2022-05-25
車の塗装剥がれはDIYできる!?やり方や業者に依頼した方がいい場合についても解説
画像出典:photoAC
車の塗装が剥がれてきたら、DIYで修理も可能です。ただし広範囲の場合は色ムラなどのリスクもあります。本記事では、車の塗装をDIYで直す場合の方法や注意点を解説します。失敗せずに塗装したい方は、参考にしてください。
「買ったばかりの新車に傷がついてしまった!」
「長年乗っている車の塗装が剥がれてきてしまった・・・」
そんな時、自分で塗装できたら出費も抑えられて助かりますよね。本記事では、ご自身で車の塗装剥がれをDIYできる方法をご紹介します。
色ムラなどで失敗しないよう、うまく塗装するための注意点や業者に依頼した方が良い場合についても解説。失敗せずに車の塗装をしたい方は、参考にしてください。
車の塗装の剥がれはなぜ起きる?
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車の塗装剥がれの原因は、大きく分けて2つに分けられます。1つは外的衝撃による剥がれ、もう1つは経年劣化です。
具体的には、次のような要因があります。
- 壁などへの擦れ
- 飛んできた小石による傷
- 雨などの水滴によるダメージ
- 紫外線による塗装の劣化
- 汚れによる塗装の酸化
塗装剥がれの原因で1番多いのが、壁や木の枝などに車を擦ってしまうことによってできる傷です。一度傷ができてしまうとそこからサビが進んだり、さらに塗装剥がれが進んだりするので、なるべく早く対処するようにしましょう。
擦れによる傷は比較的気付きやすい一方、飛んできた小石によってできる傷「チッピング傷」は、自分でも気付かないうちに傷ができているという特徴があります。いつの間にか細かな傷ができて塗装剥がれが進んでしまうということがあるので、注意が必要です。
経年劣化の原因としては、雨などの水滴や紫外線、汚れといった要因があります。
車に付く水滴には洗車に使う水道水と雨水の2種類がありますが、実はどちらも放置すると塗装剥がれの原因となります。
水道水に含まれるカルキや塩素といった成分は、そのまま乾燥させると白いシミとして残り、塗装のダメージの原因となります。さらに雨水も大気中の排気ガスや黄砂などが混じって酸性雨となっているため、車に降り注ぐことで塗装が酸化し、剥がれてしまうのです。
水による塗装剥がれを防ぐには、雨に濡れた痕や洗車後はしっかり水気を拭き取るようにしましょう。
また紫外線も塗装成分の分子を破壊してしまう性質があるため、車を使わない時はなるべく屋根付きの車庫に入れるか、車体カバーを被せることが大切です。
大気中の埃や鳥のふんなどにも、塗装を酸化させる成分が含まれています。面倒くさがらずに洗車をして、車体をきれいに保つよう心がけましょう。
DIYで直せる塗装剥がれの範囲は?
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それでは、車の塗装剥がれはどの程度までならDIYで直せるのでしょうか?
