2021-09-01
ブレーキパッドの交換時期や費用は?定期的に交換しないと車検は不合格になるの?
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ブレーキパッドの交換時期を正しく理解していますか?車の安全性に関わるパーツなので、定期的なメンテナンスが必要です。ブレーキパッドを交換すべき時期や費用、車検での保安基準や放置したときの危険性について解説します!
「ブレーキパッドはいつ交換すべき?」「交換費用はどのくらいかかるの?」と、ブレーキパッドについて知りたいと思っていませんか?車に欠かせないパーツですが、役割や劣化を放置したときの危険性はもちろん、交換の必要性についてもあまり詳しく理解できていないという人も少なくないでしょう。
そこで本記事では、ブレーキパッドについて詳しく解説します。安全走行のためにとても重要な役割を果たすパーツなので、正しく理解し、必要に応じて交換を行いましょう。
ブレーキパッドとは?
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ブレーキパッドとは、タイヤ部分に取り付けられており、タイヤの回転を止めて車を停止させる役割を担っているパーツです。
まず、車のブレーキ構造には次の2種類あり、それぞれタイヤの回転を制御するパーツが異なります。
ブレーキ構造 |
タイヤの回転を制御するパーツ |
ディスクブレーキ |
ブレーキパッド |
ドラムブレーキ |
ブレーキシュー |
この2種類の内、ディスクブレーキという構造を構成するパーツがブレーキパッドです。ディスクブレーキは、タイヤに連動して回転する円盤状のパーツ(ディスクローター)を、両側からブレーキパッドで挟むことで制御し、車を停止させます。つまり、ディスクブレーキシステムの車ではこの部品がなければ車が止まりません。
ブレーキを踏むと車が止まるのはブレーキパッドの働きによるものなので、劣化や不具合などがある状態まま使い続けるのは非常に危険なことです。
ブレーキパッドの交換費用と交換方法
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まず、ブレーキパッドの価格相場は、フロント、リアそれぞれ3,000~10,000円程度です。前後(車1台分)で購入すると、6,000~20,000円必要になります。商品によってさまざまですが、外車やスポーツカー用のものは比較的価格が高いです。
さらに、業者で交換を依頼した場合は作業工賃、自分で交換する場合は工具の購入費用などがかかります。ここでは、それぞれの交換費用と方法を確認していきましょう。
業者に依頼して交換した場合
業者に交換を依頼する場合、先ほど紹介した部品購入費用に加えて作業工賃が必要です。フロント、リアそれぞれ6,000~10,000円程度かかるので、車1台分だと12,000~20,000円が工賃の目安となります。部品代と合わせて1回の交換で合計18,000~40,000円の予算を見ておきましょう。
ブレーキパッドの交換は、分解整備という整備に含まれており、国から認められた認証工場にて依頼することができます。近年はガソリンスタンドやカー用品店でも認証工場として認可されている店舗が増えてきているので、まずはお近くのお店に確認してください。認証工場以外での作業は違法となるので、認証工場の表示なく分解整備を受け付けている業者には注意しましょう。
分解整備ができる認証工場であれば予約を取り、当日車で来店します。作業にかかる時間は30分から1時間ほどです。
自分で交換した場合
続いて、自分で交換するときの費用や方法を解説します。認証工場以外で分解整備は違法になると前述しましたが、自分の車を自分で整備する場合は問題ありません。
ただし、安全面で非常に重要なパーツであるため、車の整備初心者や、作業内容に少しでも不安がある人は無理をせずプロに依頼するようにしてください。
自分でブレーキパッドを交換するときに最低限必要となる工具とその価格相場は次の通りです。
【工具の費用】
ジャッキ |
3,000~10,000円
|
レンチ
|
1,000~4,000円
|
トルクレンチ
|
2,500~7,000円 |
C型クランプ
|
300~1,500円 |
これらの工具をすべて購入すると、およそ6,800~22,500円必要です。今後ずっと自分で交換しようと考えている人なら購入する価値があるかもしれませんが、1回だけの交換なら業者に依頼するより高くつく可能性もあります。
次に、交換作業の流れをご紹介します。
- レンチでホイールナットを少し緩める
- ジャッキで車を持ちあげる
- ホイールナットを完全に緩め、ホイールを取り外す
- ボルトを外し、ブレーキキャリパーを開く
- 古いブレーキパッドを外す
- C型クランプでブレーキキャリパーのピストンを押し込む
- 新しいブレーキパッドを取り付ける
- ブレーキキャリパーを戻し、ボルトを締める
- ホイールを取り付け、ホイールナットを軽く締める
- ジャッキを下す
- トルクレンチでホイールナットを適正値まで締める
- エンジンをかけずに感触が戻るまで30回程ブレーキペダルを踏む
特に最後の工程は非常に重要で、この作業を行わないと全くブレーキが効かないため注意してください。
ブレーキパッドの交換時期は?
