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イオンデポジットを除去する方法とは？原因や予防方法についても解説

2022-05-30

イオンデポジットを除去する方法とは？原因や予防方法についても解説

画像出典：photoAC

イオンデポジットは、車に付着した水滴が乾燥して発生する白い水垢です。この記事では、イオンデポジットの発生原因や除去方法、予防対策について解説します。イオンデポジットに関する知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

「ボンネットや窓ガラスに白いしみがついている」「この間洗車したばかりなのに、もう汚れている」こんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。車の外装や窓ガラスが雨や水道水で塗れると、その後にイオンデポジットと呼ばれる白い水垢が発生することがよくあります。

イオンデポジットは水滴が蒸発、乾燥する過程で発生する水垢であり、放置するとなかなか除去することができない厄介な存在です。状態によっては自分で除去することもできますが、悪化してしまった場合には研磨や再塗装が必要になるケースもあるため注意しなければいけません。

この記事では、イオンデポジットの発生原因や除去方法、予防方法について詳しく解説します。車に付いた水垢の正体と有効な除去方法、予防方法が知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

・イオンデポジットとは？
・イオンデポジットとウォータースポットの見分け方
・イオンデポジットを除去する方法
・イオンデポジットを防ぐ方法
・手洗い洗車とコーティングを行うなら楽天Car洗車・コーティング
・参考サイト

イオンデポジットとは？

画像出典：photoAC

イオンデポジットは、車の外装部分に付着した白い水垢のことです。リング状の姿形をしており、一度付着してしまうと簡単には取り除くことができません。イオンデポジットは、車の塗装面や窓ガラスに付着した雨や洗車時の水道水が原因で起こります。車体に付着した水が蒸発して乾燥する過程で水分に含まれる不純物が塗装面に残留し、白く濁った水垢、しみとなって塗装面やガラス面に強固にこびりついてしまいます。

イオンデポジットの原因となるのは、「水滴」と「熱」です。雨には空気中に漂うホコリやちり、排気ガス（窒素酸化物や硫黄酸化物）、花粉、黄砂などのさまざまな不純物が含まれています。車体に付着した雨が蒸発すると、これらの不純物が固形化して残ります。さらにそこに日光やエンジンの熱が加わると、不純物と車の外装との接着が強固になり、こびりついてなかなか取ることができない水垢汚れとして定着してしまうのです。

洗車の際に使用する水道水や井戸水にも、雨同様さまざまな不純物が含まれています。水道水には塩素やカルシウム、ミネラル分が含まれており、塩素分が多い地域の水道水は特にイオンデポジットが発生しやすい傾向にあります。また井戸水や地下水には水道水以上のミネラル分、鉄分、雑菌などの不純物が含まれているため、イオンデポジットをはじめとした水垢の発生率が非常に高いのが実情です。この点から、洗車に井戸水や地下水を使用するのは、できるだけ避けたほうがよいでしょう。

イオンデポジットは白い輪ジミのように見えますが、拡大してみると水垢の外周部分が不純物によって表面から盛り上がっているのが見て取れます。リング状に小さな隆起ができている状態であり、水がかかると同じ場所に水滴がたまってしまうため、さらに不純物が蓄積するという悪循環が生じます。イオンデポジットは外装表面に付着した汚れであるため、重度でなければ自分で除去することも可能です。

しかし「ウォータースポット」と呼ばれる状態まで悪化してしまうと、ほとんどの場合自分で除去することはできません。ウォータースポットとは、イオンデポジットがさらに塗装の組織内部にまで浸食して塗装面が陥没している状態のことです。擦り傷などと同様に塗装に傷がついている状態であるため、水洗いや拭き取りなどでは対処できません。研磨作業を伴うことがほとんどであり、個人の手できれいに仕上げることは困難であるため、専門業者に依頼する必要があります。

イオンデポジットとウォータースポットは見た目が似ており、どのように見分けるのか分からない方は多いかと思います。次項では、イオンデポジットとウォータースポットの見分け方について詳しく解説していきます。

イオンデポジットとウォータースポットの見分け方

画像出典：photoAC

イオンデポジットとウォータースポットは一見似たような見た目をしていますが、よく見ると両者には明確な違いがあります。

イオンデポジットとウォータースポットの違いは、以下の通りです。

【イオンデポジットとウォータースポットの違い】

	見た目	発生する原因	対処方法
イオンデポジット	白い斑点状で塗装面が凸凹している	・車体に付着した水滴が蒸発していく過程で不純物が残り発生する・車体の温度が急激に上昇する状況（炎天下やエンジンに熱がこもった状態など）で発生しやすい	・軽度の場合：洗車・重度の場合：イオンデポジット専用クリーナー
ウォータースポット	白い斑点状で塗装面が凸凹している	塗装に付着した水滴がレンズの働きをして日光の熱を集め、塗装面が焼けたり陥没したりした状態（イオンデポジットがさらに悪化した状態）	・軽度の場合：コンパウンド入りワックス剤・重度の場合：専門業者に依頼

