2020-06-01
ディーラー車検は高いって本当?メリットデメリットを他業者とも比較
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「ディーラーで車検をすると高いってイメージだけど、おすすめなのかな...」と思っていませんか?そこで今回は、ディーラー車検の特徴や魅力について解説します。他の車検業者とも比較しているので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
あなたは、次の車検をどこで受けようと思っていますか?車を購入したディーラーで、車検を受けるようと言われた人は多いと思います。しかし、「ディーラーでの車検は高い」というのはよく耳にしますし、本当にディーラーで車検を受けるべきか迷っているという人も多いのではないでしょうか。費用が高かったとして、それに見合う価値があるのかわからなければ判断に困るという人も多いかと思います。
そこで今回は、ディーラー車検の特徴やメリット・デメリット、費用などについて解説します。他の車検業者やユーザー車検とも比較して解説するので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ディーラー車検の特徴は?最大の魅力は質の高さ!
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ディーラー車検は、「料金は高いが、その分、整備の質も良い」というのが特徴です。ディーラー車検よりも、安く車検が受けられる場所はあります。しかしディーラー車検の場合は、メーカーの車に詳しいスタッフが専用の器具を使って検査し、不備があれば純正の部品を使って対処してくれます。詳しくは、メリット・デメリットの項で解説しますね。
ディーラー車検のメリット・デメリット
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「整備の質が高いって、具体的にどんなことをしてくれるんだろう...」「メリットだけじゃなく、デメリットも見つつ依頼すべきか決めたいな...」と思っている人が多いのではないでしょうか。そこで次に、ディーラー車検のメリット・デメリットについて解説します。
ディーラー車検の5つのメリット
ディーラー車検を受けるメリットは、以下の5つです。
- 予備整備を行う場合が多く安心
- 交換で純正の部品が確実に使える
- メーカーの車に詳しい
- 整備の質が高い
- メーカー保証が適用できる
1.予備整備を行う場合が多く安心
ディーラー車検では、多くの場合予備整備を行います。予備整備とは、車検を通すための最低限の整備とは別に、車検後の安全な走行のために行う点検・整備です。予備整備の実施は車検と違い法律で定められた義務ではないのですが、多くのディーラーで実施されています。「予備整備をする分費用が高くなるから無い方がいい」という人もいるかもしれません。しかし、車検の点検項目以外の部品が故障してしまってからでは、遅いです。費用を実費で支払うのはもちろん、修理を依頼する手間も必要です。保険的な意味で考えても、受けておくと安心でしょう。
2.交換で純正の部品が確実に使える
車検の際には、劣化した部品の交換が必要になることもあります。そんな時もディーラーでは、確実に純正の部品と交換できます。他の業者では、整備費用を安くするために純正の部品以外と交換することもあるため、純正の部品と交換したい人にはおすすめです。純正の部品を使用することで、運転中に不具合が起こるリスクが下げられます。また、車を売却する際に純正でない部品を使用している場合に比べて高く査定される傾向もあります。
3.メーカーの車に詳しい
ディーラーでは同じメーカーの車を専門的に取り扱うため、メーカーの車に詳しいスタッフが車検を行ってくれます。また、メーカーの専用の点検器具・整備器具がある場合、それらが多くの店舗で完備されており、あなたの愛車にとって最適な環境で車検を受けることが可能です。車種によってどこに不具合が出やすい、どこを重点的に点検した方がいいなどといった、メーカーの車に対する知識の深さではディーラーがトップクラスのため、安心して車検を受けることができるでしょう。
4.質が高い
ここまでに上げてきた3つの項目とも重なりますが、ディーラー車検のメリットは非常に質が高いということです。ディーラー車検では、多くの場合に定期交換部品が定められています。そのため、故障したり不具合が生じたりする前に部品の交換を行うことで、事故の予防につなげることが可能です。また、車を乗り換える際には下取り・新車購入という機会が生じるため、そこに向けてもいいイメージを持ってもらって自社で行って欲しいというのがディーラーの思いです。そのためというわけではないですが、丁寧な対応が受けられるというのもうれしいですよね。
5.メーカー保証が適用できる
ディーラー車検の大きなメリットが、メーカー保証が確実に受けられるという点です。多くのメーカーでは、修理や部品交換などが安くなったり無料でできたりといった保証を用意しています。しかし、このメーカー保証はメーカーの系列会社であるディーラーでしか受けられない場合が多いです。同じ車検や部品交換で、ディーラーで受ければ保証範囲でも、ガソリンスタンドや整備工場などでは自己負担、となってくれば、当然ディーラー車検の方がお得ですよね。
ディーラー車検の2つのデメリット
ディーラー車検にも、以下のようなデメリットがあります。
- 車検費用が高い
- 日数が1週間以上かかることもある
1つずつ詳しく解説しますね。
1.車検費用が高い