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ブレーキパッドの交換時期を知る方法はいくつかあります。「次の定期点検のときに見てもらえば良いだろう」と思っていても、車の利用状況などによってはそれよりも早く寿命を迎えてしまうこともあるので、定期的なチェックを欠かさないようにしましょう。
年数と走行距離
車の知識がない人でもわかりやすい基準となるのが走行距離や年数です。
後述しますが、ブレーキパッドが5mm以上すり減ると交換を検討すべき時期になります。走行距離10,000kmで1mm程度摩耗すると言われているため、走行距離約50,000kmが交換を行う目安の1つです。
また、1年間の走行距離は車の利用状況によっても大きく異なりますが、日々の買い物や週末のレジャーに加えて旅行などで長距離走行をすることもあるというケースでは、年間の走行距離は10,000kmに達すると言われています。この場合、使用開始から5年前後で走行距離50,000kmに達し、交換すべき時期を迎えると考えられるでしょう。
ただし、走行距離や年数による交換時期の見極めは簡易なもので、確実な方法ではありません。あくまでも1つの目安として考え、早めに交換をするように心がけたり、後述する方法も併せて利用したりするなどしてださい。
ブレーキパッドの厚み
交換時期を知る確実な方法は、ブレーキパッドの厚みを直接見て確認するという方法です。まず、ブレーキパッドは新品の状態で約10mmの厚みがあります。使用限度の厚みは2mmで、それ以下になるとブレーキが効きにくくなるなどして非常に危険です。そのため、厚みが5mmほどになっていれば次の点検や車検時に交換、3mm以下になっていれば次の点検や車検を待たずすぐに交換を行いましょう。
確認方法は次の通りです。
- レンチでホイールナットを少し緩める
- ジャッキで車体を持ち上げる
- ホイールナットを外す
- ホイールを取り外す
- 点検窓から確認する
道具が必要かつ、少し手間のかかる方法にはなりますが、交換時期を知るためには最も確実な方法です。
ブレーキフルードの量
ブレーキフルードとは、ブレーキを踏んだ力を伝える役割をする液体です。ブレーキフルードの残量を確認することでも、ブレーキパッドの交換時期を知ることができます。
ボンネットを開けてブレーキフルードのタンクを見てみると、MIN(もしくはLOWER)とMAX(もしくはUPPER)と書かれた目盛りが付いており、液の表面がその間にあれば問題ありません。しかし、液が減ってMIN(もしくはLOWER)に満たない量になっている場合は、ブレーキパッドの交換を考えるべき時期であるサインです。
ただし、この方法はブレーキパッドとブレーキフルードを同時に交換している車にだけ使えます。ブレーキフルードだけ先に補充している場合は使えないため注意してください。
異音や異常を感じたらすぐに交換を
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「使用開始から年数が経っていないからまだまだ使えるだろう」と思っていても、異音や異常を感じたら速やかに点検や交換を行いましょう。
まず、「キーキー」という高い音が鳴る場合、ブレーキパッドが摩耗して薄くなってしまっていることが考えられます。全ての車に付いている機能ではありませんが、これはブレーキパッドの残量が少なくなってしまっていることを示す合図のようなもので、音が聞こえたら速やかに交換を行ってください。
また、「キーキー」という異音に加え、「ゴーゴー」という通常車から聞かないような音がする場合にも、ブレーキパッドやその周辺のパーツに異常が生じている可能性が高いので、点検を依頼して必要な整備をしてもらいましょう。
反対に、あまり心配する必要がない異音もあります。
特によくあるのは、寒い日に車を乗り始めてからしばらくの間だけ聞こえる音です。これは、寒さによって金属が固い状態で触れ合うことによる音で、異常がなくても聞こえることがあります。走行してしばらくしたら異音が消えるのであれば、特に心配する必要はないでしょう。
ただし、素人では異常があるかどうかの判断が難しいケースも少なくありません。ブレーキは安全性に大きく関わるため、少しでも不安があれば業者で点検を依頼することをおすすめします。
車検に合格できるブレーキパッドの基準は?