ウォータースポットは、イオンデポジットが悪化して起こる現象です。イオンデポジット、ウォータースポットが発生するまでには、以下のような経過をたどります。

【イオンデポジット、ウォータースポットが発生するまでの流れ】

雨や水道水、井戸水、地下水などの水分が車体に付着する
日光やエンジン熱などで車の表面温度が上昇し、水分が蒸発して乾燥する
水に含まれる不純物が塗装面上に積もる（＝イオンデポジットが発生）
イオンデポジット（リング状に積もった不純物）がダムのような環境を作りだし、雨や水道水などをその場にため込むようになる
溜まった水に含まれる酸が塗装組織を腐食していく（＝ウォータースポットの発生）

イオンデポジット特有の見た目は、白いリング状の水垢によるまだら模様です。水に含まれる不純物が蒸発する過程で水滴の外周部に集まり、リングのような形を形成します。イオンデポジットはウォータースポットの前段階であり、汚れが外装表面に付着しているだけの状態です。そのため、除去作業は比較的簡単に済みます。

ウォータースポット特有の見た目は、凸凹した白い斑点状の水垢です。イオンデポジットにも細かな隆起が見られますが、これは外装表面が盛り上がっている状態で外装の組織内部の陥没は見られません。ウォータースポットは腐食が塗装組織の内部にまで及んでしまっているため、除去作業は困難を極めます。軽度であれば研磨作業で除去することができますが、腐食が深い層まで進行している場合は再塗装を行うしかありません。

イオンデポジットは見つけ次第早急に対処すれば、完全に除去することができるものです。次項では、イオンデポジットを除去する方法について解説していきます。

イオンデポジットを除去する方法

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イオンデポジットの除去にあたって、まずはその汚れが自分で対応できるものなのか、業者に依頼しないと難しいものなのかを判断する必要があります。

自分で対応できるイオンデポジットの状態は以下の通りです。

塗装やガラスの表面に水垢が付着している状態（＝イオンデポジット）

水垢が塗装の組織内部にまで浸食しているが、傷の深さが浅い場合（ウォータースポット）

イオンデポジットなのかウォータースポットなのかの判別は、できるなら顕微鏡で行うのが理想ではありますが、なかなか顕微鏡を持っている方は少ないかと思います。その場合には、見た目から判断することになります。

イオンデポジットは湿らせたクロスで拭き取ると、水がまだら状に残ります。この状態であれば、自分で除去対応できると判断してよいでしょう。一方、ウォータースポットは同様のクロスで拭き取ると水の残り方は自然できれいなのですが、光を反射させて見てみるとリング状の跡が浮かび上がるのが特徴です。指で触ってみて凸凹した感触がそれほどなければ浸食が軽度である可能性がありますが、判断が非常に難しいため、迷う場合は専門業者に依頼しましょう。

本項では、イオンデポジットを自分で除去する方法と、業者にお願いする方法について解説します。

自分で除去する方法

イオンデポジットはアルカリ性の性質があり、中性洗剤の洗車用シャンプーでは効果が期待できません。そのためイオンデポジットの除去には、酸性のクエン酸を含む専用クリーナーを使用するのがおすすめです。

除去の手順は、以下の6ステップで行うのが基本です。

カーシャンプーで全体的に洗車する
クロスで水分をしっかり拭き取る
専用クリーナーをクロスやスポンジに取り、汚れがある箇所に塗布する
1～3分ほど放置する
再度専用クリーナーを塗布する
クリーナーを水拭きでしっかりと拭き上げる

車には気づかないうちにホコリやちり、泥、花粉などのさまざまな汚れが付着しています。汚れが付着したまま除去用クリーナーを塗ってしまうと、汚れを巻き込んで塗装に傷がついてしまう恐れがあるため、事前にしっかりと洗車を行うことが大切です。

洗車後は、水分が残らないよう念入りに拭き取ります。水滴の拭き取りにはフェイスタオルやバスタオルなどのタオル類ではなく、繊維が細かく傷がつきにくいマイクロファイバークロスを使用しましょう。

