2021-03-03
【軽ハイトワゴン】何が違うの?人気3車種の比較ポイント
限られたボディサイズと排気量の中で作られる軽自動車だけに、同じタイプのクルマであればどれも大差ないと思われる人も多いかもしれません。
しかし、実は限られたサイズの中でも各メーカーとも創意工夫を施しており、同タイプの車種でも細かな違いが存在しています。
とはいえ、それをカタログから読み解くのはなかなか難しいもの。そこで今回はそんな各車の細かな違いをピックアップしてご紹介いたします。今回は特に気になる人が多いであろうシートのレイアウトやアレンジ、スライドドアの機能、荷室周りの特徴に絞ってみました。
1.シート周りの特徴
・N-BOXのシート周り
N-BOXのフロントシートには、「ベンチシート仕様」のほかに「スーパースライドシート仕様」という2種類が用意されています。
ベーシックなベンチシート仕様は、左右のフロントシートの間に隙間が空いていないため(スライドは左右個別にできます)運転席と助手席の行き来がしやすく、ゆったりとした雰囲気を味わうことができます。
一方のスーパースライドシート仕様は左右のシートが独立したものとなっており、助手席シートが前後方向に570ミリもスライドさせることができるもの。
前方に目いっぱいスライドさせれば、インパネギリギリまで助手席を動かすことができるため、運転席後ろに設置したチャイルドシートに子どもを乗せたあと、車外に出ることなく運転席に移ることもでき、雨の日などに役立ちます。
画像引用:HONDA|Media Websaite
また助手席を一番後ろまでスライドさせれば、後部座席の直前まで座席を移動させることができるので、助手席に座ったまま後部座席の子どもの世話をすることもできるでしょう。
画像引用:HONDA|Media Websaite
そして、リアシートも190ミリの前後スライドが左右独立してできるため(ベンチシート仕様も同様)、各座席に座る人の体格に合わせてベストなポジションを取りやすいという利点もあります。
・タントのシート周り
タントのシートには、助手席側が380ミリスライド可能な「助手席ロングスライド」に加え、運転席を540ミリスライドすることができる「運転席ロングスライドシート」が備わっています(L、カスタムLを除く)。
画像引用:DAIHATSU|Media Websaite
こちらも助手席はインパネ直前まで前に移動できるうえ、運転席はリアシートの直前まで後方にスライドできるため、助手席側のスライドドアから運転席へのアクセスが容易になるというメリットがあります。
また、運転席のロングスライドが可能なため、座ったまま後部座席の子どもや荷物にアクセスすることができるという利点があります。
そして助手席を目いっぱい前にスライドさせれば後部座席の足元スペースが広大になるため、使い勝手がさらに高まりますね。
なお、標準モデル(カスタム系以外)のシート表皮には撥水加工がなされているので、車内で飲み物をこぼしてしまったときなども安心できるという点もあります。
画像引用:DAIHATSU|Media Websaite
・スペーシアのシート周り
スペーシアのシートはロングスライドなどの飛び道具は備わっていないものの、4つのシートがそれぞれ独立してスライドすることができるため、さまざまな体格のユーザーに対応できるようになっています。
画像引用:SUZUKI|Media Websaite
また、リアシートも左右独立して前後210ミリのスライド幅を持っているため、後部座席優先にしたり荷室優先にしたりと使用するシーンに合わせて調整できるようになっており、シンプルながら使い勝手に優れたシートと言えそうです。
そして前後ともにベンチタイプのシートを採用していることで、前席と後席を繋げてフルフラットシートにすることが可能となっており、車中泊を楽しむこともできるでしょう。
画像引用:SUZUKI|Media Websaite
2.スライドドア周りの特徴
・N-BOXのスライドドア周り
N-BOXのスライドドアは、Gグレードが両側手動、L、EX、カスタムLが左側電動で右側がオプション、それ以外のグレードは両側電動スライドとなります。リモコン操作で自動開閉も可能で、軽い力でドアオープンができるため、子供やお年寄りの方でも楽に操作できますね。
画像引用:HONDA|Media Websaite
また、Gグレード以外には半ドア状態までスライドドアを閉めれば、あとは電動で最後まで閉めてくれる「イージークローザー」が両側に備わっています。
そして、後付け可能なディーラーオプションとして、ボタンを押すだけで電動スライドドアを開閉できる「ワンタッチスライドドア」や、両手が塞がっていても、足先をかざすことで電動スライドドアが自動で開閉できる「ハンズフリースライドドア」が用意されています。
・タントのスライドドア周り
タントのスライドドアの最大の特徴が助手席側の「ミラクルオープンドア」でしょう。これは通常、備わっているBピラーと呼ばれる柱をドア側に入れ込むことで、圧倒的な開口部を実現するもので、人の乗り降りはもちろん、荷物の載せ下ろしにも効果的な装備です。
スライドドアはL系グレードが手動、Xターボ、Xが左側電動スライド(右側はオプション)、カスタムRS、カスタムXは両側電動スライドドアとなり、電動スライドドアには「ウェルカムオープン機能」と「タッチ&ゴーロック機能」も備わります。
「ウェルカムオープン機能」は、降車時にインパネのスイッチで予約をしておけば、次回乗車時に電子キーをもって車両に近づくだけで電動スライドドアが自動でオープンするというもの。お買い物時など、両手に荷物を持ったような状態でも操作不要でドアが開くので、使い勝手の向上に寄与してくれるでしょう。
画像引用:DAIHATSU|Media Websaite