よく聞く話かもしれませんが、整備工場やカー用品店に比べてディーラーは車検費用が高いです。例えば、大手ディーラーであるトヨタ、大手カー用品店チェーンのオートバックス、ユーザー車検で小型車の車検費用を比較すると以下の表のようになります。
|
ディーラー車検 (トヨタ) |
他の車検業者 (オートバックス) |
ユーザー車検 |
車検基本料金+ その他諸費用 |
41,660円 |
12,800円 |
なし |
※2019年12月現在の価格
メリットで紹介した通り、予備整備や純正部品での部品交換などによって車検費用はどうしても高くなります。それに対して他の業者では、予備整備をせず車検を通すための最低限の整備だけを行ったり、部品交換を中古部品や他社の部品で行ったりすることでコストカットしています。そのため、「とにかく安く車検が受けたい」という人には、ディーラー車検はあまりおすすめではありません。これについては、安くて最低限の車検か、高くて充実した車検かという好みの問題になります。
2.日数が1週間以上かかることもある
他の業者に比べるとディーラー車検は比較的長い時間がかかる傾向があります。大手ディーラーであるホンダとオートバックス、ユーザー車検で車検にかかる日数を比較すると以下の表の通りです。
|
ディーラー車検 (ホンダ) |
他の車検業者 (オートバックス) |
ユーザー車検 |
車検日数 |
1日〜数日 |
1日 |
1日 |
※2019年12月時点の情報です
参考:よくあるご質問 | お問い合わせ | Honda Cars 中央神奈川
他の業者ではあまり行わない予備整備の手間があるため、その分長くなるのは当然と言えば当然ですよね。もちろん、車の状態や店舗などによって車検の時間は前後しますし、場合によっては1日で終わることもあるようです。時間が気になる場合は、あらかじめ店舗に問い合わせてみるといいでしょう。
ディーラー車検にかかる費用は?
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ディーラー車検のメリットデメリットがわかっても、実際の費用がわからなければ判断しようがないですよね。そこで続いては、ディーラーの車検費用について解説します。ただ、いきなりディーラーの車検費用について解説しても、理解しづらい方がほとんどです。そのため、以下の流れで解説します。
・車検費用の内訳
・ディーラーの車検費用相場
1つずつ詳しく解説しますね。
車検費用の内訳
車検費用は、法定費用と車検基本料金+その他諸費用の2つに分けられます。法定費用は、税金や保険料などで構成されるどこで車検を受けても一律の金額が発生する費用です。法定費用については以下の記事で詳しく解説しているので、もっと知りたいという人は参考にしてみて下さい。
関連記事:車検にかかる法定費用の内訳・価格の違いは?カード払いする方法も解説!
それに対して、車検を受ける店舗によって金額が変化するのが車検基本料金+その他諸費用です。つまり、車検が安いというのは車検基本料金+その他諸費用が安いということを意味しています。この車検基本料金+その他諸費用には、整備・点検にかかる費用や部品の交換にかかる費用、整備のために洗車する費用などが含まれます。
ディーラーの車検費用相場
それでは、ディーラーの車検費用相場を見ていきましょう。今回は、トヨタのディーラー車検の参考価格を小型車・中型車・大型車に分けて見ていきます。なおこの価格表の「メーカー保証適用」は、「ウェルカムサポート24」という保証パック適用時の価格です。
|
法定費用 |
車検基本料金+その他諸費用 |
合計金額 |
メーカー保証適用の合計金額 |
小型車 (ヴィッツの例) |
43,430円 |
41,660円 |
85,090円 |
68,900円 |
中型車 (カローラの例) |
51,630円 |
42,100円 |
93,730円 |
69,800円 |
普通自動車 (TOYOTA86の例) |
51,630円 |
44,300円 |
95,930円 |
73,600円 |
大型車 (マジェスタの例) |
59,830円 |
48,590円 |
106,220円 |
82,000円 |
ディーラー車検を受ける具体的な流れ
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ディーラー車検を受ける具体的な流れは、以下の通りです。
- 見積もり予約・見積もり
- 車検
- 納車
それぞれについて詳しく解説します。
1. 見積もり予約・見積もり
まずは、電話や店頭、ホームページなどから見積もりの予約を行いましょう。ディーラーによっては車検が近づくと郵送や電話でその旨を連絡してくれるため、そこから予約できることもあります。そして、当日店舗に出向いて受付をすませ、見積もりしてもらいます。見積もりが出たら、以下を確認しましょう。
車検項目をきちんと全て確認し、消耗部品の交換や洗車などが本当に必要か考えてみましょう。実際にディーラーのスタッフに聞いてみた結果、車検費用を抑えることにつながるケースはよくあります。また、見積もり金額に不満がある場合は、ここで別の店舗に行くのも良いでしょう。なお、車検にかかる日数なども、この時点で確認しておくのがおすすめです。
2. 車検
見積もりに納得できたら、正式に依頼して車検を受けます。この時、必要な書類を揃えて提出する必要があるため、前もって準備しておきましょう。必要な書類については後ほど解説するので、ぜひ参考にして下さい。
3. 納車
車検が完了したら、料金を支払って車を受け取りましょう。これで、車検の一連の流れは全て終了です。
ディーラー車検・他の車検業者・ユーザー車検の違いを3つの視点で比較!
