2022-10-21
【初心者向け】車の傷消しの選び方や手順を解説!深い傷の補修方法も解説
画像出典:photoAC
「車に傷がついてしまった!自分で傷消しはできる?」と考えていませんか?
本記事では、車につきやすい傷の種類や、自分で行う補修の難易度について解説しています。車の補修について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
「車についた傷を自分で補修したい」「深い傷の補修方法はどうなるの?」と疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
車にできた傷は、一見すると走行に影響がないように感じるため、緊急性が少ないように感じます。小さな傷や浅い傷なら、できるだけ自宅で補修したいと考えている方も多いでしょう。車の傷は、自分で行える補修から修理業者に依頼するべきものまで色々あり、判断を誤ると車の状態を悪化させてしまうことがあります。
本記事では、車にできた傷の補修方法について解説しています。正しい補修方法と、傷の程度に合わせた修理業者の選び方もご紹介しますので、車の傷の補修方法について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
自分で傷消しができる範囲は?
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日常的な走行の中で、車にはさまざまな傷がついてしまいます。細かくて小さい傷や、飛び石でついた傷程度なら、自分で直したいと感じる方も多いのではないでしょうか。この章では、車につきやすい傷の種類と、補修の難易度について詳しく解説します。
まず車につきやすい傷は、おもに下記の4種類です。
洗車傷 |
洗車に使うブラシや、付着していた汚れが原因でできる傷です。 |
洗車傷 |
飛び石がぶつかってできる傷です。 |
ひっかき傷 |
枝やバック、鍵が当たってできる傷です。 |
大きく擦れた傷 |
コーナーや狭い駐車場で、車を擦ってできてしまう傷です。 |
どんなに気をつけていても、このような傷は走行する中でついてしまうものです。自分で補修できるものから、修理業者に依頼するべき傷まであり、判断を誤ると車の状態が悪化してしまう場合があります。
それぞれの傷の種類ごとに、補修の難易度を下記にまとめました。
まず、自分で補修できるかどうかの判断基準として、へこみの有無を確認します。
傷の程度に関わらず、へこみがある場合は修理に出さないと元の状態に戻すことができないためです。
へこみは正面から見るだけでは分かりづらく、小さく見えてしまうため、斜めから見て確認します。斜めから見て光を当てたときに、ボディに映った光が歪んで見える箇所がへこみです。また、正面から見ると1cm程の小さなへこみだったとしても、斜めから見ると想像以上に大きなへこみになっている場合があります。このように、ほとんどの場合は正面から見るよりもへこみが大きくなるため、確認する際は注意が必要です。
次に、車の塗装についた傷の程度を確認しましょう。車の塗装は大きく分けて、もっとも外側に位置する「クリア層」と、クリア層の下にある「色の層」に分かれています。自分で補修できる傷というのは、クリア層のみについた傷や、色の層の浅い部分についた傷を指します。1㎜以下の細かい傷であったり、爪でなでたときに引っかからない程度の傷なら、自分でコンパウンドやタッチペンを利用して補修することが可能です。
反対に、1㎜以上の目に見えるような傷や、色の層の深い部分まで達している傷、塗装が完全に剥がれて車体の下地となる鉄板が見えているような傷は、修理に出す必要があります。たとえ範囲の狭い傷であっても、深い部分まで傷が達してしまうと、車体の鉄板が腐食し、気づかないうちに塗装の下にサビが広がってしまうためです。一度サビが広がってしまうと自分で補修するのはほぼ不可能になり、大規模な板金修理や、最悪の場合パーツ交換に発展してしまいます。
このように、傷が大きい・塗装が深く剥がれている・車体の鉄板が見えている傷は無理に自分で無理に直そうとせず、修理業者に依頼をするのが得策と言えます。
洗車傷を消すならコンパウンドがおすすめ
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洗車時ついてしまう細かい傷は、コンパウンドを使用して自分で補修できます。洗車傷とは、洗車時に車についてしまう細かく浅い傷のことで、下記のような行為で傷が入ってしまうことがあります。
・予備洗いをせずに洗車機を利用している
・かたいスポンジを使ってゴシゴシ洗っている
・ボディについた汚れを落としきれず一緒にタオルで拭いてしまう
気をつけていても、洗車傷はどうしてもついてしまうものです。自分でできる補修方法を抑えて、車をきれいな状態に保ちましょう。
コンパウンドとは?