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意外かもしれませんが、車検ではブレーキパッドそのものの検査項目はありません。先ほど、使用限度は厚さ2mmであると解説しましたが、たとえ残り1mmとなっていても厚みが原因で車検に落ちるということはないのです。
しかし、車検ではブレーキの効き具合を確かめる項目があります。ブレーキパッドはブレーキの効きやすさに深く関係しているため、薄くなっていたり、何らかの不具合が起きていたりすることでブレーキが十分に効かず、車検に通らないという可能性は考えておかなければなりません。
ブレーキパッドを直接確認されるわけではありませんが、車検前には念のため確認しておきましょう。また、摩耗が進んでいると車検時に交換を勧められるため、必要に応じて依頼するようにしてください。
劣化したブレーキパッドを放置するのは危険
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車検において、ブレーキパッドそのものを確認する項目がないとはいえ、何年も点検や交換しないまま放置しておくのは非常に危険です。
最初に述べた通り、ブレーキパッドはタイヤの回転を制御するパーツであり、摩耗して薄くなると段々ブレーキの効き具合が悪くなっていきます。万が一完全になくなってしまうまで放置していれば、ペダルを踏んでも全くブレーキが効かない状態になってしまうのです。当然、止まりたいときにすぐ車を止めることができなくなると、大怪我や命にも関わりかねない事故の可能性が高まります。
また、摩擦材部分がすり減ると、金属のパーツがむき出しになってしまい、他のパーツを傷つけてしまうので、他のトラブルを引き起こすことも少なくありません。ブレーキパッドの放置は重大な事故やトラブルに繋がるため、定期的な点検や交換を怠らないようにしてください。
ブレーキパッド以外に車検前に確認しておきたいポイント
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車検でブレーキパッドそのものを確認する検査項目はありませんが、ブレーキの効き具合はチェックされます。車検の検査項目の中でも引っ掛かりやすい項目の1つとされているため、ブレーキパッドを含めて事前に交換しておくべきパーツがないかを確認しておきましょう。
もちろん、車検では他にも多くの項目を検査されます。検査に落ちやすいとされる項目の例は、ヘッドライトやドライブシャフトブーツなどです。ヘッドライトの色や明るさが適正か、ドライブシャフトブーツに損傷がないかなどは、整備の知識があまりなくても確認できるでしょう。こういった誰でも簡単にチェックできる部分に関しては、車検前に一度自分で確認しておくことをおすすめします。
車検での検査項目についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:車検の検査項目一覧まとめ!検査内容と車検に落ちないための対策も解説
車検を受けるなら楽天Car車検がおすすめ!
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この記事では、ブレーキパッドについて解説しました。ブレーキパッドは車検で検査されるパーツではありませんが、安全性に非常に大きく関わる部品なので、定期的な点検と交換を欠かさないようにしましょう。
また、車検で直接見られることがないとはいえ、車検で確認されるブレーキの効き具合には関係しているため、車検前には一度確認しておくことをおすすめします。その他、車検には多数の検査項目があるので、事前に確認して問題なく通るように準備しておきましょう。
また、車検前になると検査項目だけでなく費用についても気になりますよね。最低でも数万円、状況によっては10万円以上かかることも珍しくない車検は、できるだけ安く受けたいと思う人が多いのではないでしょうか?
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参考サイト
車検におけるブレーキパッド交換の費用は?ブレーキパッドについて徹底解説!(参照日:2021-07-11)
https://www.nextage.jp/syaken_guide/cost/199319/#2
ブレーキパッド交換のサインは?交換時期や費用、所要時間を解説(参照日:2021-07-11)
https://car-mo.jp/mag/category/tips/carlife/exchange/brakepad/
ブレーキパッドのすべて!交換方法や費用、寿命の見方を徹底解説(参照日:2021-07-11)
https://carnext.jp/magazine/article/brake_pads/
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