基本的には塗装の範囲が狭ければ狭いほどリスクが低く、初心者でも挑戦しやすいと言えます。
細かな擦り傷や小さなチッピング傷
壁や枝などに擦ってしまった傷や、小石による小さなチッピング傷は、タッチアップペンというペンタイプの塗装剤を使えば比較的簡単に直すことが可能です。
ドアやバンパーなどの一面に広がる傷
ドア一枚に大きくついた傷や、バンパーの塗装の劣化などは、スプレーやローラーなどを使えばDIYでも修理が可能です。ただしタッチアップペンで修理できる範囲よりも広範囲になるため、失敗をすると目立ちやすいというリスクがあります。
車全体の塗装
車全体の塗装をする場合も、DIYであればスプレーやローラーで修理することになります。
しかしその場合は部品の取り外しや養生などにも時間がかかるため、3~4人での作業が必要となるでしょう。
作業が大掛かりとなる上に、失敗すると取り返しがつかないため、よほど塗装に慣れた人が側にいない限りは業者に頼むのがおすすめです。
タッチアップペンで直す方法
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車についた細い擦り傷や小さなチッピング傷などは、タッチアップペンと呼ばれるペンタイプの塗装剤で修理が可能です。
こちらではタッチアップペンを使った塗装方法をご紹介します。
必要な道具と費用
タッチアップペンによる塗装に使用する道具と費用の目安は、以下の通りです。
【タッチアップペン】引用:楽天市場
【専用スポンジ付きコンパウンド】引用:楽天市場
【シリコンオフ】引用:楽天市場
【マスキングテープ】引用:楽天市場
【ワックス】引用:楽天市場
【台所中性洗剤】引用:楽天市場
タッチペンで直す手順
タッチアップペンを使った塗装は、以下の手順で行っていきます。
- 傷周辺の汚れを落とす
塗装中に小さな汚れや油分が入ってしまうと、塗装の見栄えの悪化や、すぐに塗装が剥がれる原因となってしまいます。まずは台所用中性洗剤を使って、傷周辺の汚れをきれいに洗い流しましょう。
- シリコンオフで脱脂する
汚れを落とした傷表面にシリコンオフを吹きかけて、脱脂していきます。
- 傷の周囲にマスキングテープを貼る
不要な箇所にタッチアップペンを塗ってしまわないよう、傷の周囲をマスキングテープで養生します。
- 傷をタッチアップペンで塗装する
汚れを落とし、マスキングテープで養生したら、いよいよタッチアップペンで塗装していきます。
タッチアップペンを塗るときのポイントは、伸ばして塗るのではなく、少しずつ点を打って傷の溝を埋めるように塗ることです。タッチアップペンは何回かに分けて塗っていくので、ある程度塗料を塗ったら一度乾かします。
- タッチアップペンを乾かす
タッチアップペンを塗ったら20分前後乾かします。必要に応じてドライヤーの冷風を充てても良いでしょう。
- 4と5を3回ほど繰り返す
塗料が周囲よりも少し盛り上がる程度まで、4と5の工程を3回ほど繰り返します。
- 塗料が完全に乾くまで1週間ほど待つ
塗料を完全に硬化させるために、1週間ほど待ちます。この間は運転もできますが、雨の日の運転や、塗料に触れることなどは避けるようにしましょう。
- コンパウンドで磨いていく
塗装表面がなめらかになるまで、コンパウンドで磨いていきます。この際も必要に応じて養生をすると安心です。
- ワックスで艶出しをする
最後に傷があった部分にワックスをかけて、艶出しをしたら完了です。
ハケやローラーで直す方法
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車の塗装が比較的広範囲な場合は、ハケやローラーでのDIYも可能です。こちらでは、ハケとローラーで車の塗装をする方法をご紹介します。
必要な道具と費用
ハケとローラーで塗装をする際に必要な道具と費用の目安は、以下の通りです。
【ローラー】引用:楽天市場
【ローラーハンドル】引用:楽天市場
【ハケ】引用:楽天市場
【マスキングテープ】引用:楽天市場
【ビニール】引用:楽天市場
【ポリ手袋】引用:楽天市場
【サンドペーパー】引用:楽天市場
【ウエス】引用:楽天市場
【シリコンオフ】引用:楽天市場
【プラサフ】引用:楽天市場
【バケツ】引用:楽天市場