イオンデポジットの場合には専用クリーナーの塗布のみで問題ありませんが、陥没が生じているウォータースポットの場合には研磨作業が必要です。ウォータースポットの除去方法については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、イオンデポジットの除去作業は屋外や車体が熱を持っている状況では行わないようにしましょう。

業者にお願いする方法

イオンデポジットの除去サービスは、以下の業者で行っています。

カーディーラー
コーティング専門業者
カー用品店
ガソリンスタンド

各業者のイオンデポジット除去にかかる費用の相場は、以下の通りです。

カーディーラーのイオンデポジット（水垢）除去費用の一例
参考として、トヨタの「撥水泡コート」の料金を紹介します。撥水泡コートは、羊毛100％のムートンを使用した手洗い洗車サービスです。水垢などの汚れを除去した後にコーティングも行うもので、1カ月間の撥水効果と艶感を得ることができます。

【トヨタの撥水泡コートの料金】

車両サイズ（車種）	料金
スモールクラス（軽自動車、コンパクトカー（5ナンバー車））	2,310円/回
ミディアムクラス（セダン、ステーションワゴン、クーペ（3ナンバー車））	2,750円/回
RV・ワンボックスクラス（RV、SUV、ミニバン、ワンボックス、レクサス全車）	3,300円/回

※引用：撥水泡コート｜トヨタカローラ南海

コーティング専門業者のイオンデポジット除去費用の一例
コーティング専門業者で行うイオンデポジット除去は、コーティングメニューの一貫として組み込まれているものがほとんどです。コーティング料金が上乗せされるため、その分料金は高額になります。中にはイオンデポジットをはじめとした水垢除去単独のメニューを提供しているところもあり、その場合の料金相場は5,000〜10,000円弱程度です。

以下に参考として、コーティング専門店「トータルカービューティIIC」のコーティングメンテナンス（車の外装に付着した雨染み水垢除去メニュー）の料金を紹介します。

【トータルカービューティIICのコーティングメンテナンス（コース名：ライトメンテナンス）の料金】

車両サイズ	料金
SS（MRワゴン、アルト、ラパンなど）	14,100円
S（アクア、ヴィッツ、マーチなど）	15,800円
M（キューブ、ソリオ、プリウスなど）	17,600円
L（ヴェゼル、オデッセイ、クラウンなど）	19,300円
LL（ハリアー、ランドクルーザープラドなど）	22,800円
XL（ランドクルーザー、レクサスLXなど）	24,600円

※引用：コーティングメンテナンス｜トータルカービューティIIC

カー用品店のイオンデポジット除去費用の一例
カー用品店でも、イオンデポジットなどの水垢除去のメニューを提供しています。店舗によって料金が異なりますが、1,500〜3,500円程度が相場です。

以下に参考として、オートバックスで簡易コーティング、キープコーティングのオプションメニューとして提供している水垢除去の料金を紹介します。（オプションメニューのため、単体での利用はできません）

【オートバックスの水垢除去の料金】

車両サイズ	料金
軽	1,650円
SS（アクア、キューブ、インサイトなど）	1,870円
S（プリウス、フリード、ティーダなど）	2,200円
M（クラウン、GT-R、オデッセイなど）	3,080円
L（アルファ―ド、ヴォクシー、ステップワゴンなど）	3,080円
LL（メガクルーザー、キャラバンハイルーフなど）	3,630円

※引用：洗車関連｜オートバックス東神奈川

ガソリンスタンドのイオンデポジット除去費用の一例
ここ数年で、ガソリンスタンドに併設する形で店舗を置くコーティング専門店が軒並み増えてきています。その代表ともいえるのが、カーコーティングと洗車を専門に行う「keePer」です。イオンデポジット（水垢）除去単体のメニューはありませんが、他社に比べても割安な料金で水垢除去+コーティングを行ってくれるのは強みといえます。

以下で、KeePerが提供するコーティングメニューの中で最も安価なピュアキーパー（ポリマーコーティング）の料金を紹介します。

【KeePerのピュアキーパーの料金】

車両サイズ	料金
SS（N-ONE、ハスラー、ワゴンRなど）	5,990円
S（スペーシア、アクア、フィットなど）	6,410円
M（プリウス、インサイト、キューブなど）	7,040円
L（ヴェゼル、クラウン、レガシィなど）	7,560円
LL（CX5、アルファ―ド、ステップワゴンなど）	8,820円
XL（ハイラックス、ハマーH2など）	10,600円