コンパウンドとは、車の表面についた傷を消すための研磨剤です。細かい粒子の入った研磨剤を傷とその周囲に塗り広げて磨くことで、傷の周辺を削って平らにし、目立たなくします。ただし、コンパウンドで補修できるのは、塗装のもっとも外側に位置する「クリア層」についた傷のみです。色の層や、ボディの鉄板にまで達している傷は、コンパウンドでは消せないため、傷の深さの見極めが重要となってきます。
コンパウンドとひとくちに言っても、粗目、細目、極細のように粒子の大きさで種類が分かれています。粒子の粗いものは、塗装の下処理に使われるので、基本的に傷の補修には使用しません。細目や極細の粒子でできているものを、傷取りやツヤ出しに使います。
傷の状態に合わせて粒子の大きさを変える必要がありますが、初めて使う場合や、どの粒子のコンパウンドを使えばいいのか分からない場合は、粒子の小さいものから試してみるのがおすすめです。磨いていきつつ、傷の状態をチェックして、粒子の大きさを変更していきましょう。このとき、それぞれコンパウンドの粒子別に磨くスポンジを使い分けるのがポイントです。
また、コンパウンドはペースト状と液体状の2種類に分かれます。ペースト状のコンパウンドは液体状のコンパウンドに比べて粘度があり、下に垂れにくいのが特徴です。ボディの側面などにぴったりつき、余計な部分に付着しません。ただし伸びがあまり良くないので、広い範囲の傷には対応しにくいデメリットがあります。
液体状のコンパウンドはペースト状に比べ伸びが良く、ボンネットやルーフなど、水平の補修作業に向いています。ただし、液体状はペースト状に比べて乾きやすいというデメリットがあるため、直射日光の当たらない場所で作業をするなど、コンパウンドが乾かないよう工夫する必要があります。
コンパウンドで補修する場合の手順
コンパウンドで傷を補修する際に必要な道具と手順を解説します。
【必要な道具】
・ウエス(布)
・コンパウンド用のスポンジ
・コンパウンド
・マスキングテープ
・コーティング剤
コンパウンドを数種類用意する場合は、スポンジとウエスも同じ数だけ用意しましょう。
【補修の手順】
- 洗車して汚れやホコリを落とす
- マスキングテープでゴム部品を保護する
- コンパウンドで磨く
- 仕上げ用コンパウンドで磨く
- ツヤ出し用コンパウンドで磨く
- コーティング剤で保護する
それぞれの手順を詳しく解説していきます。
1.洗車して汚れやホコリを落とす
まず、洗車して車についた汚れやホコリを落とします。汚れが残ったままだと、コンパウンドを塗り広げる際に塗装を傷つけてしまうためです。
2.マスキングテープでゴム部品を保護する
補修したい場所の近くにモールやゴムパーツがある場合、あらかじめマスキングテープで保護しましょう。ゴムや樹脂でできたパーツは、コンパウンドが付着するとシミになり取れにくくなるためです。
3.コンパウンドで磨く
ペースト状のコンパウンドならパール大程度、液体のコンパウンドなら500円玉程度を目安に出します。スポンジで傷のある範囲全体に伸ばしていきましょう細かい傷が広範囲についている場合、一気に磨こうとするとコンパウンドが乾いて磨きにくくなるため、少しずつ磨いていくのがおすすめです。
4.仕上げ用コンパウンドで磨く
傷が目立たなくなったら、仕上げ用のコンパウンドで磨いていきます。仕上げ用は、「仕上げ用」とパッケージに記載されているものを選びましょう。
5.ツヤ出し用コンパウンドで磨く
ツヤ出し用のコンパウンドで磨くとより綺麗に仕上がります。この際に使用するコンパウンドは、「ツヤ出し用」「鏡面仕上げ用」と書かれたものを選びましょう。
6.コーティング剤で保護する
おすすめのコンパウンド
おすすめのコンパウンドをご紹介します。初心者がコンパウンドを選ぶ際は、トライアルセットのようにあらかじめ数種類のコンパウンドが入っているものを選ぶのがおすすめです。それぞれ見ていきましょう。
【液体コンパウンドトライアルセット】
引用:楽天市場
メーカー名 |
ソフト99 |
タイプ |
液体 |
容量 |
80mL×3種 |
付属品 |
ミニスポンジ×3個 |
引用:楽天市場