【クリアペイント】引用:楽天市場
ハケやローラーで直す手順
ハケとローラーで塗装をする際は、以下の手順で行っていきます。先に洗車をして車体をきれいにしておくのを忘れないようにしてくださいね。
- 養生をする
まずは塗料を塗りたくない部分を養生していきます。ナンバープレートやエンブレムなど、取り外せるものは予め外しておきましょう。
先に窓やライトなどのキワにマスキングテープを貼り、隙間を埋めていきます。その後窓やライトなど汚したくない部分にビニールや新聞紙を被せていきましょう。
- 足付けをする
車の塗装をする際は、塗料がよく付着するように表面を凸凹にする作業をします。この作業が『足付け』です。サンドペーパーで表面を削り、ツルツルの塗膜を凸凹にしていきます。
- 脱脂をする
足付けが終わったら、脱脂用シンナーを含んだウエス(布)で車体を拭き、脱脂していきます。車体にはワックスやコーディング剤、排気ガスなどの汚れが残っており、塗料の劣化を早める原因になるので、脱脂によって油分を除去します。
- 下地を塗る
脱脂をしたら、塗料を塗る前にプラサフなどの下地剤で下地を塗っていきます。
- 塗料を混ぜる
下準備が終わったら、塗料や硬化剤、シンナーを混ぜていきます。塗料は使う前によくかき混ぜる必要がありますので、蓋を空ける前に缶を振ったり、ハケなどで底から混ぜたりしましょう。塗料をよくかき混ぜたら、メーカーごとに定められた配分で、塗料や硬化剤、シンナーを混ぜていってください。
- 塗装をする
塗料ができたら、いよいよ車体に塗料を塗っていきます。キワの部分など細かいところを先にハケで塗り、その後大きな面をローラーで塗っていくのがポイントです。一度では塗りムラが残ってしまうので、一度塗ったら乾かして、3回ほど塗り重ねていきましょう。
- 足付けをする
塗料が乾いたら、クリア塗装のために足付けをします。つや消しの場合は不要です。
- 脱脂をする
クリア塗装がしっかり付着するように、油分を拭き取ります。
- クリア塗装剤をかける
塗装した面の上から、クリア塗装剤を塗っていきます。
- 乾かす
1週間ほど放置して、しっかり乾くのを待ちましょう。
- 磨き上げて光沢を出す
最後に少し凸凹した表面をコンパウンドで磨き上げ、完了です。
スプレーで直す方法
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塗装の範囲が比較的広範囲な場合、スプレーで直すという方法もあります。こちらではスプレーで塗装をする場合の手順を解説していきます。
必要な道具と費用
スプレーで塗装する場合の道具と費用の目安は以下の通りです。
【サンドペーパー】引用:楽天市場
【専用スポンジ付きコンパウンド】引用:楽天市場
【マスキングテープ】引用:楽天市場
【ビニール】引用:楽天市場
【シリコンオフ】引用:楽天市場
【クリアペイント】引用:楽天市場
スプレーで直す手順
スプレーで塗装をする手順は、以下の通りです。先に洗車をして汚れを落としておくことを忘れないようにしましょう。
- 養生をする
スプレーが飛んだり、足付けで余計な箇所を削ったりすることがないよう、塗装を擦る箇所以外はマスキングテープやビニール・新聞紙などでしっかり養生しておきましょう。
- 足付けをする
スプレーがしっかり付着するように、サンドペーパーで塗料を剥がして足付けしていきます。金属板まで削らないように、なるべく目の細かいサンドペーパーから慎重に試していきましょう。
- 脱脂する
足付けで削った塗料を洗い流し、しっかり水気を取ってから、シリコンオフで脱脂をして油分を拭き取ります。
- 下地処理をする
プラサフを吹きかけて、塗料の下地を作ります。液溜まりにならないよう、薄塗を繰り返すようにしましょう。
- カラー剤をかける
下地処理が終わったら、カラー剤を薄く吹きかけていきます。いきなり厚く塗るのではなく、薄く重ね塗りしていく気持ちで吹きかけていきましょう。
- ボカシ剤をかける
一度カラー剤を塗ったら、塗りムラをなじませるためにボカシ剤を吹きかけていきます。
- 5と6を繰り返す
色ムラがなくなるまで、5と6を繰り返します
- 足付けをする
一日乾かしたら、クリア塗装のために足付けをします。つや消しの場合は不要です。
- 脱脂する