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これまで、ディーラー車検の内容や車検費用、流れについて解説しました。ただ、他で車検を受ける場合の情報がないと、比較ができないですよね。そこで次に、ディーラー車検・他の車検業者・ユーザー車検の3社に分けて、以下3つの視点で違いを比較します。
- 車検費用
- 車検日数
- 車検+整備の質
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1. 車検費用での違い
車検費用で比較すると、安い順に以下のようになります。
実際にかかる車検費用のうち、どこで車検をするかによって変化する車検基本料金+その他諸費用の参考価格(税別)を比較したのが以下の表です。なお、ここではディーラー車検については引き続きトヨタを、他の車検業社については大手カー用品店チェーンのオートバックスを例として、小型車の車検で比較します。
|
ディーラー車検 (トヨタ) |
他の車検業者 (オートバックス) |
ユーザー車検 |
車検基本料金+その他諸費用 |
41,660円 |
12,800円 |
なし |
※2019年12月現在の価格
ユーザー車検は、自分で整備するため当然費用はかかりません。また、他の車検業者(オートバックス)もディーラー車検(トヨタ)に比べると、3分の1以下の価格となっています。とにかく安く車検を済ませたいのであれば、ユーザー車検をするのがベストです。しかし、自分で車検をするのは不安だ、時間がないという人は他の車検業者に持ち込むことになることがわかります。他の車検業者では、交換用の部品に純正以外の部品や中古品を使用していたり、車検を通すための最低限の整備のみで予備整備を行わないことでこの安さを実現しています。
そのため、繰り返しにはなりますが価格と質のどちらを重視するかでディーラー車検にするか他の車検業者にするかを選ぶことになります。
2. 車検日数での違い
車検日数で比較すると、基本的には3つとも横並びです。というのも、ディーラー車検・その他車検業者・ユーザー車検はどれも最短で1日で終えることが可能だからです。例えば、ディーラー車検ではトヨタの場合、「その場で、車検」(要予約)を利用することで即日、最短45分で車検を終えることができます。また、その他車検業者でもオートバックスでは最短その日のうちに車検を終えられますし、ユーザー車検も何事もなければ1時間ほどで終わります。
しかし、これはあくまで何事もなく車検がスムーズに終わった場合です。点検の際に不備が見つかると、部品交換で時間はどんどん伸びますし、日を跨ぐことももちろんあります。また、その他車検業者の場合、店舗に指定工場がなく、車を指定工場に運んでから車検を行うこともあり、その場合は数日必要です。そもそも、ディーラー車検では即日車検ができるコースを選択しない(店頭に用意されていない)場合には2~3日かかります。
そのため、あらかじめ店舗に即日での車検が可能かどうか問い合わせておきましょう。
3. 車検 + 整備の質での違い
車検+整備の質で比較すると、質が高い順に以下のようになります。
- ディーラー車検
- その他車検業者
- ユーザー車検
ユーザー車検は、自分で車検を行うため、当然プロの点検よりも質が落ちることになります。また、その他車検業者では、部品交換の際に取り寄せなければ純正部品を置いていないこともありますし、多くの場合は価格を抑えるために予備整備を行いません。そのため、メーカーの車に詳しいスタッフが必要に応じて専用機器を用いて点検・整備する上に、予備整備を行ったり確実に純正の部品が使用できるディーラー車検が質の高さでは群を抜いています。
ディーラー車検についてよくある5つの質問
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最後に、ディーラー車検についてよくある以下の5つの質問について解説します。
- 車検に必要な準備は?
- ディーラー車検をするときに注意すべきことは?
- クレジットカードは使える?
- ディーラーごとに料金やパック料金は違うの?
- 代車はある?
