進んできました。2022年9月にはシステムの実証実験が予定されており、導入を目前に最終調整が進むスケジュールとなっています。
軽自動車の車検証は電子化(ICカード化)される?
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普通自動車をはじめとするほとんどの車の車検証は、交付主体が国土交通省であるのに対し、軽自動車の車検証は交付主体が軽自動車検査協会です。そのため、軽自動車の車検証においても電子化されるのかと疑問に思う人もいるかと思いますが、軽自動車の車検証も同様に電子化されることになっています。
しかし、軽自動車検査協会のシステム更改時期は国土交通省と異なるため、同時に開始されるわけではありません。軽自動車の車検証の電子化は、2023年12月31日まで経過措置がとられた上で、2024年1月から開始される予定です。
また、紙の車検証において、国土交通省が発行する車検証と軽自動車検査協会が発行する軽自動車の車検証は、デザインこそ違うものの記載される情報は基本的に変わりません。電子車検証においても、券面デザインが異なる可能性はありますが、基本的な仕様は普通自動車をはじめとするその他の車の車検証と同じものになると考えられます。
車検証の電子化(ICカード化)のメリット
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車検証が電子化されることで、車検時業者や運輸支局などにおける業務上の利便性が向上されることは想像できますが、「車検証が電子化されたところで、ユーザー側にもメリットはあるの?」と疑問に思っている人も多いでしょう。そこで、ここでは車検証の電子化によるユーザーのメリットについて解説します。
OSSを利用した車関連の申請が便利になる
前述の通り、車検証の電子化にはOSSの利用を推進するという狙いがあります。これまではOSSを利用して手続きを行っても、車検証の更新のために運輸支局などへ行く必要がありました。
電子車検証では、券面に記載される情報が限られ、多くの情報がICタグに記録されます。そのため、一部の手続きでは車検証券面の記載事項を書き換える必要がなくなり、運輸支局などへの出頭が不要となるのです。わざわざ運輸支局などへ行くことなく完全にオンラインで手続きが完了するというのは、ユーザーとって大きなメリットであると言えるでしょう。
OSS上でできる手続きの中で、車検証の電子化によって運輸支局などへ足を運ぶ必要がなくなる手続きは以下の通りです。
- 出頭不要…継続検査
- 一部出頭不要(券面記載事項の変更を伴わない場合は出頭不要)…変更登録、移転登録
これらの手続きに対し、新規登録および新規検査の手続きには新しい車検証の交付が伴うため、車検証の電子化後も運輸支局などへ行かなければならないことに注意が必要です。同様に、抹消登録でも車検証の返納が必要であるため、運輸支局などへの出頭は不要化されません。
OSSを利用した手続きの内、住所変更(変更登録)に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。必要書類や申請方法をご紹介していますので、利用を考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
関連記事:車検証の住所変更を忘れていませんか?必要書類や遅れてしまった場合も解説
ICチップの空き領域が活用される可能性
電子車検証にはICタグが貼り付けられ、車の所有者の住所や氏名などの情報がデータとして記録されると前述しました。しかし、ICチップの容量は、これらの情報を記録しただけでは埋まらないため、空き容量を他のことに活用することが検討されています。
ICチップ空き容量の活用方法のアイデア募集では、リコール情報や車関連事業のポイントカード情報など民間事業者が利用できるものや、保険情報や違反情報などの行政機関が利用できるものまでさまざまなアイデアが寄せられました。
2022年5月現在、公式に発表されていませんが、車のユーザーにとっても便利な活用方法が採用される可能性もあり、期待が高まっています。
車検証の電子化(ICカード化)のデメリット
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前項では車検証の電子化によるメリットをご紹介しましたが、反対にデメリットとなることはあるのでしょうか?
これまでの車検証は紙に情報が記載されたアナログなものでしたが、新しい車検証では所有者の氏名や住所などの情報がデータ化されます。これによって、個人情報流出などセキュリティ面でのリスクが高まることは1つのデメリットであると言えるでしょう。もちろん、個人情報を保護するためのさまざまな対策が検討されていますが、データ化される以上リスクを0にすることは難しいと考えられます。
また、電子車検証にかかるコストは、紙の車検証にかかるコストよりも高くなるため、将来的には各種手続きの手数料が値上げされる一因となる可能性もあるでしょう。例えば、2022年5月現在、普通自動車の移転登録の手数料は500円、変更登録の手数料は350円と、各種手続きにはそれぞれ手数料が設定されています。大幅な値上げは現実的ではありませんが、車検証の電子化コストがこれらの手数料に影響を与える一因となることは十分に考えられるでしょう。
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この記事では、車検証の電子化について解説しました。車検証が電子化されることは、紙の車検証よりも小さいことで収納しやすくなったり、OSSでの各種手続きが便利になったりするといった点で、車の使用者にとってもメリットです。さらに、ICチップの空き容量が活用されることで、より便利なものとなることも期待されます。
しかし、車検証が電子化されると、有効期限の満了日が券面に記載されない予定となっており、これまで以上に車検切れとならないよう注意が必要になるでしょう。
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参考サイト
車検証を電子へ!~電子車検証の仕様に関する検討結果について~(参照日:2022-05-13)
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_003912.html
自動車検査証の電子化の基本コンセプト策定に向けた論点(案)(参照日:2022-05-13)
https://www.mlit.go.jp/common/001259465.pdf
電子車検証のイメージ(参照日:2022-05-13)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001376636.pdf
2023年1月の車検証電子化で自動車の各種手続とアフターサービスはどう変わる?【IAAE2022セミナーレポート02:国土交通省自動車局自動車情報課】(参照日:2022-05-13)
https://bsrweb.jp/news/detail.php?id=000778
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