ライトウェイトスポーツという原点に立ち返った2シーターオープンカー
1989年に初代モデルが登場して以来、2シーターオープンスポーツの灯を絶えることなく点し続け進化しているマツダロードスター。4代目となる現行モデルは2015年5月に登場した。パーツの共用化によりサイズが大きくなった先代モデルの反省を活かし、ボディサイズは全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmとコンパクトになった。また、軽量・高剛性を実現したボディ骨格を採用することで、先代モデルと比べて100kg以上の軽量化を達成。ロードスターの原点であるライトウェイトスポーツに立ち返っている。外観デザインは、人を中心に配置したコンパクトなキャビンによる乗る人の姿が引き立つ美しいプロポーションが特徴だ。開放感あふれるインテリアは、ボディパネルがドアトリム上部まで回り込むことで、クルマの内側と外側の境界を感じさせない工夫が施されている。前後重量配分を理想的な50:50とするため、フロントミッドシップに搭載された1.5L直列4気筒エンジンは、最高出力131ps、最大トルク150Nmを発生。組み合わされるミッションは新開発の6速MTと6速AT。駆動方式はFR(後輪駆動)のみで、燃費性能はJC08モードで17.2~18.6km/Lを実現している。i-ACTIVSENSEと呼ばれるマツダ独自の安全装備を採用。カメラでレーンを検知し、車線逸脱をドライバーに知らせる「車線逸脱警報システム」をはじめ、車線変更時に側方や後方から接近する車両を検知してドライバーに知らせる「ブラインドスポットモニタリングシステム」。ヘッドライトのハイ・ロービームを自動的に切り替える「ハイビームコントロールシステム」やカーブなどの路形を予測し、ヘッドライトの照射範囲を変える「アダプティブフロントライティングシステム」などを搭載し、高い安全性を実現。また、スマートフォンと連携してハンズフリーでの通話などが可能なカーコネクティングシステム「マツダコネクト」を採用するなど、最新の安全装備、コネクティングを搭載したスポーツカーに進化した。2015年10月には、走りに磨きを掛けたグレードのRSを追加。そして2016年11月には、スイッチ操作一つでルーフが開閉できるリトラクタブルハードトップを採用したロードスターRFを追加。車両重量が増すため、こちらにはハイパワーな2L直列4気筒エンジンを搭載。ルーフの開閉時間はわずか13秒という画期的なルーフを採用し、手軽にオープンエアを楽しめるモデルだ。2017年11月に一部改良を実施。しなやかで上質な走りを実現させるためにリアサスペンションと電動パワーステアリングの制御に改良を加えた。また運転支援システムのアダプティブLEDヘッドライトを新採用し、夜間でも安全・安心な運転環境を提供可能とした。2018年6月の一部改良では、ロードスターRFに搭載されている2Lガソリンエンジンを高回転型に変更。最高出力184psまで向上させている。また、1.5Lエンジンも燃焼改善技術を導入し、燃費性能とコントロール性を向上させている。そして、歴代ロードスターで初めて、テレスコピックステアリングを採用。ドライバーの体型に合わせて、理想のドライビングポジションを設定できるようになっている。2019年11月のマイナーチェンジでは「ポリメタルグレーメタリック」という新色の追加に加えて、先進安全技術の「アドバンストSCBS」に夜間の歩行者を検知する機能を追加した。また、マツダコネトトのスマートフォンとの連携機能を強化している。そして2020年12月の一部改良ではピュアホワイトの内装色を設定し、上質な空間を演出している。(2020.12)