ソフト99では、車の補修やお手入れグッズなど、幅広いラインナップの商品を販売してます。こちらの商品は、液体タイプのコンパウンドが3種類セットになったトライアルセットです。傷消し・仕上げ・鏡面仕上げの3ステップ分が入っているため、コンパウンド選びに迷うことがありません。ミニスポンジも付属されているので、開封してすぐに補修作業に入れるのも魅力のひとつです。
【スクラッチカットセット】
引用:楽天市場
メーカー名 |
洗車の王国 |
タイプ |
液体 |
容量 |
150mL |
付属品 |
仕上げ剤50mL、スポンジ大2個、スポンジ小2個、ベーシッククロス小2枚 |
引用:楽天市場
洗車の王国は、世界34カ国800店舗でサービスや製品を展開しているカーケアブランドです。一般的なコンパウンドと比較して、ノンシリコンタイプになっているので、磨きと同時にツヤが出てくるのが特徴です。傷の補修だけでなく、 汚れ落としやウォータースポット除去にも使用可能です。スポンジやクロスもついてくるので、補修グッズをまとめて買いそろえたいと考えている人にぴったりでしょう。
【コンパウンドトライアルセット】
引用:楽天市場
メーカー名 |
ソフト99 |
タイプ |
ペースト |
容量 |
25g×3種 |
付属品 |
ー |
引用:楽天市場
ソフト99から販売されている、ペーストタイプのコンパウンドです。細目・中目・極細の3種類のコンパウンド入りで、車の傷に合わせて使い分けることが可能です。1本あたり25g入りなので、使い切りやすいのも魅力です。小さな傷をサッと補修したいと考えている人にぴったりです。
飛び石傷やひっかき傷などはタッチペンがおすすめ
画像出典:photoAC
飛び石やひっかきによる、塗装剥がれの傷には、タッチペンを使用した補修がおすすめです。タッチペンについて、詳しく解説します。
タッチペンとは?
タッチペンは「タッチアップペン」や「タッチペイント」とも呼ばれ、傷の補修を手軽に行うための、ペンタイプの塗料を指します。修理業者にわざわざ依頼しなくても自分で補修できるため、修理費用を安く抑えられるメリットがあります。
ただ非常に便利なアイテムではありますが、どんな傷でも補修できる訳ではありません。タッチペンで対応できないレベルの傷を無理やり補修すると、かえって目立ってしまったり、大規模な修理が必要になってしまったりする場合があります。タッチペンで直せる傷の程度をしっかり押さえておきましょう。
タッチペンで直せる傷 |
・小さなひっかき傷、擦り傷 ・飛び石でついた狭い範囲の傷 ・爪に引っかからない程度の浅い傷 |
タッチペンで直せない傷 |
・範囲の大きい擦り傷 ・車体を横断するようについた長い傷 ・車体の鉄板部分が見えるような深い傷 |
タッチペンで直せる傷というのは、色の層の浅い部分に傷がついている場合のみです。色の層の深い部分まで達していたり、塗装が完全に剥がれて車体の鉄板が見えているような傷は、タッチペンでは直せません。このように、タッチペンで直せないほどの傷は無理に自分で直そうとせず、修理業者に依頼をするのが得策です。
そして、タッチペンを使用して補修しても、完全に傷が見えなくなることはありません。あくまで素人が行う補修なので、「傷をきれいに直す」ことは難しく、「傷が目立たない」状態に近づけられるということを頭に入れておいてください。
タッチペンで補修する場合の手順
タッチペンで傷を補修する際に必要な道具と手順を解説します。
【必要な道具】
- タッチペン
- コンパウンド
- コンパウンド用スポンジ
- 耐水ペーパー(水をつけて使うヤスリ)
- シリコンオフ(ボディの表面についた油汚れを分解する有機溶剤)
- マスキングテープ
- ワックス
- アルコール
- ふきん
- バケツ
- カッター
準備するものが多く、億劫に感じてしまうかもしれませんが、すべてカーショップやネット通販を利用して安価に揃えられるものばかりです。そして、一度そろえたら何度でも補修に使用できるというメリットがあります。
【補修の手順】
- 傷周辺の汚れを落とす
- コンパウンド・耐水ペーパーで磨く(1回目)
- シリコンオフで脱脂する
- マスキングテープで傷周辺を隠す(1回目)