それぞれについて詳しく解説していきます。
1.車検に必要な準備は?
車検に必要な準備は、基本的には以下のものです。
- 車検証(自動車検査証)
- 自動車税納税証明書
- 自賠責保険証明書(自動車損害賠償責任保険証明書)
- 印鑑(認印)
- 車検費用
- ロックナットアダプター
車検証(自動車検査証)は、運転時に携帯が義務付けられているため、多くの人がダッシュボードの中に保存しているかと思います。車検証の有効期限が切れていると、車検は受けられるもののディーラーまで公道を運転して運ぶことができません。普段あまり運転しないという人は、有効期限が切れていないかを確認しましょう。また、仮に紛失してしまった場合には速やかに再発行する必要があります。再発行の手順が知りたいという人は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみて下さい。
関連記事:車検証の再発行にかかる費用・時間は?理由書・委任状の書き方も解説
自動車税納税証明書は毎年5月頃に郵送されてきます。絶対に車検時に必要なわけではないですが、コンビニで自動車税を納付した直後に車検を受ける場合や、以下の12府県で車を登録している人は必要になります。
- 富山県
- 福井県
- 長野県
- 岐阜県
- 三重県
- 大阪府
- 兵庫県
- 鳥取県
- 岡山県
- 愛媛県
- 佐賀県
- 鹿児島県
自賠責保険証明書(自動車損害賠償責任保険証明書)にも、有効期限があるため切れていないか確認しましょう。車検に関する書類を紛失してしまった場合には、速やかな再発行が必要です。再発行の手順が知りたい人は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみて下さい。
関連記事:こんな時どうする?車検の必要書類を失くした時の対処法
また、ホイールの盗難防止用にロックナットを使用している場合、外さなければ車検ができません。そのため、ロックナットアダプターも持参する必要があります。これら以外にもディーラーによっては必要なものがある場合もあるので、事前に店頭に問い合わせると間違い無いでしょう。
2. ディーラー車検をするときに注意すべきことは?
ディーラー車検の際には、見積もりをきちんと確認する必要があります。というのも、ディーラー車検が高いと言われる理由のひとつに、「必要なのかわからない部品の交換が多い」というものがあるからです。そのため、見積もりの内容をきちんと確認し、交換が必要なのかわからない部品についてはきちんと店舗に確認することで、少しでも安くディーラー車検を受けることにつながります。
3.クレジットカードは使える?
車検費用の支払いには、金額の一部のみクレジットカードが使用できます。車検費用は法定費用と車検基本料金+その他諸費用に分かれるのですが、この車検基本料金+その他諸費用の部分のみクレジットカード決済が可能です。法定費用については現金での支払いしかできないので注意しましょう。
4. ディーラーごとに料金やパック料金は違うの?
5. 代車はある?
各ディーラーの多くの店舗で代車を利用することができます。しかし、店舗によっては代車の準備がない場合もあるため、事前に店舗に問い合わせをしておくことをおすすめします。代車の借り方などについて詳しく知りたい場合は、以下の記事で解説しているので参考にしてみて下さい。
関連記事:車検で代車は無料で借りられる?代車の費用とよくある疑問点を徹底解説
質で選ぶならディーラー車検!値段で選ぶなら民間車検!
ディーラー車検は、金額こそ高いですが、点検・整備の質も圧倒的に高いです。そのため、「多少お金がかかっても安心して車に乗れるようにしたい」という人にはディーラー車検がおすすめです。逆に、とにかく安く車検を受けたいという人には民間車検の方がおすすめです。どちらがいいのかはあなた次第ですので、よく考えて決めてみて下さい。また、民間車検にするのであれば、さらにお得に車検を受ける方法があります。それが楽天Car車検を利用するという方法です。ネット上で簡単に近くの店舗の車検参考価格を比較できる上に、ご利用金額に応じて楽天ポイントが貯まるというお得な特典もついています。便利なのでぜひ使ってみて下さい!
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参考サイト
車検をするならディーラーと民間業者のどちらがおすすめなのか | 車検のいろは (参照日:2019-12-16)
https://press-feed.com/page/article/929/
【車の保証と保証継承とは?】プロの整備士が疑問を解決します | 整備士.ねっと (参照日:2019-12-16)
https://seibisi.net/hosyou/
ディーラーで車検をしよう! 日産ディーラー車検の基本情報を紹介! | CARTUNEマガジン (参照日:2019-12-16)
https://magazine.cartune.me/articles/2496#anchor1
よくあるご質問 | お問い合わせ | Honda Cars 中央神奈川 (参照日:2019-12-29)
https://www.hondacars-chuokanagawa.co.jp/home/question.html
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