クリア塗装がしっかり付着するように、油分を拭き取ります。
- クリア塗装剤をかける
カラー剤と同じ要領でクリア塗装剤を吹きかけていきます。ボカシ剤は不要です。
- 乾かす
1週間ほど放置して、しっかり乾くのを待ちましょう。
- 磨き上げて光沢を出す
最後に少し凸凹した表面をコンパウンドで磨き上げ、完了です。
DIYで補修する場合の注意点
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車の塗装をDIYする場合は、以下の点に注意が必要です。
- 色ムラにならないように薄く重ね塗りする
- 暑すぎる日や雨の日は避ける
- 数日~1週間は車を使えない
塗装をDIYする際に一番気を付けたいのが、色ムラです。一回で塗装がきれいにならないと厚塗りしてしまいたくなりますが、塗装は薄く重ね塗りが鉄則。重ね塗りをしないとスプレーやハケ、ローラーの型も残ってしまいますので、慎重かつ丁寧な作業を心がけましょう。
塗料には、塗料を固める硬化剤が含まれており、気温が高いほど固まりやすいという性質があります。夏場は塗料がすぐに固まってしまうため、スピード感がある作業が難しい初心者の方は、秋や春先など涼しい時期を狙いましょう。
また、寒すぎたり雨が降っていたりすると、塗料の乾きが悪くなってしまいます。作業をする日は、晴れていて気温が高すぎない時期を選ぶのがおすすめです。
さらに、自分で塗装をDIYする際は、作業自体の工数や塗料の乾燥などを含めて数日~1週間ほどは車が使えない可能性があります。
特に広範囲の塗装は乾くのにも時間がかかり、運転をするとゴミなどが付着するリスクもあるため、完全に乾くまでは運転を避けた方が無難です。
広範囲の塗装の際は、数日~1週間車を使わずに済むスケジュールを立てるようにしましょう。
業者に依頼した方がいい場合とは?
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車の塗装はDIYでも可能ですが、作業に慣れていないと色ムラが生じたり、数日間車が使えなくなったりする可能性があります。
「車の塗装は初めてで作業に自信がない」
「なるべく早く車を使いたい」
という場合は、業者へ依頼した方が確実でしょう。
業者の場合は高度な塗装技術を持っているのはもちろん、高機能な材料や機材も持ち合わせているので、1日で塗装が完了する場合もありますし、作業日数がかかる場合、代車を用意してくれる業者もあります。
以下の記事でも解説していますが、小さな傷であれば当日中の塗装が可能です。
関連記事:板金塗装の値段相場はどれくらい?DIYで直す方法や費用も解説
お金を節約するためにDIYをするのも良いですが、結果的に多くの労力と時間を浪費してしまう場合もあるので、プロにお願いするのもいいでしょう。
塗装にあまり自信がない、早く塗装を終わらせたいという場合は、お近くの業者へ相談してみましょう。
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画像出典:photoAC
車の塗装剥がれをDIYする際は、以下3つの方法があります。
- タッチアップペンで直す
- ハケとローラーで直す
- スプレーで直す
タッチアップペンで直せるような小さな傷であれば比較的簡単ですが、ハケやローラー、スプレーじゃなければ直らない広範囲の塗装剥がれは、色ムラに注意が必要です。
ぜひ本記事を参考に、色ムラのないきれいな塗装をしてみてくださいね。
「車の塗装はしたことがないから自分でできるか不安」
「車の塗装が終わるまで何日も待てない」
そんな方は、迅速・確実に作業をしてくれるプロの業者へ依頼するのがおすすめです。お近くの塗装業者を探して、作業日数や費用の見積もりをしてもらいましょう。
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参考サイト
イオンデポジットとウォータスポットの原因と5つの対策を解説|トータルカービューティIIC(2022-04-28)
https://www.pro-iic.com/column/iondeposit.php
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