- タッチペンで傷口を補修する
- マスキングテープで傷周辺を隠す(2回目)
- 耐水ペーパー・コンパウンドで磨く(2回目)
- ワックスでツヤ出しをする
手順は全部で8工程あります。それぞれの工程はどれも簡単なのでご安心ください。それぞれの工程を詳しく解説します。
1.傷周辺の汚れを落とす
まず、傷とその周辺を丁寧に拭き、汚れを落としましょう。砂利やホコリ、剥がれた塗料がついている上からタッチペンを塗ってしまうと塗料がデコボコが浮き出てしまい、仕上がりが汚くなってしまうためです。水だけで拭き取れない場合は、ふきんにアルコールを染み込ませて、やさしく擦ると、汚れが浮いて拭き取りやすくなります。
2.コンパウンド・耐水ペーパーで磨く(1回目)
汚れが取れたら、傷の部分をコンパウンドで磨きます。コンパウンドでなめらかにした傷を、耐水ペーパーを使ってさらに磨きましょう。耐水ペーパーは柔らかいヤスリのような質感で、傷の中のわずかな汚れやサビを落とします。
3.シリコンオフで脱脂する
コンパウンドと耐水ペーパーで磨いた傷に、シリコンオフを吹きかけます。シリコンオフは油性の汚れを分解し、脱脂する役割をもっているため、車の表面についた油性汚れをきれいに落とせるのが特徴です。ここまでの工程で、傷とその周辺の汚れをきれいに落とせました。
4.マスキングテープで傷周辺を隠す(1回目)
傷のまわりをマスキングテープで囲い、傷の周辺を隠しましょう。タッチペンのハケはコシがあるので、周囲に塗料が飛び散ったり、塗料がはみ出たりしてしまうためです。後からはみ出した塗料を落とすのは余計に手間がかかるため、あらかじめマスキングテープでしっかり傷のまわりを隠しておきましょう。
5.タッチペンで傷口を補修する
タッチペンを使って傷口に塗料を塗ります。この際、塗料を気持ち多めに、たっぷり塗るようにしてください。塗料は乾燥すると縮まる性質があるため、塗る量が少ないとデコボコに見えてしまいます。
また、1度できれいに塗るのは難しいため、20分~30分程度の時間をおいて何度か上塗りしてください。乾燥させたときに、塗料が少し盛り上がる程度まで塗り重ねるのが理想です。塗料を塗り終えたら、5日〜8日ほど触らずに乾燥させましょう。
6.マスキングテープで傷周辺を隠す(2回目)
時間をおいて、塗料が完全に乾ききったら、もう一度マスキングテープを傷のまわりに貼ってください。この後、盛り上がった塗料を擦って平らにしていくため、マスキングテープを何枚か重ねて塗料の高さと同じになるようにしましょう。
7.耐水ペーパー・コンパウンドで磨く(2回目)
マスキングテープの準備ができたら、塗料を耐水ペーパーで磨いていきます。盛り上がっていた塗料が徐々に削れていくのに合わせてマスキングテープをはがし、最後の1枚になるまで磨きます。
塗料の盛り上がりがなくなり、表面が平らになったら、コンパウンドでさらに磨きます。注意点として、塗料を塗る前は「コンパウンド→耐水ペーパー」の順で磨きましたが、塗料を塗った後は「耐水ペーパー→コンパウンド」の順に磨いてください。コンパウンドのほうが研磨する粒子がより細かく、表面がなめらかに仕上がるためです。
8.ワックスでツヤ出しをする
傷とその周辺がなめらかな状態になったら、最後にふきんを使って丁寧にワックスを塗ります。ワックスは油分を含んでいるため、ツヤを出すだけでなく、汚れやホコリから塗装を守るコーティングの役割も担っています。ワックスがなじみ、ボディの表面にツヤが出たら補修作業は完了です。
おすすめのタッチペン
おすすめのタッチペンをご紹介します。初心者がタッチペンを選ぶ際は、自分の車のボディカラーに合ったものを選ぶことが重要です。カラーナンバーは、車のドア部分や、ボンネットの内側に記載されているので、確認した後に商品を選びましょう。
【タッチペン】
引用:楽天市場
引用:楽天市場
単品で販売されているタッチペンです。筆で塗るタイプで、コシのあるある筆先が塗料を均一に塗り広げます。ソフト99の公式サイトで、ボディカラーと一致するタッチペンが販売されているか検索できます。気になる方はチェックしてみましょう。
ソフト99|愛車のペイントカラー検索