※引用：ピュアキーパー｜KeePer LABO

イオンデポジットの除去費用は業者によって異なるものの、状態がひどければその分費用は高額になります。後々の出費を抑えるためにも、できるだけイオンデポジットを発生させないよう日ごろから対策を取っていくことが大切です。

次項では、イオンデポジットを防ぐ方法について解説していきます。

イオンデポジットを防ぐ方法

画像出典：photoAC

イオンデポジットは、車体に長時間付着した水滴が乾燥することで起こります。そのため、イオンデポジットを防ぐためには、できるだけ車をきれいな状態で保つことが大切です。本項では、イオンデポジットを防ぐ方法と注意点について解説していきます。

1.こまめに洗車をする

イオンデポジットを防ぐ方法として最も有効なのは、洗車です。雨や水道水が付着したまま長時間放置すると、その水滴が乾燥して水垢として定着してしまいます。また鳥のフンや植物性の汚れ、融雪剤などは特にイオンデポジットができやすいため、汚れの有無に関わらず定期的な洗車を習慣づけましょう。洗車の頻度は、水垢が目立ちやすい濃色車で1カ月に3回程度を目安にするのがおすすめです。

また水分が蒸発しやすい環境はイオンデポジットの発生を誘発するため、洗車方法、洗車環境にも注意を払う必要があります。洗車は、以下の条件を満たした環境で行いましょう。

直射日光が当たらない場所
車体が熱を持っていない

車体が熱を持っていると水分がすぐに蒸発してしまい、水垢の原因となります。そのため、洗車する際は塗装面を触って冷えているかを必ず確認するようにしましょう。また直射日光も同様に、水分の乾燥スピードを速めます。できるだけ日光が当たらない日陰や、日が出ていない早朝、夕方～夜間などの時間帯を選ぶとよいでしょう。

2.地下水を洗車で利用しない

地下水にはミネラルやカルシウムが豊富に含まれており、イオンデポジット発生原因となります。洗車後にしっかりと水分を拭き取ったとしても塗装面に残るため、洗車に使用する水としては不向きです。地下水によって付着したイオンデポジットは専用クリーナーを用いても除去することができないものが多く、場合によってはウォータースポットまで進行してしまって研磨や再塗装が必要になるケースもあります。

「地下水を使用した洗車は必ず水垢が付着する」と考え、できるだけ地下水による洗車は避けましょう。コイン洗車場の中には地下水を使用しているところがあるため、洗車場を利用する際はあらかじめ何の水を使用しているのか確認することをおすすめします。地下水で洗車してしまった場合は、洗車後にイオンデポジット除去用クリーナーなどで塗装、窓ガラス面をクリーニングすることが大切です。

3.コーティングを行う

親水性のガラス系、ガラスコーティングは、イオンデポジットの防止に有効です。親水コーティングは水滴が塗装面に残りにくく、イオンデポジットの付着を大幅に防ぐことができます。撥水タイプや疎水タイプなどの水弾きの中で最も水垢が発生しにくく、雨が降ると汚れを自動的に落としてくれるセルフクリーニング効果を備えているため、洗車の頻度も減らすことができるという優れものです。

親水性コーティングを行った場合の洗車頻度の目安としては、以下の通りです。

青空駐車の場合：月1回程度
屋内駐車（屋根付き）の場合：月1回程度

ただし、親水性コーティングを行ってもイオンデポジットの発生を完全に防ぐことはできません。コーティングの有無に関わらず、イオンデポジットは車が「汚れる」「塗れる」「乾燥する」環境があれば発生します。汚れが付着していたり雨に濡れたりした場合は、できるだけその都度洗車を行うようにしましょう。

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画像出典：photoAC

この記事では、イオンデポジットについて解説しました。

イオンデポジットは雨や水道水が車に付着し、乾燥することで起こります。放置した期間が長くなればなるほど汚れが強固にこびりついて除去することが困難になるため、見つけたらできるだけ早く対処しましょう。

イオンデポジットの除去は自分で行うこともできますが、不安な方は専門業者に依頼するのがおすすめです。専門業者ではイオンデポジットをはじめとした水垢除去メニューや、予防対策として効果的なコーティングを行っています。

手洗い洗車やコーティングは、専門業者に依頼した方がきれいな仕上がりと高い持続性が期待できます。

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参考サイト

イオンデポジットについて（参照日：2022-4-21）
https://www.revolt-himeji.com/topics/000205/

VOODOORIDE製品の組み合わせや使い分け（参照日：2022-4-21）
https://www.voodooride.jp/sp/column/?id=1618560406-659926