「タッチ&ゴーロック機能」は、電動スライドドアが閉まりきるまでに、フロントドアハンドルのリクエストスイッチに触れるだけで、スライドドアが閉まった後に自動ロックを予約できるもので、ドアが閉まりきるまで待たずに車両を離れることができる装備となっています。
画像引用:DAIHATSU|Media Websaite
「イージークローザー」はL系グレード以外の全グレードに備わり、助手席フロントドアのイージークローザーもL系グレード以外に標準装備(L系はオプション)となります。
・スペーシアのスライドドア周り
スペーシアのスライドドアは、HYBRID Gが手動、HYBRID GSが左側のみ電動となり、それ以外のグレードは全て両側電動スライドとなります。スライドドアのイージークローザーはHYBRID G以外で左右とも標準装備となります。
画像引用:SUZUKI|Media Websaite
また、電動スライドドア車には、スライドドアが閉まりきる前にリモコンキーで操作することで、ドアロックを予約できる「パワースライドドア予約ロック機能」や、電動スライドドア作動中にドアハンドルやスイッチを操作することで、好きな位置で開閉をストップできる「パワースライドドア一時停止機能」も備わります。
「パワースライドドア一時停止機能」は雨や雪の日などで最低限のドア開口で済ませたいときや、ちょっとした荷物の出し入れにドアが全開するまで待たなくてもよいなどのメリットがあります。
3.荷室周りの特徴
・N-BOXの荷室周り
N-BOXのトランクはフロア高470ミリ(2WD車)と床が低いことが特徴です。また、リアシートを倒して荷室を拡大するときはリアシートがダイブダウンするため、ほぼフラットな荷室となる点も美点と言えます。
画像引用:HONDA|Media Websaite
さらにリアシートの座面を跳ね上げることができるチップアップ機構も備えているので、背の高い観葉植物のようなものを積むこともでき、載せる荷物によってさまざまなアレンジができるようになっています。
画像引用:HONDA|Media Websaite
・タントの荷室周り
タントのトランクフロア高は580ミリとN-BOXよりは高くなっています。リアシートの格納はリアシートの肩口にあるレバーを操作するだけのワンモーションで可能となっており、室内側、荷室側どちらからもアクセスできるようになっています。
画像引用:DAIHATSU|Media Websaite
また、助手席フルフラット機構を備えているため、助手席側リアシートを格納することでかなりの長尺物も積載することができ、ミラクルオープンドアと組み合わせればより楽に積み込みすることも可能となります。
画像引用:DAIHATSU|Media Websaite
・スペーシアの荷室周り
スペーシアのトランクフロア高は510ミリと3車種の中では平均的な数値となりますが、開口部がスクエアな形状となっており、自転車の積み下ろしをサポートするガイド(溝)も設置して、27インチの自転車もラクに載せることができるように配慮されています。
画像引用:SUZUKI|Media Websaite
リアシートはワンタッチでほぼフラットにできる機構に加え、荷室側からもシートスライドが可能(HYBRID Gを除く)となっていて、載せる荷物の量によって簡単に調節できるようになっています。
画像引用:SUZUKI|Media Websaite
4.まとめ
・N-BOX
助手席スーパースライドシートは小さなお子さんの面倒をみるときはもちろん、後部座席に人が座るときは助手席を前に移動させて足元を広く使うこともできるため、1人でのドライブから多人数乗車までこなすことができるのが魅力です。
またリアシートは倒すだけでなく、座面を跳ね上げて背の高いものを積むこともできるため、1台でさまざまな用途に使うことができ、道具として使いこみたいユーザーにオススメできそうです。
・タント
タントはシートのロングスライドに加え、助手席側が大きく開くミラクルオープンドアを採用しているため、お子さんだけでなく、年配の方でも乗り降りがしやすいという美点があります。また、非カスタム系では撥水シートとなるので、車内でうっかりドリンクなどをこぼしても汚れにくい点も嬉しいポイント。
そして助手席側はフルフラットにすることができるため、ミラクルオープンドアと併用すれば長尺物も簡単に積載できるというのはタントだけの特徴です。ホームセンターで長尺の木材などを購入するシーンでも活躍してくれるので、DIYを楽しむユーザーにもオススメです。
・スペーシア
スペーシアは他の2車種のようにロングスライドなどは備わらないものの、たっぷりとしたフロントシートで長時間の運転でも疲れにくいという点が挙げられます。またステップ高も低く抑えられているので、足を高く上げなくても乗り降りできるという点も特徴でしょう。
荷室側も低床&大開口となっており、3車種の中では唯一自転車の積み下ろしをサポートするガイドも設置されているため、自転車通学や通勤をする家族を迎えに行くようなシチュエーションでは重宝するハズ。しっかりしたフロントシートと相まって、長距離移動やサイクリングを楽しむユーザーにピッタリかもしれません。
このように、一口にスーパーハイト軽ワゴンといっても、各車特徴があることがお分かりいただけたのではないでしょうか? ご自身がどのようなシチュエーションでクルマを使うのかを考えて、ピッタリの1台を見つけてくださいね。
参考サイト
SUZUKI公式HP(参照日:2021年2月25日)
https://www.suzuki.co.jp/car/spacia/
HONDA公式HP (参照日:2021年2月25日)
https://www.honda.co.jp/Nbox/
DAIHATSU公式HP (参照日:2021年2月25日)
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto/
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