【タッチペン完璧セット】
引用:楽天市場
引用:楽天市場
タッチアップに必要な道具が合わさった3点セットです。タッチペンは、細筆・塗料皿・専用うすめ液が入ったこだわりセットなので、とことんこだわって補修したい人に向いています。商品を開封したらすぐ補修に取り掛かれるのもうれしいポイントです。
深い傷や広い範囲の塗装剥がれは業者に依頼するのがおすすめ
画像出典:photoAC
深い傷や、範囲の広い傷は、初心者が補修するには難易度が高いため、修理業者に依頼した方が得策です。自力での補修をおすすめしない理由は2つあります。
- 深い傷の補修には多くの道具や手間がかかる
- 初心者がきれいに直すのは難しい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
深い傷の補修には多くの道具や手間がかかる
塗装の深い部分まで剥げて鉄板が見えているような傷は、修理業者に出した方がかえって安くつく場合があります。深い傷の補修は、下記の工程がそれぞれ発生するためです。
- 「色の層」の塗装を補修する工程
- 「クリア層」の塗装を補修する工程
- へこみがある場合はへこみを直す工程
このように、前述したコンパウンドとタッチペンそれぞれの作業が必要になるため、膨大な道具と作業工程が必要になり、素人が行うには費用と時間がかかりすぎてしまいます。
また深い傷がついた部分は、擦った衝撃でボディがへこんでいることが考えられるため、傷の補修だけでは済まない可能性が高いです。車のへこみを直すには、パーツを外して板金用のハンマーでたたいたり、細かいデコボコを丁寧に削って平らにならす必要があるため、初心者ではなかなか同じように補修することは難しいでしょう。
また、補修に慣れていない素人がこれらの工程をこなすのは、どこかで失敗してしまうリスクが非常に高いです。失敗してしまうと、余計な修理費用がかさんでしまうことを頭に入れておかなくてはいけません。
以上のことから、深い傷がついてしまった場合はなるべくプロの修理業者に依頼してきれいな状態に直してもらうのがおすすめです。
初心者がきれいに直すのは難しい
傷が浅い場合であっても、初心者が傷をきれいに直すのは難しいものです。補修に慣れていない点に加えて、下記のように自分では対処できないトラブルが発生しやすいためです。
補修の際に、傷の内部にサビを見つけてしまった場合は、サビ落としを利用してサビを除去する必要があります。ただサビは塗装の下に隠れているものなので、目視で確認しただけではなかなか範囲を把握しにくく、自分でサビを完全に除去するのはかなり難易度が高いです。サビがわずかでも残ったまま補修を進めてしまうと、塗装の内側でサビがジワジワと進行してしまい、気づかないうちにボディが劣化してしまう可能性があります。
また、車の塗装は月日の経過とともに劣化していくため、新車の頃に施された色合いからは退色や変色が進んでいることがほとんどです。そのため、メーカーで指定されているカラーナンバーのタッチペンを使用しても、色が微妙に合わなくなることがあり、補修を行った箇所が浮いて見えてしまうことがあります。修理業者では、現状の色合いに合わせて調色を行うため、違和感のない仕上がりが実現できますが、塗装経験のない初心者には難しいと言えます。完璧にきれいな状態に仕上げたいなら、修理業者への依頼を検討した方がいいでしょう。
業者に依頼する場合の費用
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修理業者に依頼した場合の、費用の相場を解説します。ただし傷ができたパーツや範囲によって、修理費用は大きく変動します。修理費用はあくまで費用の目安として参考にしてください。
【修理費用の相場】
傷の状態 |
|
修理費用 |
洗車傷 |
・薄くて細かい傷 ・水で濡らすと見えなくなる傷 |
1~2万円 |
飛び石傷 |
・へこみのない傷 ・1㎜以下の小さな傷 |
1~2万円 |
|
・へこみのある傷 ・1㎜以上の大きな傷 ・車体の下地が見える傷 |
3~5万 |
ひっかき傷 |
・小さなひっかき傷、擦り傷 ・爪に引っかからない程度の浅い傷 |
2~3万円 |
|
・範囲の広い線状の傷 ・車体の鉄板部分が見える深い傷 |
3~5万 |
大きく擦れた傷 |
・狭い範囲で塗装が剥がれただけの傷 ・鉄板が見えていない傷 ・へこみのない傷 |
3~5万 |
|
・車体の鉄板部分が見える深い傷 ・へこみのある傷 |
10~20万 |
※2022年7月調べ
車体の鉄板が見える程の傷は、パーツごと交換になる場合もあるため、修理費用は大きく変動します。ちゃんとした修理費用が知りたい場合は、修理業者に見積もりを取りましょう。傷の状態をプロの目でチェックし、必要な費用を算出してくれます。このとき、1つの修理業者から見積もりを取るのではなく、複数の修理業者から見積もりを取るのがベターです。適正な価格を知り、自分が納得した価格で修理の依頼を出せるためです。
修理業者への修理依頼は、失敗するリスクがないため、かえって時間とお金を節約できるかもしれません。浅い傷や、小さな傷であっても、自分で直せる自信がない場合は、修理業者に依頼しましょう。
車の傷消しが依頼できる業者は?
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傷の状態や程度の判断がつかない場合、なるべく早く修理業者に依頼するのがおすすめです。ただ、どこに依頼すればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。車についた傷の修理は、おもに下記の修理業者に相談できます。
それぞれの特徴やメリット・デメリットや注意点があるので、しっかり押さえて自分の納得できる修理業者に依頼しましょう。それぞれ詳しく解説していきます。
ディーラー
ディーラーに修理を依頼する場合のメリット・デメリットはこちらです。
メリット |
デメリット |
・仕上がりがきれいで安心感がある ・修理業者を探す手間がかからない ・預かりの場合は代車を貸してくれることも |
・費用が高い |
ディーラーに修理を依頼するメリットは、レベルの高い修理業者を探す手間がかからず、修理後の仕上がりがきれいになることが挙げられます。
厳密に言うと、ディーラーが修理依頼の窓口となって、契約している下請けの板金塗装工場で修理を行っています。ディーラーは車を売ることが専門なので、塗装の修理や板金はあくまでディーラーが提供しているサービスの一部に過ぎないためです。なので、ディーラーに塗装修理の依頼が来たら、そのまま板金塗装工場に修理依頼を出し、修理に回します。この中間マージン料があるため、ディーラーへ支払う修理費用は他の修理業者と比較して高額になる傾向があります。
ただ、ディーラーと契約している板金塗装工場は、その自動車メーカーの一定の基準をクリアしたレベルの高い工場のみです。塗料も社内の純正品を使用するので、色味がズレることもありません。仕上がりのレベルが高く、傷が元の状態に戻って返ってくるでしょう。修理にかかる時間が長い場合は、代車を貸してくれる場合もあるため、サービス面では充実しており、安心感があると言えます。
このように感じている方は、ディーラーに修理を依頼するのがおすすめです。
ガソリンスタンド・カーショップ
ガソリンスタンド・カーショップに修理を依頼する場合のメリット・デメリットはこちらです。
メリット |
デメリット |
・全国展開しており店舗が多い ・修理時間が短い
|
・大きな傷の場合、修理を断られる可能性がある |
ガソリンスタンドやカーショップに修理を依頼するメリットは、店舗数が多いことと、修理時間が短い点が挙げられます。
ガソリンスタンドやカーショップは、地域のいたるところにあるため、近くの店舗へ気軽に持ち込みやすいのが特徴です。修理を行うスタッフも多いため、簡単な塗装の修理ならその場でサッと修理してくれる場合がほとんどです。
ただし大きなへこみのある傷や、塗装が大きく剥がれた傷は、修理を断られる可能性があります。ガソリンスタンドやカーショップに依頼できる傷は、あくまでも軽度〜中度のその場で対応できる傷が対象です。重度の傷になると、板金や再塗装といった大がかりな修理が必要になるため、ほとんどのガソリンスタンドやカーショップでは対応しききません。
このように感じている方は、一度ガソリンスタンドやカーショップに持ち込んでみて、傷の具合を見てもらってからその後の判断をするのがおすすめです。
板金塗装工場
板金塗装工場に修理を依頼する場合のメリット・デメリットはこちらです。
メリット |
デメリット |
・費用が安い ・腕のいい板金屋なら仕上がりがきれい
|
・腕のいい板金屋を探す手間がかかる |
板金塗装工場に直接依頼する場合は、ディーラーと違って中間マージンを取られません。純粋な修理費用のみの支払いになるので、費用を安く押さえられるのがメリットです。傷の程度に関わらず、板金から塗装まで幅広い修理を行ってくれるので、断られる心配もありません。そして、腕のいい半金塗装工場に依頼すれば、納得のいく仕上がりになるでしょう。費用とクオリティどちらも重視したい人におすすめです。
ただ、腕のいい板金塗装工場を自分で探す必要があるため、やや手間がかかるデメリットがあります。直接工場に見積もり依頼を出したり、ネットで口コミを調べたりと、情報収集する必要があることを覚えておきましょう。
- 修理を依頼する手間が多少かかっても修理費用を安く抑えたい
- 腕のいい板金屋を見つけて、今後長く依頼していきたいと考えている
このように感じている方は、板金塗装工場に修理を依頼するのがおすすめです。
車の傷消しをするなら楽天Carキズ・修理がおすすめ!
画像出典:photoAC
車についた傷は、自分で補修できる傷と、修理に出すべき傷に分かれます。塗装の表面のみが剥がれた浅い傷は、コンパウンドやタッチペンを利用して自分で補修することが可能です。準備するものや工程はややかかり大変ですが、費用を抑えられるメリットがあります。
反対に、塗装が剥がれて下地が見えているような傷や、へこみのある傷は、自分で無理に直そうとせずはやめに修理業者に依頼しましょう。修理業者は、ディーラー・ガソリンスタンド・カーショップ・板金塗装工場などが挙げられ、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。傷の具合や予算を見て、修理業者を選ぶのがおすすめです。
ただ、自分で塗装の剥がれ具合を見て修理業者を選ぶのは難しいものです。無駄に高額な修理費用を払わないためにも、修理業者の比較サイトを使うという方法も便利です。
『楽天Carキズ修理』は、車の傷やへこみを修理してくれる業者を比較・予約できるポータルサイトです。
お近くの修理業者を一括で探せる上に、修理箇所の写真を送信するだけで見積もりも送ってもらえるので、家から出ずに見積もり業者を決められます。
楽天ポイントも貯まるので、修理で貯まったポイントでオトクに他の買い物ができるのもうれしいですね。
車の傷やへこみを直したい方は、『楽天Carキズ修理』でお近くの業者を比べてみてくださいね。
参考サイト
カー用品のジェームス|車の傷消し自分でやる時のポイント!初心者でも分かる対処法を徹底紹介!(参照日:2022-07-27)
https://www.jms-car.com/ask/sensya/repair/
カーコンビニ倶楽部 |小さな傷を自分で直すのは危険!DIY修理に潜むリスクを大公開(参照日:2022-07-27)
https://www.carcon.co.jp/column/article/2020022616/
コスモ石油販売|車に入った傷の種類別修理方法と料金相場(参照日:2022-07-27)
https://cos.cosmo-oil.co.jp/blog-detail/1/1000000369/
洗車の王国|手洗い洗車・カーコーティング専門店(参照日:2022-07-27)
https://sensha-kingdom.com/
株式会社ソフト99|TOP(参照日:2022-07-27)
https://www.soft99.co.jp/
車の傷のDIY補修・塗装なら補修ナビ|カラーナンバーの調べ方(参照日:2022-07-27)
https://www.99kobo.jp/paint/number.html
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